a Lake, a Dragon Tale, a waxing crescent moon
────────── SCE「SIREN」より
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注意、あるいはお約束: プレイしてみたい人、プレイするかも知れない人は読まないでください。読んで良いのはキーパーか、またはプレイする予定のない人だけです。うっかり目次を見てしまった人は、「記憶を曇らせる」の呪文でも使って忘れてください。万が一そのままプレイに参加したりすると、貴方の悪徳に誘われて隣のプレイヤーにイゴーロナクが憑依するかも知れませんよ。
そして当然ですが、このシナリオはフィクションです。 |
はじめに
本シナリオは、『龍湖譚』のバリエーションとなります。本編を『月待ち編』と称し、本バリエーションは『弓張り月編』と呼びます。
『弓張り月編』の記載内容は、『月待ち編』への追加となります。先に必ず『月待ち編』を読むようにしてください。
基本的な情報は『月待ち編』と同じですが、被っていたり、矛盾したりする場合は『弓張り月編』側を優先するようにしてください。
始める前に
実際のセッションを始める前に、これらのことに注意するか、プレイヤー達に直接告げてください。
シナリオの傾向
『弓張り月編』は後半で戦闘が中心となるシナリオとなります。『月待ち編』においては探索が中心であった為、同じような探索者であると後半が苦しい可能性があります。しかし、同時に『月待ち編』と同じような探索も求められる為、これらのバランスに注意を払ってください。
PC作成時の注意、立場
『月待ち編』と変わりません。
シナリオの概要、真相(キーパー向け)
『弓張り月編』において、真相は『月待ち編』と変更ありません。基本的な流れも同様ですが、探索者がどこかの段階で『納骨堂』へと踏み入り、そこで『けるびん』と呼ばれる対グラーキのアーティファクトを発見します。
この強力な兵器は、倉木家の一族によって封じられたものでしたが、それを探索者が手にすることで慈悲ヶ丘村における状況は一変し、『月待ちの儀』が不完全な形で成就してしまいます。
そして『タグ=クラトゥアの逆角度』の向こう側へ全て飲み込まれ、探索者たちはそこから脱出を図ることになります。
登場人物(NPC紹介)
登場人物は『月待ち編』と変更はありません。但し、行方不明になっている的場一郎が、実は山王様を退治した武士の一族の家系であることになっています。
キーパーの判断で、シナリオ後半の『タグ=クラトゥアの逆角度』の向こう側においてグラーキの従者となっているものの、まだ意識を保っている的場一郎や、長柄幹司をお助けNPCとして出してもよいでしょう。
シナリオ
導入部
『月待ち編』と変更はありません。探索部:
『弓張り月編』のシナリオの基本的な流れは『月待ち編』と同様となります。ここでは追加の要素を記載します。この他、『月待ち編』ではあまり姿を見せなかった澪が、探索者を納骨堂へと導く為に森へ入っていく等の行動を見せ、探索者を誘導するようにしてください。
的場の家:
的場家では、良二から追加で以下の情報を得ることができます。・的場の家は、昔話に出てきた、山王様を退治した家系の末裔である。
・何故か村での折り合いが悪く、都会に出ていたが、母の死をきっかけに戻ってきた。
・代々伝わる刀がある。
探索者が三津子を助けた場合、良二から家に伝わるものとして、一振りの刀を渡してもらえます。
この刀は『水凪(みなぎ)』と呼ばれ的場の家に代々伝わるものです。しかし、引き抜くことは出来ず、無理に引き抜こうとすると鯉口から錆がぼろぼろと落ちてきて、刀身が使い物にならないことに気が付きます。
実はこの刀は、『タグ=クラトゥアの逆角度』の向こう側の世界でのみ威力を発揮する、異次元の刀です。
向こう側の世界では、冴え冴えとした光を放つ青く輝く刀身に、小乱れの刃紋を刻んだ刀となります。
データは以下の通りです。
・現世の場合
この刀は抜くことが出来ません。その為、《小さな棍棒》か、刀剣系の技能の1/2で使用されます。
基本命中率:20% ダメージ:1D6+DB 耐久力:-
