・・・まずは結論から。
注意：『本製品は戦国BASARAっぽいですが、戦国BASARAは出来ません』
てな、注意書きが欲しいところですな。
（同様に、この後に出たフレイムギアも『本製品はスーパーロボット大戦っぽいですが、スーパーロボット大戦は出来ません』）。
KAMUIではキャラクターは『神威』と呼ばれる神の力を受け継いだスーパーヒーローとなり、狩魔（呼び方が不明でしたが、リプレイで『かるま』と判明）という組織の一員である闇祓いと呼ばれる退魔師として、戦国の世に出現した魔物や、魔将と呼ばれる魔物たちの大将達を倒すのが目的となります。
キャラクターは生き様と呼ばれる、《剣聖》《鬼忍》《切支丹》《傾奇者》・・・と言ったアーキタイプを初期では２種類組み合わせて作成されます。この生き様がKAMUIのキャラクターの特徴を現しており、まあ、あれでBASARAっぽい何かが表現できるわけです。
また、この生き様から術技と呼ばれる特殊能力が取得可能で、これがFEAR的なスタンダードなスキル習得となります。
システム的にはD6のみを使用し、判定方法はマスターの指定した能力値＋関連技能分だけD6を振り、同じく指定された目標値以上の出目の数を数え、それが難易度と同じか上ならばその判定は成功する、と言ったものです（・・・ゲヘナと一緒・・・で）。
戦闘の場合ではこれらを対抗判定として同じように判定し、より出目が多い方が勝つ、というようになっています。ダメージ等の場合はこれらの出目をそのまま足すシステムです。
主に防具から来る耐久力と、能力値から来る生命力の2種類のHPが存在するのですが、耐久力が一旦０になる時点で全ダメージが止まる、というルールである為、どんなに大きいダメージであっても１撃は耐えられる、というものなっています。
KAMUIのシステムで特徴的なのは、判定に成功する、神威を使うなどの行動を取ると、士気と呼ばれるパーティでの共有リソースが増えることにあります。
この士気は気力と呼ばれる個人ベースのリソースに変換されますが、士気は共有していますが、気力への変換は個人別で、パーティの全員が獲得している士気をその値まで使えるというシステムになっています。
変換された気力は、技能のレベルアップや、新たな術技の習得、生命力の回復などに使われ、KAMUIの一つの売りである、戦闘中だろうがなんだろうがいきなりレベルアップ！が出来ることになっています（で、生命力の回復手段に乏しい為、生命力が０になると気力で回復する『気力ゾンビ』と呼ばれる状態になります）。
背景世界は戦国時代みたいな感じですが、戦国時代ものTRPG、ではなく、戦国時代風ファンタジーTRPGが正解です。
背景世界に『神威』を継承する人間がどうとか・・・、黄泉と呼ばれる勢力がどうとかあるのですが、とりあえず、桶狭間の時点で伊達政宗が15歳とか、真田幸村が15歳とかはまあ、BASARA的な何かでOKであるとしても、最近のこういうのでは上杉謙信が女性なのはデフォルトなんでしょうか？（ちなみに、武田信玄も真田幸村も女性、家康は男性だけど美少年で、徳川四天王は全員美少女（全員15歳以下だそうです）、んでもって伊達政宗も美少年ですが、片倉小十郎は美女です・・・。戦国らしいおっちゃんはおらんのか）。
全般的に最近（？）出ているTRPGのシステム的な良いところを拾い集め、戦国テイストを塗してみました、という感じでしょうか。
確かに、良いところだけ拾っているので、システム的には見るべき所は存在しますが、とても残念なことにバランスや何かは気にしていない気がします。まあ、ルールブック自体にも、PCがかっこよく、というゴールデンなルールがあることになっていますので、最早バランスとか、ガチで戦闘、というのがコンセプトから外れているのかもしれませんが・・・。
その為か、説明不足、考慮不足を感じることが多いシステムとなっています。特に『神威』はどこでもいつのタイミングでも使用可能、というのが売りの一つにはなっていますが、それによって『神威』はただ単純に順番どおり処理される、というものとなってしまっており、同時に『神威』を打ち消す『神威』も無い為、さんざんっぱら『神威』を打ち合って、術技、リソースをつぎ込みまくって、最後に『オオクニヌシ』で全ダメージ０、なんて展開も普通にありうるところが、なんともプレイヤーにとってもGMにとっても不満となります。
また、何よりも気になるのは、神威を使うと士気＋５＝気力＋５な訳ですが、この神威にいわゆる《活性化》と《模造》（あぁ、ついに自分に分かり易い表現に！（苦笑））があり、これに対して一切の制限が掛かっていない以上、無限ループ可能なわけです。神威を使うと士気＋５というのが無ければ単なるケアレスミスのバグで済みますが（それでもかなりあれですが）、これによって気力無限増殖！という怖ろしいものを生むわけです。
で、これがHobbyJAPANの公式ページでも、スタジオ因果横暴のBLOGでも、後から出たリプレイでもこれを一切、フォロー、言及していないところが「さすがディオ！そこにシビれる！あこがれるぅ！」てな感じですな。
※今回も大阪でお世話になっている他所様のサークルで行いましたので、F.G.メンバーのコメントはありません・・・。悪しからず。
HobbyJAPANの公式ページ：http://www.hobbyjapan.co.jp/kamui/index.html