霧の中 int the Mist



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in the Mist
「霧の中」


シナリオのスペック:

タイプ:特殊型
リミット:2サイクル
PL人数:1人
プライズ:なし

シナリオの舞台:

 このシナリオは、「本当は怖い現代日本」のセッティングを使用したシナリオです。
 シーン表はこのシナリオ用の「霧の中シーン表」を使用します。

霧の中シーン表(2D6)
2 霧の中に居る。足元も覚束ない、ふわふわとした浮遊感を覚える。
3 霧の中に居る。風もないのに霧が戯れるように周囲を流れていく。
4 霧の中に居る。流れていくそれが一瞬途切れ、その合間に何か見えたような気がする。
5 霧の中に居る。流れるそれの形が何か生き物のように思える。
6 霧の中に居る。視界は白一色だが、ふと途切れた向うに何かの気配を感じる。
7 霧の中に居る。視界を妨げるだけでなく、音も閉じ込められたように物音一つしない。
8 霧の中に居る。行くにも戻るにも不安を感じ、立ちすくんでしまう。
9 霧の中に居る。距離感、方向感覚を失い、危険を感じる。すでに迷っているのかもしれない。
10 霧の中に居る。服が湿気で気持ち悪い。体温も下がってきた。このままでは風邪を引いてしまう!
11 霧の中に居る。霧に気をとられて転んでしまう。
12 霧の中に居る。霧の中を遠ざかる、よく知った人の影を見た気がする。

背景:

 とかくこの世は迷い、惑うものです。
 PC@は悩みを持って山に踏み入り、貌の無い道祖神に導かれ、気が付いた時には霧に包まれ道を失っていました。
 PC@は迷いを払い、霧を抜けることができるのでしょうか。

狂気:

 このシナリオでは【依存】、【疎外感】、【盲目】、【記憶喪失】を使用してください。

ハンドアウト:

 このシナリオで使用するハンドアウトです。

PC@
概要:
 あなたは気分転換の旅行中、考え事をしながら山を歩いていたが、いつの間にか迷ってしまった。
 挙句に霧が濃くなり、道を失いつつあるが、何故か霧の向うに行きたくてたまらない。
 あなたの使命は【霧の向うへ行く】ことだ。
秘密:
 ショック:なし
 あなたはセッション開始時に【狂気】を1枚手に入れる。
 あなたは何事かに悩んでおり、人生に迷いがある。
 悩み事(設定)を考えること。

道祖神
概要:
 崩れかかった小さな祠に収められている、いわゆる道祖神。
 石仏であるが風雨に長い年月晒されていたのであろう、あちこちが欠け、摩滅している。
 特に顔の部分は暗い影のようにも見え、無貌の仏像のようにも見える。
秘密:
 ショック:全員
 そういえばこの道祖神は、ここへ来る途中でも見た気がする。
 この陰気な、貌の無い道祖神がまるで霧の中へ導くように並んでいた。この道祖神は先に追いやっているのだ。
《暗黒》で恐怖判定を行なう。
 あなたは使命を【霧から逃れる】に変更してもよい(しなくともよい)。

進む道
概要:
 霧に閉ざされた進む道。
 そちらは霧が濃くなっているように見えるが、迷った時は下るのではなく登って登山道を探すのが常道である。
秘密:
 ショック:なし
 霧の向こう側は全く見えない。
 上り坂だから、というわけではないが道が続いているのかさえ定かではない。
 霧は行く手を遮るように充満しているように思えるが、辛うじて道は続いている。
 この秘密の開示後、PCの任意にクライマックスフェイズに進むことが出来る。

戻る道
概要:
 霧に閉ざされた戻る道。
 辛うじてまだ足元の道は判別できるが、そこから先がどうなっているかは分からない。
 迷っていたこともあり、この戻る道を辿って霧を抜け出すことが出来るかは疑問だ。
秘密:
 ショック:PC@
 霧の向こう側は全く見えない。
 戻る道は完全に霧に閉ざされており、慎重に歩いていくにしても危険が伴うように思える。
 まるでそれは進む道の方向へと追い立てられているようだ。
《哀しみ》で恐怖判定を行なう。
 あなたは使命を【霧から逃れる】に変更してもよい(しなくともよい)。

黒い影
概要:
 霧の中を蠢く影のような存在。
 常に視界の端にあり、しっかりと捉えることが出来ない。
 果たしてそれは一体だけなのか、複数なのか、はたまた単なる気の迷い、妄想によって霧の流れを見間違えているだけなのか。
秘密:
 ショック:PC@
 それはおそらく、自分自身の影だった。
 子供の影、青年の影、中年の影、老人の影・・・。
 何故か分からないが、それは様々な年齢の自身の影でありながら、全てがまるで悪ふざけのように這い回りながら隠れ、近づく子供のようだった。
《時間》で恐怖判定を行なう。


導入フェイズ:

 PC@は旅の途中、山中で迷ってしまいました。深い山奥ではないのですが、迷っているうちに霧に包まれ、道を失いつつあります。
 PC@のハンドアウトを確認し、「進む道」「戻る道」「道祖神」を公開したら導入フェイズは終了です。

メインフェイズ:

 1サイクル目の終了時に、以下のマスターシーンが発生します。

○黒い影

 PC@は霧の中に蠢く影を見ますが、そいつは常に視界の端におり、正面に捕らえられません。
 どこからか、かくれんぼをしていて見つけることできないことを嘲笑うような、子供のような笑い声を聞いた気がします。
 ハンドアウト「黒い影」を公開し、全員は《物音》で恐怖判定をしてください。

クライマックスフェイズ:

 PC@の目的と、いかにクライマックスフェイズを開始したかで以下のように分岐します。
 クライマックスフェイズは道祖神の前か、霧の中で行なわれることになります。

○目的が【霧から逃れる】

 エネミー「自分」と戦闘になります。「自分」はPC@と同じデータですが、アイテムを持っていません。
 この戦闘の最中、儀式「霧を抜ける」を行なうこともできます。
 PC@は黒い影を倒すか、儀式を行なうか選択する必要があります(途中で切り替えても問題ありません)。

○目的が【霧の向うへ行く】

 ハンドアウト「進む道」を調査しており、PC@自らクライマックスフェイズへ進んだ場合、目的は達成です。それ以外の場合は、失敗したことになります。
 そのまま結末へ進んでください。

結末:

 クライマックスフェイズでの結果により、以下のように分岐します。

○目的が【霧から逃れる】で、儀式を達成した:

 霧を抜け、見たことがある登山道に戻ります。
 PC@の悩みは何故かすっきりと解決(結論が出る)し、晴れやかな気分で下山します。

○目的が【霧から逃れる】で、黒い影を倒した:

 霧は消え、見た事のある登山道へと戻ります。
 PC@は何を悩んでいたのか覚えておらず、何故こんなところをさまよっていたのか思い出せませんが、とりあえず下山します。

○目的が【霧の向うへ行く】で、達成した:

 霧を抜け、見覚えのない登山道へと戻っています。PC@の悩みは消えていません。
 どうやら無理やり登ったようで、軽装過ぎることも手伝って半ば遭難しかかりながら下山します。

○目的の達成に失敗した:

 貌の無い道祖神が何故か笑っているように見えます。それはまるで嘲笑うかのように思えます。
 PC@は意識を失い、再び目覚めたとき、また霧の中に居ます。再び霧の中で、貌の無い道祖神を辿って山道を歩いているのです。