・逆角度の向こう側の世界の場合
基本命中率:40% ダメージ:2D6+DB 耐久力:-
※グラーキとその眷属に対しては+1D6のダメージを与え、さらに装甲を無視する。
納骨堂にて:
納骨堂に辿り着き、その地下で《目星》のロールに成功した場合、グラーキの従者と区別がつかない干からびた死体の腹部がおかしいことに気が付きます。死体の腹を探ってみた場合、1/1D4の正気度を喪失しますが、その中に奇妙な彫像を発見します。
彫像は一見、土偶のようですが、まるで六枚の翼を持ち炎を纏った姿のようにも見えます。
この彫像に初めて触れた場合、グラーキとの戦いの記憶が触れた者の脳へ直接送り込まれ、1/1D6の正気度を喪失する可能性があります。
記憶が送り込まれるものの、人間の知覚では理解し難いものがあり、単純にグラーキとその眷属と戦う為の兵器であり、彫像の使い方を知ることとなります(グラーキや、その眷属についての情報は得られません)。
この彫像は、『けるびん』と呼ばれるアーティファクトです。
起源は不明ですが、おそらく『星の戦士』の持ち物であったのではないかと推測されます。この兵器は、対グラーキに特化したものです。
この彫像を持って、耐久力、MP、正気度を合計3点消費することで、2D6のダメージを与える青い火炎弾を打ち出します。
基本命中率は80%、範囲は半径3mの円となります(対象技能は存在しません)。また、この炎は相手の装甲を無視してダメージを与えます。
耐久力、MP、正気度の合計3点を追加で消費することで、ダメージを+1D6するか、命中率を+10%か、有効半径を+1mできます。
また、この青い炎を武器に宿すことも出来ます。一つの武器につき同じコストを支払い、6ラウンドの間、武器のダメージが+1D6され、相手の装甲を無視するようになります。
この炎がダメージを与えるのはグラーキとその眷属だけであり、通常の人間や、その他の神話生物には全く効果がありません。
なお、『けるびん』を使用することで正気度が低下しても、狂気に陥ることはありません。
澪との対峙:
探索者が納骨堂で彫像を発見した場合、それと同時に澪が地下の部屋へと降りてきます。彼女は、納骨堂への侵入者を察知して現場へ急行したのですが、探索者が奇妙な彫像を手にしているのを見ると、澪は呟きます。
「それは…、『けるびん』。
厳重に隠しておいたのに、見つけてしまうなんて。
やはり、これは運命なのかしら」
言いながら、澪が手を振ると、澪の後ろから従者が現れる、同時に納骨堂の中に居た従者達が起き上がります。
まだグラーキの従者を目撃したことが無い場合、1/1D8の正気度を喪失する可能性があります。
澪、グラーキの従者×4と戦闘になります。
データは『月待ち編』の登場人物、データセクション等を参照してください。
澪は殺る気満々で呪文も遠慮なく使います。
澪との戦闘に勝利した場合(『けるびん』があれば負けない気が)、力尽きる前に澪が囁きます。
「『月待ちの儀』が不完全に成ってしまった…。
でも、それももういいわ。
お行きなさい。全てを終わらせるために」
澪が力尽きると同時に、まるでダムがその放水を知らせるサイレンの音の様な轟音が響きます。
そして、次の瞬間、地響きが起こり、まるで大量の水が流れるような大音響が聞こえてきます。しかし、それによって納骨堂が水に満たされることも無く、ほどなくして地響きも収まり、音も聞こえなくなります。
異界突入
澪が力尽きることで、彼女が着々と準備を進めていた『月待ちの儀』=『タグ=クラトゥアの逆角度』の呪文の維持が破れ、それが不完全に成就してしまいます。グラーキ自身の影響が強いこの地において、それは慈悲ヶ丘村自体が『タグ=クラトゥアの逆角度』の向こう側の世界へと引き込まれるという結果を生み出しました。
『タグ=クラトゥアの逆角度』の向こう側の世界:
探索者が外へ出ると、そこには一変した景色が待ち構えています。
空は奇妙な紫がかった光が宿りオーロラの様に波打っていた。それは、まるで水中から水面を眺めたようにも見える。
森であったところは奇妙に捩れた樹木と、植物の中間の様なものがまばらに生えていた。
