罪を孕みし堕落の子ら 火葬場の不定期イベント

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火葬場の不定期イベント

 これらのイベントは不定期なものです。
 便宜上、番号が振ってありますが、キーパーの判断で起こす順番を決めてください。
(一部のイベントのみ、時系列の前後が存在しますが、大方は単独のものとなっています)

1.イゴーロナクの子供たちとの遭遇

 廊下を歩いている場合(移動時)、20%の確率で巡回中のイゴーロナクの子供達(2D6体)に遭遇します(キーパーは任意に遭遇確率を設定してください)。
 子供たちは積極的に襲い掛かってきますが、数が半減するか、耐久力が半減するとそそくさと逃げていきます。

イゴーロナクの子供、ボロを纏った眼のない闇のもの
能力値
STR 7
CON 11
SIZ 5
INT 3
POW 7
DEX 10
移動 10
耐久力 8 DB:-1D6
武器:噛みつき 30%、ダメージ 1D2+db
 ※両手、顔の3回の噛み付きとなります。
装甲:なし。
呪文:なし。
技能:聞き耳 80%、嗅ぐ 80%
正気度喪失:
 イゴーロナクの子供を見て失う正気度ポイントは0/1D4です。

2.斎藤、土岐、松永の3人組との遭遇

 彼らは廊下を巡回しており、そこに動くものを発見しては、襲いかかっています。
 彼らはイゴーロナクを目撃して正気度を大きく減少させており、動くもの=イゴーロナクの子供達、部屋の中=イゴーロナクが居る、という妙な妄想に取りつかれ、部屋の中には入らず、廊下に居るものを追いまわしているのです。
 能力については、彼らは有象無象と同じ扱いですが、武器は以下の通りとなります。

 松永:バールのようなもの 1D8
 土岐:コンバットナイフ 1D4+2
 斎藤:手斧 1D4+1

 廊下には、この3人組に襲われて殺された『今川』、『尼子』の死体が転がっています。
 まだ死体に慣れていない場合、彼らの死体を目撃した場合、0/1D6の正気度を喪失します。

※多くの学生が襲いかかってくる為、探索者はそいつらを蹴散らす必要があります。
 殺してしまった場合、探索者は同級生を殺した事実から、1/1D8の正気度を喪失します。

3.グラーキの黙示録12巻

『小鳥遊暦』は主であるイゴーロナクの望みに従って、彼女が持つ『グラーキの黙示録12巻』を探索者に読ませようとしてきます。
 うまくタイミングを図り、探索者たちが彼女を疑う布石にすることができるでしょう。
 また、あるいは後段の『暦と一緒』で引っかかった探索者を使って、他の探索者に読ませるのもよいかもしれません。

(1)書斎で資料を読んでいる探索者を誘惑する。
(2)礼拝堂で書見台のうえのものを読ませようとする。
(3)そのほかの場所でも、資料がありそうな場所で、さも今見つけたように。

 書斎に限らず、資料がありそうな場所である場合に行うことが可能です。キーパーはいろいろと暦の動きを考えてください。
 彼女は「これは読まなくてもいいんですか」等と言って、「グラーキの黙示録(12)」と書かれた見覚えのない大学ノートを手渡してきます。
 探索者が1ページでもこのノートを読んでしまえば、イゴーロナクの憑依可能対象となります。

4.暦の行方不明

 イベントには空部屋が必要です。探索済みの部屋が2つ以上になったら実施してください。
 このイベントは早めにやっておくと、プレイの性質がかなり変わります。キーパーの望む展開、あるいは探索者に緊張感が足りない場合等に実施するのがよいでしょう。
 突然、今まで煌々と灯っていた電燈が消え、あたりは暗闇に包まれます。
 地下である為、通路と、崖に面していない部屋は暗闇となります(移動中のイベントであるため、完全に暗闇です)。
 暗闇になると同時に、暦の短い悲鳴が聞こえ、ばたばたと何かが走り去る音がし(自分で走って逃げたのですが・・・)、また電燈が灯ると、暦の姿が消えていることに探索者は気が付きます。

5.暦のお楽しみ

 暦の行方不明の後、鈴木、朝倉の二人を誘惑して手近な部屋へ連れ込んだ偽美月(暦)は、そこでお楽しみを開始します。
 暗闇の中、存分に通常の性交を楽しんだ後、暦はイゴーロナクの情人の姿へ戻り、今度は激情に任せて身もだえしつつ、朝倉、鈴木をその長い腕で抱き、三つの口で猛烈に噛みつきます。
 彼女との性交は正気度の減少をもたらすうえに、情人の姿に戻った暦を目撃した鈴木と朝倉は一時的な狂気に陥っており、身動きも出来ないまま、むしろ積極的に暦に噛みつかれて殺されます。
 暦はうめき声を上げ、激情に任せて身もだえし、苦痛を伴う性交中であるかのような反応を見せます。
 鈴木、朝倉はまるで激しい性交で絶えるような悲鳴を上げて、絶命します。
 その声に気づくかどうか、探索者は《聞き耳》で判定してください。

