天球賛歌事件 スレッドE 『星の再臨会』

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スレッドE 『星の再臨会』

 このスレッドは探偵PC、あるいは女学生PCが『星の再臨会』のキーワードに従って、その教会を訪ねるところから開始します(スレッドが起動します)。
 以降、『再臨会』周辺での聞き込みや、あるいは周辺で起こる『天球音楽』の影響によって引き起こされる事件等を行いますが、ある程度切羽詰るまでは教会の中に踏み込ませないようにしてください。
 シナリオの最後、黒澄綾の誘拐を持って、『再臨会』の教会へ踏み込むこととなり、そこでこのスレッドは『終幕』スレッドに引き継がれます。

星の再臨会について(キーパー向け情報)
 表向きはキリストの再臨運動の会ですが、実際はグロスの接近ををキリストの再臨に見立て、グロスと接触を試みている会です。
 奇妙な機械(天球音楽受信機)の天球音楽による一方的なグロスとの接触によって、グロスと接触した、と言い張っています。
 また、その天球音楽がグロスとの接触の手段であると思い込んで居る為、天球音楽を自ら発信できる人材を探しています。
 そこで最初は手当たり次第に近い状態で若い女性をさらっていたのですが、『禍歌』の影響を受けた馬場春花に目をつけ、 そしてその流れから今度は山県雅子に、最終的に黒澄綾に辿り着きます。

  1. 星の再臨会
  2. 再臨会周辺での聞き込み、狂犬
  3. 騒がしい再臨会周辺
  4. 再臨会周辺での襲撃事件 その1
  5. 再臨会周辺での襲撃事件 その2

星の再臨会
 星の再臨会の教会は一応東京市内の下谷区根岸のあたりに存在します。現在の根岸、東日暮里の辺りですが、当時この辺りといえば東京の外れ、風光明媚な(!)土地でした。
 一風変った教義を掲げ、ついでに一昔前には再臨運動が盛んであったため、土地の人間に聞けばすぐにその場所は分かります。
 星の再臨会の教会は、教会とは言いますが、日本建築の建物を改装して教会として使っている、と言ったものです。また、何に使うのか分かりませんが、教会には物見櫓のような粗末な鐘楼が併設されています(《目星》(視認DC:10)のロールに成功すると、この鐘楼の上に天体望遠鏡らしきものが設置されていることに気が付きます)。
 その為、外見的にはあまり教会らしくなく何か寄り合い所、と言ったようにも見えますが、表札には確かに『星の再臨会』と書かれています(もちろん、墨で)。
『星の再臨会』はカトリックの教会として普通の人にも開放されています。
 但し、掲げているのが再臨運動である為、あまり人は寄り付いていません(その為、ここを訪れるとかなり目立ってしまいます)。
 教会ではちょうど説教の真っ最中です。
「・・・・・・星々が正しい位置に戻るとき、再び御子が訪れるのです。
 そしてその先触れとして、星々の歌がこの星に満ち溢れ・・・・・・」
 内容的にはかなり異端です。
 要約すれば、現在、神、御子は天体の位置がずれたことによって活動を停止しているが、間もなく天体の位置は正しい位置に戻り、再び神の王国が実現する、そしてその前段階として神の星がこの地を訪れ、天界の音楽が満ちるのだ、というものです。
 最後にオルガンの伴奏に合わせて聖歌を歌いますが、とてもまともな歌とは思えない、奇妙な楽です。
 もしも、黒澄綾の『禍歌』を聞いたことがある探索者がその場にいる場合は、《アイデア》(【判断力】DC:10)のロールによってこの歌が『禍歌』に似ていることに気が付きます(キーパーの判断でアイデアロールは不要で必ず気付いても構いません)。
(但し、これは黒澄綾の『禍歌』には遠く及びません。その為、SANの喪失はありません)

 説法後、代表者に会わせろ等、交渉すると、主催の秋山智生が出てきます。
 出てきますが、相手にはされません。知らぬ、存ぜぬ、を通します。
 唯一、まともな反応をするのは真田の名前を出した時だけです。真田の名前を出すと、「ああ、真田先生。よく存じておりますよ」と答えますが、その関係については、「先生にはいつもお世話になっております」としか答えません。
 また、当然ですが、探索者にすきあらば自らの教義を売り込もうとします。
 あまりにしつこい場合は、いつの間にか信者が探索者たちの周りを囲んでいる、と警告してください。