湖であった場所には巨大な漆黒の石のブロックが積み重ねられたかのように思われるものの輪郭で、あたかも玄武岩でできた塔の一群のようであり、硬い指先のように見えるその先端が空を貫いているのだった。
この一変した光景を目撃した探索者は、1/1D6の正気度を喪失する可能性があります。
夢引きで黒い石造りの死せる都市を目撃している場合、これがそれだということに気が付きます。
そうでない場合は、黒い石造りの死せる都市を目撃した探索者は、1/1D4の正気度を喪失する可能性があります。
なお、『タグ=クラトゥアの逆角度』の向こう側の世界の正気度の喪失と合わせて、最大で6点までしか喪失しません。
キーパーへ:
探索者達がいきなり異界へ放り込まれる為、次の行動にとまどうことがあると思われます。
この場合は、《アイデア》か、空の水面の向こう側が現世だとぶっちゃけてしまって構いません。
この時点で後は突き進むのみとなります。
向こう側の世界にて:
こちら側の世界に来ると、あとは現世を目指して黒い石造りの死せる都市へと突撃することになります。死せる都市はダンジョン化するもよし、強力な兵器を手に入れた探索者達に無双させるのもよし、キーパーの好みでアレンジを加えてください。
一応、突撃の前に村のあった場所へ行けば、死せる都市に似た様式の建物が並ぶ都市に作り変わっていることに気が付きます。
ただ、建物の内部には元の住人の痕跡が残っている為、キーパーの判断で簡易な武器や、武器の変わりになる日用品、あるいは猟銃等の武器が手に入っても良いかもしれません。
こちら側の世界において、的場や、長柄、その他の村人を協力者か、あるいはグラーキの従者を指揮する立場のものとして登場させてもよいでしょう。
キーパーの判断によりますが、戦闘バランスを検討し、調整してください。
終幕部
死せる都市へ吶喊した探索者達が、その主であるグラーキの寝所へ踏み入れる場面となります。
水晶の落とし戸:
死せる都市の中央部、グラーキの寝所となる水晶の落とし戸の向こう側へ探索者が踏み入れた場合、下記の描写を行なってください。(単純に、塔の最上階へ行く為に死せる都市へ踏み込んだ場合、ここを通過する必要があることにすればよいでしょう)
水晶の落とし戸を潜り抜けたその先の巨大な空間には、湖、と形容してもよいプールがあった。
水は仄暗く、底は見えなかったが、探索者が踏み込むと同時に水面に小波が走り、何かが浮かび上がってくるのが分かる。
まず、浮き上がってきたものは、おそらく目だ。
三本の細い管が顔から伸びており、黄色の目がその先に付いている。顔はスポンジのようにふわふわとした塊で、その真ん中に、厚い唇の丸い口が付いている。
続いて浮かび上がるのは、その頭に繋がる首で、それは次第に太くなっていく。
その体は楕円形で、その片方に頭が付いており、背には無数の尖った棘が突き出していた。棘はいろいろな金属らしきもので出来ている。
体の下には白い三角形のものがたくさんついており、移動する脚のようなものに思われた。
グラーキを目撃した場合、1D3/1D20の正気度を喪失する可能性があります。
浮上したグラーキは有無を言わさず寝所に土足で踏み込んだ、従者でも信者でもない探索者に襲い掛かります。
キーパーの判断で、グラーキの従者を追加で登場させてもよいでしょう。
グラーキ、湖の住人
STR 30 CON 60 SIZ 90 INT 30 POW 28 DEX 10
耐久力 75 DB N/A
武器:
棘 100% ダメージ:7D3
※棘の効果については、ルールブックP.214か、マレウス・モンストロルムP.166を参照してください。
装甲:
40点の外皮。
それぞれの棘は、4点の外皮と、6点の耐久力を持っています。
呪文:
キーパーが適切と思うもの全て。
ここでグラーキの耐久力を0にした場合、グラーキは湖の底へ沈んでいきます。この不死なる存在が滅びたかどうか、探索者には分かりません。
現世に戻る:
死せる都市の塔から空の上に出た探索者は、水流に流され、溺れるような感覚に襲われた後、本当に溺れかけていることに気が付きます。《幸運》か、《水泳》のロールに失敗すると、濁流に飲まれてしまいます。他の探索者に助けられない場合、溺れによるCONロールが開始されます。