 探索者が部屋に駆けつけると、鈴木、朝倉の死体にのしかかられる様な状態で倒れている、全裸に血まみれの偽美月(暦)を発見します。
 この凄惨な光景を目撃した探索者は、1/1D4の正気度を喪失します。(『色欲』の悪徳を選んでいる場合は、さらに+1)

 二人の死体にはまるで鮫か何かに食いちぎられた後が多数あり、それによる出血が死因に思われます。そして、この噛み痕は、例の子供達を想像させますが、それよりも大きなものです。
 探索者か小糸融が死体をどけて偽美月(暦)を助け起こすと、彼女はすぐに目を覚まします(気絶したふりをしていただけなので)。
 本人は、詳しく何が起こったかは話そうとしません。ただ、「電気が消えて、暗くなった後、あの二人にこの部屋に無理やり連れてこらされて・・・、その後は、記憶が無いの」とだけ言います。

 ここで、探索者が小糸融を気にした場合、《心理学》、《アイデア》のロールを行い、小糸の様子があまり動揺していないことを告げてください。

6.暦と一緒

 もしも、探索者達に分断が起こった場合、偽美月(暦)が居る側で起こるイベントです。
 暦は可能な限り、探索者と二人きりになろうとします。
(このイベントに探索者が引っかかった場合、キーパーと共謀して、他の探索者を陥れるのもよいですが、そういったプレイングに慣れていないか、あるいはプレイヤーがそういったことを望まない、好まない場合は行う必要はありません)

(小糸融は一緒に居るはずですが、そういう場面になりそうになると自主的に姿を消しています)
 二人きりになると、標的となった探索者は、偽美月(暦)の物理的距離が非常に近いことに気が付きます。
 また、彼女の破れた服装は不謹慎ではありますが、非常に扇情的であり、そしてその下に覗く肉体は非常に魅惑的です(健康で正常な高校生なら我慢できないものです)。
 近いことに気が付いた探索者が何らかのリアクションを取ると、偽美月(暦)は戸惑ったような顔をしつつ、その手を探索者の手に絡めてきます。
 そして、「嫌な奴と思うかもしれないけど、他のみんなが怖いの。あなたなら、信用できそう。私を守ってくれる?」と、探索者を引き寄せるか、あるいは自ら近寄ります。
 ここで、偽美月(暦)を受け入れた場合は、倒錯的な激しい性交の中、『グラーキの黙示録 第12巻』の内容を囁かれ、1/1D3の正気度を喪失します。淫蕩の極みともいえる原始的な激しい性交の後、探索者は『イゴーロナク』の名前を知ることとなります。その後、暦は何事も無かったかのように振る舞いますが、この暦の誘惑を受け入れた探索者は以降、イゴーロナクの憑依対象として扱われます。
 ここで、暦の誘惑を退けた場合、さりげなく小糸が登場し、その場を何も無かったかのように演出します。
 以降、この探索者の強固な意志はむしろ暦にとっては面白いゲームとなってしまう為、あらゆる手管を使って、探索者を堕落させようとします。

7.古いゴミ部屋

 スタートの部屋とは異なりますが、同じようにゴミがうずたかく積まれた部屋です。
 この部屋のゴミは最早腐敗が進み過ぎて匂いが和らいでいる、という状態で、周辺の部屋に比べても、一目でゴミが古いことに気が付きます。
 この部屋を探索した場合、《目星》のロールに成功すると1年ぐらい前の日付が入っているメモ帳のようなものが発見できます。

 ・山田の手記
 ・山田のメモ

 この山田の手記を読むには、あまりにも汚い文字である為、《日本語》のロールが必要となります(《日本語》技能を未修得の場合でも、日本語の基本成功率は、EDU×5です)。
 しかし、この手記はまったく役に立たないものです。
 ミミズがのたくる様な、かろうじて判別可能な文字が書き付けられたこの手記は、山田の欲望と妄想、実際に行った行為が綴られたものです。
 この為、役に立つ情報は一切ありません。ただ、この手記が茶色く変色していること、最後の日付が約1年前であることは、探索者にしっかりと伝えてください。
 なお、この手記を読むことに成功した探索者は、この異常性欲者の赤裸々な独白により、0/1D3の正気度を喪失します。

 山田のメモは手記と同じような文字で書かれていますが、『グラーキの黙示録12巻』の一部です。こちらのハンドアウト(「グラーキの黙示録―第十二巻」からの抜粋(イゴーロナクの情人に関する項目))を参照してください。
 これはメモレベルの黙示録の一部である為、これを読んでも正気度の喪失は発生しませんが『イゴーロナク』の名を知ること、その情人の情報の断片である為、かなり重要な情報となります。