 再臨会の教会の脇にはフォードが止まっています。
 今日日、車を持っているというだけでもかなり目立つのですが、全く気にせずに、そしてかなり薄汚れたまま置いてあります。
《目星》(視認DC:10)ロールに成功すると、ナンバー付近が泥かなにかで汚した跡があることに気が付きます。
(もしも、山県雅子の誘拐の後であれば、この車が雅子を誘拐したものに酷似していることに気が付きます)

 以後、探索者たちが訪れても、秋山は出てきません。
 他の信者に話を聞いても、全く「知らぬ」「存ぜぬ」で通されます。また、信者達は教会の敷地内で共同生活を送っており、買い物等の用事が無い限り、敷地の外には滅多に出てきません。
 教会を見張る等の行動を取った場合は、買い物等に出る信者の他、たまにフォードが出入りしていく、ということだけが分かります。

 もしも、探索者達が外出した信者から話を聞きだす等の行動に出た場合、話を聞く前に彼等は恥も外聞も無く騒ぎ立て、人を呼びます。
 警察関係者や特高等の探索者がいる場合に、強行手段で捕らえ、拷問にかけた場合でも口を閉ざしたまま死ぬか、あるいは自殺をしてしまいます。

再臨会周辺での聞き込み、狂犬
 『星の再臨会』について根岸の辺りで聞き込みを行うと、《説得》、あるいは《信用》(調査、情報収集DC:10)のロールで以下のような情報を得ることが出来ます。
「出来たのは4年ぐらい前だったかな。
 当時はそういうのが流行らしくて、かなり人が集まってたよ」
「秋山?
 ああ、そこのえらい人ね。最初は熱心な基督教の人だと思ったけど、今はちょっと嫌な感じの人」
「教会とは言うけど、ああいう風な普通の家だからね。
 結構、住み込みで暮らしている人が多いよ」
「のめり込んでしまう人も少なくないよ」
「年若い人も大勢いて、いろいろな分野の人が集まっているらしいよ」
「若い女の子も時々見るなあ」
・馬場晴香について
「さあ、誰だか分からないなあ」
(写真を見せた場合)「うーん、見たことがあるかも、しれないなあ。
「結構若い女の子もいるしね・・・・・・、あ、桜嶺女学院の子なら見た気がするね」

 ある程度聞き込みを行っていると、探索者はやけに周辺の動物達が騒がしいことに気が付きます(特に《アイデア》等のロールは必要ありません。歩き回っていれば自然に気が付きます)。
 そして、いきなり静かになります。
 探索者は《目星》、あるいは《聞き耳》(視認、聞き耳DC:10)のロールに成功した場合、秋田犬の血の混じった大きな雑種犬が勢い良く駆けてくるのに気が付きます(気が付かなかった場合は、奇襲となります)。
 犬は涎を垂らしながら低い唸り声を上げ、躊躇無く、手近な探索者に襲い掛かります。
 耐久力(HP)の半分以上のダメージを受けた場合、犬は逃げ出します。
 この狂犬による攻撃を目撃、あるいは受けた者達は、0/1のSANを失います。また、犬の攻撃を受けた場合、狂犬病に感染したおそれがあり、それに気付くことでさらに0/1のSANを失う可能性があります(狂犬病は発病時には100%死亡します。これは現代でも変りありません。ただし、感染から発症までの時間が非常に長い場合が多く、その為、感染後接種を受ければ発症しない可能性が高いようです)。
 犬が殺されるか、捕獲された場合は、検査によって狂犬病には感染していないことが分かります。そうでない場合は、噛み付かれた探索者は手近な病院で1ヶ月の間に5〜6回のウィルスを不活性化する感染後接種を受ける必要があります(狂犬病でないことに気が付くまで。なお狂犬病の感染者の検査による発見率は非常に低く、疑いがある場合は接種を受けた方が良いと思われています)。

