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インセイン

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 まず、結論から。

「クトゥルフ神話ものがやりたければクトゥルフ神話TRPGでやればいいじゃない」

 クトゥルフ神話ものも出来る、みたいに宣伝している為、まるでクトゥルフ神話TRPGと互換性の高いゲームのような印象を与えていますが、当然、クトゥルフ神話もののような展開はできません。
 クトゥルフ神話ものはクトゥルフ神話TRPGでやればよいので、インセインではむしろ、ゲーム的な処理を行なうことで面白みが増すようなシナリオがお勧めです。

 プレイヤーは、逢魔人(おうまがひと)と呼ばれる『怪異』に出会う人々、つまり事件に巻き込まれやすい人々となります。
(怪異とは広く、怪物、都市伝説、クトゥルフ、超能力、UFO、UMA、とにかく理解不能、理不尽、超自然その他もろもろ、全て扱われます)
 システム的には全くサイコロフィクションであり、キャラクターの特技(判定に使用する技能)を2D6と1D6の範囲=11×6の表から選び、アビリティと呼ばれる特殊能力(判定を有利にしたり、ダメージを増やしたり)を選ぶものとなっています。
 判定方法は、上述の特技表から指定の特技からの遠さが、難易度になるというもので、この難易度以上を2D6で出すと成功になりますが、特技の指定はプレイヤーの口の上手さによるところがあるのが、その特徴です。
 相変わらず単純なように見えますが、この特技の定義自体がかなり曖昧である為、GMとプレイヤーのさじ加減が求められます。
 本作は多くのサイコロフィクションと異なり、戦闘がシステムの中心でないこともあり、生命力は別のパラメータとなっています。この為、ダメージを受けることで該当する分野の特技が全て使えなくなるということはなくなっていますが、生命力は基本6点で、ダメージ自体が1D6を基本としているので、かなり大味な気もします(まあ、正気度のルールと合わせて、その状態ではそもそも戦闘自体が難しい、ということがあることも確かですが)。
 本作の肝である『狂気』は、恐怖判定を失敗することでハンドアウトとしてPCに与えられるものですが、獲得した時点でいきなり発動するものではなく、トリガーという発現のきっかけが設定されており、その条件を満たすまでは潜在的なものとして扱われます。この為、相手がどういった狂気を持っているか、ということが秘密と同じレベルで扱われるが、ゲームを面白く盛り上げています。
 また、狂気の中には、さらに狂気を呼ぶような連鎖の仕組みも組み込まれており、一枚めくった瞬間に阿鼻叫喚、ということも。
 一応、正気度というパラメータも用意されているのですが、ルール上、正気度が減るのは『ショック』が発生したときのみとなっています。
『狂気』の獲得と、正気度のバランスが結構微妙なのもインセインの違和感の元なのかもしれません(クトゥルフ神話TRPGを意識しすぎて、ルールがばらばらになっているように見える、というのが正解でしょうか)。

 サイコロフィクションの特徴として、ハンドアウトと秘密という強い拘束力を持ってシナリオに参加させ、同時にゲーム性を保つというのはそのままなのですが、インセインに仕掛けられた狂気のルールが他のPCに秘されたトリガーによって発現するというのが非常に面白いと同時に、このゲーム性をより高めています。
 ただ、掲載されているリプレイはむしろ失敗しているという印象を受けます。GMから選択肢を全て提示しており、プレイヤーはそれに沿って坊主めくりをしているに過ぎないシナリオになっています。
 この為、参加しているプレイヤーはロールプレイによって支えられることで、なんとなく面白かったシナリオとなっていますが、インセイン自体の面白さはあまり伝わってこない、というのが正直なところです。

 繰り返しになりますが、インセインでクトゥルフ神話ものには向きません。
 しかし、ハンドアウトの使命と秘密による拘束力、PvPを容認するシステムであること、そして不確定要素としての狂気の存在によって、インセインはホラーゲームとしては稀に見る完成度にある、と言えます。
 いや、わーきゃーする神話ものなら良い気も(笑)

※今回も大阪でお世話になっている他所様のサークルで行いましたので、F.G.メンバーのコメントはありません・・・。

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