 ちなみにこの部屋は他のゴミ部屋と異なり、《目星》のロールで有用な道具を発見することはできません。

8.暗闇、イゴーロナクを目撃する

 また暦が行方不明になったときのように、暗闇が訪れ、今度は偽美月(暦)、小糸融が行方不明になります。
 その直後に、暦の悲鳴が上がり、また暗闇になります。
 今度はまるで探索者を誘導するかのように、点々と暗い常夜灯が付いています。
 その誘導に従って移動すると、ある部屋の前まで誘導されます。

 部屋の中には異様な表情の『那須』、『里見』の二人と、さらに奥の暗がりにもう一人居ることが分かります。
 そして、その三人目に二人が一斉に襲い掛かると、奥にいるもう一人の体が膨張を始め、ボタンがそこら中に弾け飛び、服は破れてずたずたになり、その裂け目からは蒼白い海綿質の、微かに発光する肉体があらわになります(よく観察していれば分かりますが、それは男子生徒です)。
 その生徒は頭を背後にのけぞらせて絶叫します―それから彼の顔は、神の膨れ上がり白熱する肉体に呑み込まれてしまいます。濡れた赤い口が彼の掌の中に開きます。
次 の戦闘ラウンドの始めには、心を打ち砕く威光を伴って、イゴーロナクがその姿を完全に現します。この光景を目撃した者は全員、1/1D20ポイントの正気度を失いますが、この時点では、暗闇である為、変身中はよく見えない為、正気度の喪失は半分で済みます。

 この光景を目撃させた後、偽美月(暦)は、「逃げましょう」と、探索者の一人の手を取って逃げます。
 もちろん、あえて探索者を分断する為であり、また誘惑を行う為です。

9.怪しげな小糸融

 小糸融は暦の命令が動いているのですが、ゲームのコマの一つであることには違いありません。
 よって、ある程度暦は小糸融を自身の判断に任せているところと、放置して不利にしておくことを行います。
『暗闇、イゴーロナクを目撃する』後、暦は積極的に小糸を探しません。
 この後は、小糸は行方不明になります。

10.鍵を発見する暦

『グラーキの黙示録12巻』を読むか、あるいは『暦と一緒』でその誘惑に乗った探索者が出た場合、そして可能ならば、イゴーロナクを退散させる手段を見出した後、暦は次の探索で、鍵を発見します。
 この鍵は、1Fの礼拝堂に通じる鍵であり、電子錠のパスワードを解除できれば、1Fで出ることが出来ます。

 どこでもよいので、暦は探索者たちが《目星》のロールに成功したにも関わらず、特に何も発見できていない場合に、何故か鍵を発見します。
 この鍵は、1Fに通じる扉の鍵です。
(当然、暦はゲームのもっとも効果的なタイミングでこれを落として、探索者を礼拝堂へと導きます)

11.黒井との遭遇

 戸惑ったような表情を浮かべた『黒井』が、警戒するように後じさりしながら探索者に問いかけます。
「君たちは大丈夫なのか?まともなのか?」
 探索者は、《説得》、《言いくるめ》、《信用》等のコミュニケーション系のロールで黒井を説得した場合、素直に信用します。
 彼は、意外と普通の人であり、持っている悪徳も『欺瞞』なのです。この状況に戸惑っており、いつものリーダーとなる神野も不在である為、逃げることを考えながらも積極的な行動が取れない、という状態です。
 黒井の信用を得た場合、特に彼から有効な情報を得ることはできませんが、いわゆる『捨て駒キャット』的な扱いが可能です。
 ちなみに、黒井は暦の存在を知りません(神野はその狡猾な性格から、暦と付き合っていることは誰にも打ち明けていません。ただ、譲葉はその存在に気づいています)。

12.譲葉の襲撃

『神野』を失い、いつもは罵倒するか、助けてもらっている『黒井』も居らず、この異常な状況で『譲葉さやか』は精神の平衡を失っています。
 いつもは小奇麗にしている制服はぼろぼろで血まみれ、うつろな目をした譲葉は、この状況を自問自答しながら、そして当然、その責任は他人のせいにしながら歩いています。この異様な風体を見た探索者は0/1の正気度を喪失します(あるいは、もうこんな異様さには『慣れた』ことにしてもよいでしょう)。
《目星》か、《アイデア》のロールに成功すると、制服の血の多くは返り血であり、譲葉自身のものは少ないことに気が付きます。