狂犬
STR 9 CON 13 SIZ 8 DEX 12 耐久力 11 ダメージボーナス +0
武器:噛みつき 40%、1D6+DB
技能:聞き耳75%、興味あるものを嗅ぎ付ける90%

※d20の場合は、ルールブックのP234の犬として扱ってください。
 ・・・・・・何かd20の犬、強い気が・・・・・・。

騒がしい再臨会周辺
 周辺の動物達が騒がしいことや、犬の襲撃を受けることで探索者たちは『再臨会』の周辺の事件等を調べる可能性があるでしょう。あるいは、『再臨会』ではなく、その周辺の調査をするかもしれません。
 新聞や、図書館等、または直接の聞き込みを行い、《図書館》、《説得》、《信用》、あるいは《言いくるめ》(調査、情報収集DC:10)のロールで以下のような情報を得ることが出来ます。
 ただし、一気に以下の情報を与えるのではなく、徐々に、事件の進行と共に情報を小出しにするようにしてください(例えば、毎朝の新聞をチェックすると載っていた、あるいは新聞記者の探索者などは同僚からそういうことがある、あったと聞く等)。

タクシー暴走:
 下谷区をタクシーが暴走。幸いにして事故は起こさなかったが、暴走の時間は30分にも及び、周辺住民を恐怖に陥れた。

喧嘩沙汰:
 近所住民のいざこざから殴り合いの喧嘩に発展。その後、警察の制止が入るまで喧嘩は続き、双方とも重傷を負って病院へ搬送された。
 この他にも、暴力行為がこの地域では起こっている。

屋根に上る男:
 全裸の男が他人の民家の屋根の上り、奇妙な賛美歌らしきものを歌った。1時間ほどで警官に取り押さえられた。

ホットドッグ:
 子供達が集団で犬を生きたまま燃やすという事件。現地では昨今、狂犬病が流行しているなどの噂があり、その為に子供達が犬を生きながらに焼殺していた、と推測されている。

刃傷沙汰:
 近所に住む主婦同士で刃傷沙汰。事件後、当人達は「何が原因であったか思い出せない」ぐらい些細なことが原因であった。

サドマゾ殺人事件:
 最初は下谷区の大工職工の男が内妻を拷問の末、殺してしまった、と報道されたが、以降の調べで内妻が苦痛淫楽症であり、性的行為の延長線上で肉体の損壊を繰り返し、死に至った、ということが発覚した。
(この事件は時期はずれますが、大正6年に実際に起こったものです。ここでは同じ様な事件が起こった、と認識してください)

 これらの事件には全て「普段の様子ではそんなことをする人ではなかった。何故そんなことをしたのか、とても驚いている」と言ったワイドニュースお決まりの近所住人のコメントが載っています。
 また、引き起こした当人の、事件後、数時間経ってから、「何故そんなことをしたのか、自分でも分からない。ただ、その時は何かが聞こえていたような気がする」と言ったコメントも載っていることも有ります。

 その他の目立つ事件として、以下のようなものもあります。

謎の頭痛:
 数時間の間、付近の住民が謎の頭痛に悩まされる。

放火犯?:
 火災には至っていないが、ぼや騒ぎが多数。放火の可能性が高い。

自殺者:
 またも自殺者、○人目。原因は些細なことで、衝動的な自殺だと思われる。

 これらの事について、時系列について訊ねられた場合は、時間が経つにつれ大きな事件となっている、ということを伝えてください。
(キーパーが適当に日付をでっち上げても構いませんが・・・・・・)