何とか探索者達は見えている陸に這い上がると、慈悲ヶ丘村一帯が濁流に飲まれていることに気が付きます。
これらの水はおそらく、湖から噴出しており、濁った水が辺り一面を覆っています。
事件の後、正気度の報酬
慈悲ヶ丘村は湖から溢れた水に飲まれ、流され、住人は言うに及ばず、家屋までも押し流されて、跡形も無くなります。
多くの死体が行方不明のままですが、それが異世界に残されていることを知るのは探索者のみとなります。
慈悲ヶ丘村の水害はしばらくの間は振治田でも話題にされますが、いずれ廃村になったであろう村のことはすぐに忘れ去られます。
キーパーは異界の探索を生き延びた探索者のその後を、それぞれ演出してください。
正気度の報酬
この事件から生還した探索者は、1D10の正気度を獲得します。
グラーキを倒した場合、1D20の正気度を追加で獲得します。
グラーキの従者を倒した場合、1D8の正気度を追加で獲得します。
墓に群れるものを倒した場合、1D6の正気度を追加で獲得します。
データセクション
シナリオ中で使用されるデータや、その他の項目をまとめたものです。
水凪
的場家に代々伝わる、山王様を退治したときに使われたと言われる刀です。現実世界ではさび付いた刀ですが、『タグ=クラトゥアの逆角度』の向こう側の世界では、冴え冴えとした光を放つ青く輝く刀身に、小乱れの刃紋を刻んだ刀となります。
こちらも『けるびん』と同じく、『星の戦士』の持ち物の可能性がありますが、その起源はやはり不明です。
慈悲ヶ丘村と言う、グラーキに縁深い土地において、グラーキに効果の高い武器が残っていることも不思議な話ですが、この刀自体は不滅に近いものがある為、敢えて放置している、というのが正解かもしれません。
水凪のデータは以下の通りです。
・現世の場合
この刀は抜くことが出来ません。その為、《小さな棍棒》か、刀剣系の技能の1/2で使用されます。
基本命中率:20% ダメージ:1D6+DB 耐久力:-
・逆角度の向こう側の世界の場合
基本命中率:40% ダメージ:2D6+DB 耐久力:-
※グラーキとその眷属に対しては+1D6のダメージを与え、さらに装甲を無視する。
けるびん
納骨堂に封印されているアーティファクトです。彫像は一見、土偶のようですが、まるで六枚の翼を持ち炎を纏った姿のようにも見えます。
この彫像に初めて触れた場合、グラーキとの戦いの記憶が触れた者の脳へ直接送り込まれ、1/1D6の正気度を喪失する可能性があります。
記憶が送り込まれるものの、人間の知覚では理解し難いものがあり、単純にグラーキとその眷属と戦う為の兵器であり、彫像の使い方を知ることとなります(グラーキや、その眷属についての情報は得られません)。
起源は不明ですが、おそらく『星の戦士』の持ち物であったのではないかと推測されます。この兵器は、対グラーキに特化したものです。
この彫像を持って、耐久力、MP、正気度を合計3点消費することで、2D6のダメージを与える青い火炎弾を打ち出します。
基本命中率は80%、範囲は半径3mの円となります(対象技能は存在しません)。また、この炎は相手の装甲を無視してダメージを与えます。
耐久力、MP、正気度の合計3点を追加で消費することで、ダメージを+1D6するか、命中率を+10%か、有効半径を+1mできます。
また、この青い炎を武器に宿すことも出来ます。一つの武器につき同じコストを支払い、6ラウンドの間、武器のダメージが+1D6され、相手の装甲を無視するようになります。
この炎がダメージを与えるのはグラーキとその眷属だけであり、通常の人間や、その他の神話生物には全く効果がありません。
なお、『けるびん』を使用することで正気度が低下しても、狂気に陥ることはありません。
謝辞、あるいは参考資料:
今回の元ネタは、「SIREN」となります。死せる都市への突撃時には「THE BUSTER!」をBGMにどうぞ(笑)
最後にちょっとだけ:
『龍湖譚』は箱庭型のシナリオとして作成されています。その為、『月待ち編』へ追加要素を組み込むのでなく、別シナリオっぽく『弓張り月編』を作成しました。
余裕があれば、次は澪ルート(仮)の追加を考えています。