 探索者を見ても特に反応を示しません。探索者が止めない限り、自問自答を繰り返しながら通り過ぎていきます。

 止めた場合は、彼女はやはり自問自答のように探索者の会話に応えようとしますが、暦を見た瞬間(暦に反応するのではな、女性に反応しているのですが)、奇声を上げながら襲い掛かってきます。
 彼女は奇声を上げ、襲い掛かってくるだけの存在ですが、キーパーは任意で譲葉に暦を疑わせるような台詞を、狂人の言葉として吐かせても構いません。
 止めなかった場合は、探索者の後まで行くと急に振り返り、やはり襲ってきます。
 この場合は、探索者が譲葉を警戒していない場合、不意打ち扱いとなります。

13.神野の襲撃

 小糸融の行方不明後に行うパートです。
 また、最後まで暦があまり怪しくない状態の場合で、キーパーの判断で行ってください。
 最早ここまで来ると、偽美月もあやしさ爆発か、すでに退散している可能性もありますので、暦が探索者側に残っている場合に行ってください。

「こよみぃっ!」
 偽美月(暦)を暦と呼びつつ、神野が、鉄パイプを持って襲い掛かってきます。
 もちろん、暦はまだこの段階でもとぼけて「暦?」と言って、美月の振りを続けます。
 探索者は、偽美月(暦)を助けるか、どうするか決める必要があります。
 偽美月を助けない場合、舌打ちとともに暦はその場から逃げ去ります。神野もそれを追って姿を消します。
 偽美月を助けた場合、神野は「なんだ、てめえらも暦にたらしこまれたのかよ!」「そいつは、俺たちをこんな目に合わせた張本人だぞ!」と言います。
 念の為、偽美月(暦)は「暦って誰よ、私は早坂美月よ!」と叫びます。
 探索者が神野の行為を止めない場合、神野は叫びます。
「誰が美月だ!それは小糸の彼女で、あの部屋に転がってる首のない死体じゃねえか!」と絶叫します。
 この指摘を受けると、しゃがみ込んで泣いている振りをしていた暦は立ち上がり、「あーあ、ばらしちゃった。いい思いをさせて上げてたのに、私の遊びを邪魔するんだね、神野君は」と言います。
 今までの勢いはどこへやら、神野はその雰囲気に気圧され、一歩下がります。
「いいよ、もう用済みだよ。こんな環境を整えてあげたのに、まともぶった台詞を吐く神野君は不要(ぷーよー)だよ。前の神野君なら、・・・ぐらいはゆったのに」
 暦が神野を見ると同時に、神野は悲鳴とともに、踵を返して逃げていきます。
「あ、ああ、しかも逃げちゃうんだ。もう失礼しちゃうな。
 面倒だけど追いかけなくちゃ。じゃ、私は行っちゃうね」
 と、探索者が止めない限りは、そのまま神野を追って姿を消します。
(まだ鍵を発見していない場合、暦は鍵を落としていきます)

 この後、また別の部屋で、『暦のお楽しみ』の犠牲者、鈴木、朝倉と同じようになった神野の死体を発見します。ただ、前の二人はどこか快楽に歪んだ顔であったのに対して、神野は極限と苦痛に歪んだ顔です。この異様な死体を目撃した探索者は、1/1D6の正気度を喪失します。
 この場で、暦を止めた場合は、暦はいらついたように「貴方達まで邪魔をするんだ。そうなんだ。じゃ、仕方ないよね」と、イゴーロナクの情人に姿を変え、探索者に襲いかかってきます。
 対抗手段に気づいていない、まだ持っていない探索者には相当きつい相手となります。逃亡することを勧めてください。逃亡した場合は、暦は追ってきません。

14.暦を疑う

 探索者が何らかのきっかけで暦を疑った場合、一応、彼女は小糸融の証言を盾に自身は美月であると言い張ります。
 明確な証拠が出てくることはないのですが、探索者が強くその点を疑い、小糸がグルであることも指摘した場合、暦はあっさりと自身が『小鳥遊暦』であることを認めます。
「あーあ、ばれちゃった。自分で作ったゲームを傍から見るだけって、つまらないよね?
「だから私もプレイヤーとして参加して、面白かったんだけど、こうなったらもうお・し・ま・い。
 じゃ、私はもう行っちゃうから。運が良かったら上で会おーね」

 暦は指摘を受けると去っていこうとします。
 探索者が止めた場合、「んー、まだ早いって。ほら、私、ラスボスだし。いいの?」と聞いてきます。
(ちなみに、彼女は一応ラスボスですが、真のラスボスはまた別に居ます)
 それでも暦を止めた場合、彼女は遠慮なく『イゴーロナクの情人』の姿をさらし、探索者との戦闘を開始します。

 止めなかった場合は、彼女はそのまま去っていきます。
 鍵については、早い段階の場合はどこかの部屋で発見させるようにしてください。探索も終盤の場合は、その場に暦が落としていきます。