再臨会周辺での襲撃事件 その1
(このパートはシナリオの最後の辺りで行うようにしてください。あるいは、何かシナリオ中にスパイスが欲しい場合に、いきなり盛り込むのも構いません)
 筋骨隆々で諸肌を脱ぎ、裾を端折った男が、天秤棒の様なものを手に(軽々と)振り回しながら通りをやってきます。
 男は調子外れの歌らしきものを歌いつつ、時折それを中断させるかのように天秤棒で手当たり次第に道端に置いてあるものや、時には民家のドア、障子、門柱などを破壊しています。
 《聞き耳》(聞き耳DC:10)のロールに成功し、なおかつ黒澄綾の『禍歌』か、『星の再臨会』で歌われた賛美歌を聞いた事がある場合は、その調子外れの歌がそれに似ていることに気が付きます。
 男はしばらく暴れた後、探索者たちと目が合います(探索者が逃げなかった場合)。そして狂犬よろしく、探索者たちに向かって天秤棒を振り上げつつ襲い掛かってきます(もちろん、その間も歌は続いています)。
 この男と目が合った探索者は、その狂乱した目がひどく非人間的なものに感じられ、0/1のSANを失う可能性があります。
 狂犬同様、この男も耐久力(HP)が半分以下になると逃げ出します。

天秤棒を持った男
STR 16 CON 15 SIZ 17 DEX 8 耐久力 16 ダメージボーナス +1D6
武器:天秤棒(大きい棍棒) 50%、1D8+DB
技能:芸術(歌唱)5%、興味あるものを嗅ぎ付ける60%、物を運ぶ80%

天秤棒を持った男(LV1の一般人?)
HP:8 イニシアチブ:-1 AC:9
セーブ頑健:+2 反射:+1 意志:-1
攻撃:天秤棒(野球バット) -1 ダメージ:天秤棒=1D6

 もしもこの男を捕らえるなり、無力化するなりした場合、《精神分析》(精神分析DC:15)のロールを行うことで落ち着かせることができます。
 ただし、落ち着いても衝動的な暴力行為に出なくなるだけで、騒ぎが起こって警官が駆けつけるまでの間に話を聞く状態まで回復することはありません。
 ただ、「歌が聞こえるんだ。空からの歌が。大地からの声が」と呟いているのが聞けます。その後、男は警察に連行されて行きます。

 この男は単なる近所住民であり、『星の再臨会』とは全く関係が有りません。
 このことは、探索者にすぐに伝え、まったく後ろ暗いところは無い(?)と、明言してしまって構いません。ただの通り魔的な犯行です。

再臨会周辺での襲撃事件 その2
(こちらのパートもその1同様ですが、こちらは必ず最後の辺りで行うようにしてください)
 またも探索者の前に、タイヤ交換に使うような大型のスパナを持った男が現れます。探索者を発見するなりそちらの方へ詰め寄ってきます。
 男は職工の様な薄汚れた汚い格好をしており、機械の油等の他に汗やそれ以外の饐えた臭いが同時に漂ってきます。また、口からは涎を垂らして、その目は血走り、狂気の色が見えます。
 彼が狂気に陥っていることは何のロールの必要もなく分かります。
 「やめさせるんだ!」彼は凶器を振り上げつつ、探索者達の一行に怒鳴ります。「大地に歌うのをやめさせろ! 止めるんだ!」

 誰かが《精神分析》(精神分析DC:15)のロールに成功する事によって彼を宥めない限り、男は最も近くにいるキャラクターを攻撃します。
 誰かを殴り倒すか、《組み付き》に成功した場合、彼はそのキャラクターに噛みついて肉片を喰いちぎり、血を啜ろうとします。この光景を見た者は、1/1D3ポイントの正気度を失う事になります。

 無力化されたり捕らえられたりした場合、《精神分析》ロールによって彼を静め、質問する事が出来ます。彼は、大地から音楽が聞こえてきて、それが彼の頭を痛めつけると主張します。
 『天球音楽』の影響が3D6時間かけて次第に消え去ってしまうまで、彼は自分の名前も思い出す事が出来ません。

狂乱した男
STR 13 CON 13 SIZ 14 DEX 12 耐久力 14 ダメージボーナス +1D4
武器:組み付き 45%、特殊
   大型スパナ(大きな棍棒) 50%、1D8+DB
技能:回避40%、聞き耳40%、わめき散らす65%

狂乱した男(LV1の一般人?)
HP:5 イニシアチブ:+1 AC:11
セーブ頑健:+3 反射:+1 意志:+0
攻撃:大型スパナ(野球バット) +1 ダメージ:大型スパナ=1D6

 その1と同様、やはりこの襲ってきた男も『星の再臨会』とは全く関係がありません。