CoCシナリオ集 13の恐怖 帰ってきたのは死人

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 ちょっと間が空いてしまいましたが、RWS管理人様提供によるCoCシナリオ集、13の恐怖の第二回目、帰ってきたのは死人です。

 シナリオの概要(煽り文句?)は・・・、今回は無し!で。
 いや、これがもう、B級ホラーばりばりのゾンビものです。
 他に言うことはありません。それこそ、Dawn of the Dead、Land of the Dead、House of DeadにBIO HAZARDやらなにやら・・・、もうひたすらゾンビなシナリオで、そこには謎も何ももなく、ひたすらスリリングに、悲鳴と雄叫びを上げながらゾンビと戦い、逃げるというものです!

 以降、当然ですが、またもやネタバレばりばりのプレイレポートです。注意してください。


 今回は!
 前回と同じ轍を踏まないように、予めプレイヤーにはこうアナウンスしました。
「B級ホラーでゾンビものなんで、よろしく!」
 で、シナリオ付属のキャラクターを選んでもらってセッション開始です。

 さてしょっぱな、車の故障によりファービルに到着したPC一行は、手近なガソリンスタンドに入り込みます。
 ここで、ゾンビとファーストコンタクト!な訳ですが・・・、PCたちはクールにゾンビをレンチ等で袋叩きにし、あっさりと片付けてしまいます。
 あ、あれ?なんか妙な展開になってきた気が・・・、と思う間もなく、やはりクールに、
「とりあえず逃げる」
 あっさりかよ!B級ホラーって言い渡してあるだろ!という憤りは置いておいて。
「いや、速度は出ないし、いつ完全に止まってもおかしくないよ」
 無情というか、非情というよりも、ええ、そうですとも、B級ホラーですから。都合によってなんでもありだよ。そうだよ、危険な場面でわざわざ一人でシャワーを浴びるヒロインと同じぐらい不自然で御都合だよ!
 心の叫びは通じたのか、PCたちはとりあえず車を出て、修理の為の部品を探すことになりますが・・・。
「ガソリンスタンドに部品ぐらいあるだろ?」
 来るとは思ったよ・・・。
「いや、ガソリンスタンドなんて豪勢なところじゃないよ。あるのは、給油機に自販機、ちょっとした事務所?みたいな建物たけでの極小さなところだね」
「んじゃ、事務所を探る」
 当然、事務所の中にはゾンビがいるのですが・・・、あっさりとこちらも袋叩きに。
 む、やはり何か方向性が違ってきたか・・・。このまま行くと、House of DeadかBIO HAZARDも真っ青のゾンビ撃退もの?
 キーパーの懸念を他所にPCたちは事務所の家捜しを開始。
「あー、いや、君達がそういうことをやっていると、ガソリンスタンドにはどんどんゾンビが集結してくるわけだが」
「目星に成功」
 まだクールかよ!
「んでは、事務所の引き出しの中から20$を発見した!」
「なんだそりゃあ!」
 そうこう言いつつ、PC達はひとまずガソリンスタンドを離れ、(ようやく)ファービルの街の探索に出ます。
 適当に地図をでっち上げつつ、 「とりあえず、ガソリンスタンドから離れて・・・、目に付く建物といえば、コンビニとスポーツ用品店かな」
「コンビニには用は無い」(即答)
 早い、早いよ、キャシーさん!すごい勢いで却下、コンビニはスルー。
「アメリカなんかだと、スポーツ用品店では普通に猟銃やらショットガンやら置いてあるんだけど」
 キーパーの説得(?)により、スポーツ用品店に進むわけですが。
「中に入ると、店主だったとおぼしきゾンビが、手にしたショットガンの説明をつぶやきながら君達に向かってくるが」
「ドアを閉める」(即答)
 早い、早いよ、キャシーさん!!そいつには弾は入ってないよ、演出なんだよ!
 心の叫びは通じず、そのままスポーツ用品店もスルー。
 で、途中で民家等々にも入ることも無く、めぼしい建物を探す一行ですが・・・。
「いや、民家とかに入っても襲われるだけだし」(即答)
 いや、ごもっともですが。B級ホラーなんだよぉッ!
 やはり、適当に地図をでっち上げつつ、今度は広場(?)に出ます。
「広場だ。真ん中辺にバスが止まっている」
 動きそうな車を求めているPC達ですが・・・。
「そのバスは動きそう?」
「いや、中はゾンビだけでしょ」(即答)
 早い、早いよ、キャシーさん!!!結論に行くの早すぎだよ!
 つか、ゾンビともう少し戯れてくれよ。
「ちなみに広場にもゾンビは一杯だ。すでにかなりの数が寄ってきているが」
「車は無理かもね・・・、自転車ってのはどう?」
 うおぉ、それはすごいアイデアですが。
 アメリカの片田舎、街から街へハイウェイを使って移動するようなところですよ?
「食料とかはどうするの?」
「出来るだけ担いで・・・、まずは食料の調達?」
 いや、自転車も調達してください。ママチャリで行かれても困るので。
「で、ゾンビが迫ってくるわけだが、とりあえず目に付くのは大型?のスーパーとマクドナルドだね」
 本来は特に名前の無いハンバーガーストアなのですが、キーパーはここで適当をまたかましています。
「とりあえず、マックに!」
 で、マクドナルド内では・・・、「いらっしゃいませ、こんにちわ」というゾンビと、「御一緒にポテトはいかがでしょうか?」というゾンビのコンビに襲われる訳ですが・・・、これもあっさりと袋にしておしまいです。
 やはり、何か違うなあ・・・。
「で、マックの店内は腐ったファーストフードやらなにやら」
「まあ、当然だよね。何でマックに入ったの?」
 いや、あんたらが入るって言ったんですが。
「とりあえず・・・、めぼしいものを探す?」
「いや、もう金はいらん」(即答)
 早い、早いよ、キャシーさん!!!!まだ何も言ってないよ!
 半ば読まれている訳ですが(笑)
 続いて、スーパーに押し入るPC達ですが。
「これぐらいのスーパーになら、運送用のトラックがあるはず!
 ついでに食料調達!」
 スーパーを探索するPC達は、例の大喰らいゾンビに驚きつつも、関係者以外立ち入り禁止の事務所へ押し入ります。
「ん?この状況ってさ、後ろからゾンビは来るし、前にはゾンビだよね?」
「前を片付ければ裏口がある!」
 強気な一行ですが、自ら扉の鍵を壊して押し入った以上、自分達で押さえざるを得ません。
 ついでに、キーパーがでっち上げた事務所内のゾンビの数は3体で、ちょうど1対1にならざるを得ません。
 後ろの扉がいつ開くか分からないスリリングな状況の中で戦闘は推移し、扉の隙間からゾンビの手が無数に出るというB級な演出を交えながら、なんとか事務所内のゾンビを撃退すると同時のタイミングで、ドアを押さえるSTRのロールに失敗してしまいます!
「とりあえず、目星!」
「んじゃあ・・・」
「金はいらん!」
「事務所の机の中から、32口径オートと、200$を発見したよ」
「とりあえず、両方とももっていっちゃえ」
 金はいらないのじゃなかったのかよ、と思いつつ、そのままPCはスーパーの裏の駐車場へ出ます。
「車!」
「鍵は掛かってるよ」
「むう、醤油ちゅるちゅるでも無いとガソリンも取れない」
 ・・・醤油ちゅるちゅるですか!
「スーパーの中にありそうな気はする」
「・・・いや、もう戻らない」
 で、結局車もガソリンも諦めたところで、ついにジークの自動車部品店を発見します。
「ぐ、これって絶対罠だよね」
「いや、多分そのままパーツとかある、行ける」
 で、ガレージにいたレンチ装備のゾンビたちですが・・・、多少レンチで打撃を与えるものの、ノックアウトには至らず、結局あっさりと袋叩きに合いました。
「目星!」
「いや、目星しなくても欲しいパーツがあることは分かるけど・・・」
「目星!」
「うい、んじゃ、奥の方の物置にガソリンが10ガロンと、机の中から42$発見した」
「問題は、車の修理の時間だね」
 そろそろいらだち気味のPCたちは金ネタは無視して、車についての相談を始めますが・・・。
「で、またもやゾンビがぞろぞろと寄って来るわけだが」
「とりあえず、車の場所に戻って、こっちのガレージに車を突っ込む!」
 ほほう、考えたな。
「距離的にはそう遠くないし、ガレージならシャッターを閉じて時間も稼げるはず!」
「ういい、了解」
「ナビゲートで位置計算!」
 PC達はなんとか車をガレージに突っ込み、修理を開始します。シャッターの壊れるまでの時間よりも修理の時間が思ったよりも短かった為、あっさりとこの辺りは終わってしまいました。
「んでは、ガレージを突き破ってゾンビを跳ね飛ばしつつ逃げる!」
 そこまでやるか?
 そのまま街を逃げ出すPC、なんとか一人の犠牲者も出ずにシナリオは終了です。

