大地返歌事件 リンケージ 悪夢

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リンケージ 悪夢

 不完全ではありますが、『グロスとの接触』を成し得た『大地返歌』を聴いたことにより、PC達は悪夢を、夢によるグロスからの接触を受けます (より正確には、グロスから接触ではなく、こちらからグロスに接触する、ということですが)。
 この場面では、前シナリオの白昼夢とは逆に、地球からグロスを見ることになります。

 キーパーは完成間直の『大地返歌』を聞いた全員に、この悪夢を演出してください。
(むしろ、キーパーは聞いていないPCが出ないように注意してください!)

 (ここでまず、キーパーは夢だ、ということを最初に明言する必要はありません)

 探索者は轟くような音とガラスが砕けるようなチャリンチャリンという音で目を覚まします。
 《アイデア》ロールに成功すると、小規模な地震が起こっている事がわかります。
 起きあがって見回しても、屋外には何も異常はありません。
 自宅や、付近の建物は、いずれも無傷です。他の探索者、あるいはNPCに出会うかも知れませんし、その事は夢を見ている探索者に、これが現実の世界の出来事であるとさらに確信させるでしょう。

 すると遠くからフルートの音色が聞こえてきます。
 特にロールをする必要もなく、それが雪子の奏でるものであることが認識できます。

 フルートの演奏が高まり、そしてそれに応えるように遠方で雷が轟き、巨大な黒雲がうねり広がり、星々を覆い隠していきます。
 稲妻が光りますが、雨は全く降っていません。そして突然黒雲が割れ、途方もない大きさの天体が空に姿を現します。
 これを目撃した者は1D10/1D100ポイントの正気度を(一時的に)失います。探索者が『グラーキの黙示録』か『ネクロノミコン』を読んだ事がある場合、それがグロスの赤錆色をした惑星の姿である事を即座に理解します。
 そうでない場合は、その正体を知るためには《クトゥルフ神話》ロールに成功しなくてはなりません。

 惑星の表面が細かく震えながら割れ、その下の赤いマグマのような裂け目をあらわにすると、そこに巨大な海の如き眼がゆっくりとしみ出すように開きます。そして稲妻が惑星の表面を覆い尽くすように走り、大地を打つべく放たれてます。
 この天体が次第にジワジワと接近してくるにつれて、大地はさらに荒々しく揺れ動きます。DEXの1倍のロールに失敗すると、夢を見ている者は地面に投げ出されてしまいます。

 絶え間なくブンブンとうなり脈動する音が、この惑星のような存在から放射されています。足元の地面にも、鼓動が反響しています。
 《アイデア》ロールに成功した場合、その旋律が雪子のフルートの音色、あるいは黒澄綾の『天球賛歌』を聞いた事がある場合は、それと同じものであるという事を理解するでしょう。脈動は耳も裂けんばかりの大きさにまで次第に高まっていき、そして巨大な稲妻の柱が探索者達の真ん中に落ちて、あたりは暗闇に閉ざされます。そこで夢は終わりです。

 翌朝、夢を見た者達はその内容の全てをあまりにも鮮明に覚えています。幸運にも、昨夜の経験は単なる夢に過ぎなかったので、正気度の喪失もロールの結果の10%(小数部分は切り捨て)だけとなります。しかし恐怖症は後々まで残るかも知れません。夢の中で狂気に陥った探索者達は、この探索の残りの期間を広場恐怖症及び星恐怖症によって悩まされる事になるでしょう。