 なお、今回はシナリオ中、あまりにもSANが減りすぎる、と判断したため、不定の狂気のルールを無視するとともに、一時的な狂気もシナリオブックに付随しているオプションルールの方を採用しています。
 新たなゾンビを見るたびに1/1D8も減ってれば簡単に不定狂気に陥っちゃうよ・・・。


ショーン・バヤン as KAZ’s コメント:
 今回の役は、今回のシナリオにぴったりだったが、思うようにダイスの目が出せない・・・。
 ダメだ、食べられてしまう〜。
 ・・・今回も技能を活かしてプレイできなかった。もっと利用しないとダメだな、と反省。

マーク・スタル as 牛’s コメント:
「オレ、何がしたいんだ?」な状況。
 ダイスの神はいない・・・
 “よろよろ”、“よたよた”なイメージしか持っていなかったゾンビちゃんだけどけっこう素早いのね・・・。
 技能が無くて仕方なかったけど、素手でゾンビに立ち向かうなんて正直できねーゼ。

ロン・メイゲン as SUKA’s コメント:
 今回はゾンビが題材で一般的なB級ホラーということで楽しめた。
 戦闘が多いクトゥルフのシナリオは普通ありえないので、今回は大型レンチ片手にゾンビを倒しまくりで楽しいが、噛まれたらゾンビ化というところが怖いね。
 誰一人ゾンビ化せずに街を出られたのでシナリオ的には大成功かな?

キャシー・ドハティ as fuyuka’s コメント:
 今回もSANロールを失敗し続け、終わってみれば33!
 ゾンビに対して拳銃を使用するも、一発も当たらず弾切れ!
 レンチが強くて良かった(笑)
 みんな、ゾンビにならなくて良かったね!

キーパー as EDO−RAM’s コメント:
 むう、もっと単純で馬鹿なB級ホラーを目指してたのに・・・。
 なんでみんな慎重なんだよッ!
 結局、一人もゾンビ化せずに終了しました。途中でロンかキャシー辺りがゾンビ化したら、「違うよ、キャシー、それはこうだよ」「でも、ロン!」と言いながら襲い掛かろうと思ってましたが。
 いつもなら謎解き中心で、戦闘が無いことすらあるのですが、今回みたいなシナリオをやると、戦闘の重要性を改めて認識するとともに、戦闘ルールの運用の未熟さを痛感しました。
 ・・・やっぱり最後は反省なのね・・・。

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