スレッドN 不吉の宝石、ロシアからの使者
このスレッドでは謎のロシア人イワン=イワノフと、『不吉の宝石』と呼ばれる宝石を巡って進行します。
帝國ホテルを拠点とするイワンは『不吉の宝石』を探して帝都を彷徨っており、その調査によって『不吉の宝石』に関わる、元の持ち主であるロシアの亡命貴族イグナチェフ家、それを探していた毛利元子の雇われ探偵吉見、そして元子の手の者の動向を知ることになります。
芝区高輪のイグナチェフ家を訪ね、今の持ち主である吉見に辿り着くことで、『不吉の宝石』を探索者は発見しますが、同時にイワンと元子の手の者も現われ、宝石の争奪戦が開始されます。
- 『アザトースの種子』、『不吉の宝石』
- このスレッドでの登場人物(NPC)
- 上司命令、怪しげなロシア人の調査(スレッド起動部)
- 亡命ロシア人、イワン・イワノフ
- イワンの探し物
- ツングースカ、『アザトースの種子』
- 『不吉の宝石』の調査
- ロシアの亡命貴族、イグナチェフ家
- コンスタンチンの行方
- 毛利家の動き
- 私立探偵、吉見頼意
- 吉見の行方
- イワンの動向
- 帝國ホテル、イワンの部屋
- 吉見意頼と『不吉の宝石』
- 『不吉の宝石』の探索が遅い場合
- スレッドの終了部
『アザトースの種子』、『不吉の宝石』
『アザトースの種子』の欠片は、『不吉の宝石』と呼ばれています。
この宝石はツングースカの大爆発で知られる隕石の落下によってもたらされた、『アザトースの種子』の欠片です。
この『アザトースの種子』の欠片は、表面にまるで血管のような赤いヒビを持つ緑色の宝石のようにも見えます。この外観により、高価な珍しい宝石として発見したツングースカ近隣の農家から持ち主を変えながら都市部へと渡り、最終的にその持ち主は日本へ亡命した貴族となっていました。
『アザトースの種子』は生物の組織を崩壊させる効果を持っており、これを身近に置いている人間は遠からず死亡します。
もちろん、それだけではなく、ロシアの革命に伴う混乱の最中、追剥や強盗のようなもので死亡した人物や、実際には死んでいない人物など、様々な尾ひれが付いて、現在の『呪われた宝石』とされています。
この宝石の噂が出ているのはロシア、あるいは大陸方面なので、もしも探索者が大陸方面に詳しい大陸浪人だったり、大陸に行った経験がある等の場合には、いわゆる「ホープダイアモンド」のような翠玉の噂を聞いたことがあるとしてもよいでしょう。
この宝石を初めて見た場合、POW10の対抗ロールを行なってください。
成功した場合、特に影響を受けませんが、失敗した場合、その探索者に対してキーパーは以下のように対応してください。
探索者は何故かこの宝石が欲しくなってしまいます。
続く1D20日の間にこの宝石を見なくとも済んだ場合、この所有欲は自然と消滅しますが、再度見てしまった場合、さらにこの欲望は強くなり、さらにPOW12との対抗ロールに失敗すると、この宝石を手に入れる為の行動に走ります(手段は合法、非合法のどちらでも構いません)。
宝石が手に入れられなかった場合、強いストレスから1/1D4+1の正気度を喪失し、相変わらず宝石に取り憑かれた状態となりますが、1D20日経過すればこの影響を脱することができます。
宝石を手に入れるか、あるいは元々所有している場合、この宝石が身近にあるうちはPOWに関連したロールに+5%の修正を得ます。
しかし、手元に置いていると、1D10日経過する毎にCON×5のロールを行い、失敗した場合はSTR、CON、DEX、APPのどれかがランダムで1点減少します。永久的なものではない為、『アザトースの種子』の欠片を遠ざければ、長期間の治療を要しますが通常通り回復します。
この宝石を手放したくない気持ちは日数の経過とともに強まっていきます。破棄を考えた時点で、POW×5-所持日数のロールに失敗するとこの宝石を破棄する気がなくなってしまいます。
(この宝石自体が登場するがのスレッドの終盤なので、実際に運用することはない可能性がありますが、シナリオ自体が続くことは十分にありえますので、キーパーの負担にならない範囲で実施するのがよいでしょう)
このスレッドでの登場人物(NPC)
このスレッドの登場人物を紹介します。
別のスレッドにも登場する可能性も皆無ではありませんが、本スレッド以外では大きくシナリオに関わらない為、ここでの紹介とします。
イワン=イワノフ、ロシアから来たミ=ゴ
日本語的には山田太郎に相当する名前です。
彼らはツングースカの大爆発で撒き散らされた『アザトースの種子』の欠片の回収を目的に日本へと渡ってきたミ=ゴです。
全く同じ容姿の人間の外側を使って活動している為 、イワンと名乗るロシア人は二人存在しています。
彼らの調査方法や、人間への認識が甘い為、『アザトースの種子』の欠片の回収が思うように進んでいません。
また、日本在住のミ=ゴとは大元の所属コロニーが異なる為、全く連携していません。見た目はそっくりですが(一部、外科手術などによって異なる部分もありますが)、中身は全く別の種族と言ってもよいぐらいに隔たりがあります。
ただ、特に敵対している訳でもないので、キーパーの判断によっては、イワンが日本在住のミ=ゴに協力を仰ぐことも考えられます(外国の旅行先で、国が同じ者同士が助け合うような感覚で)。あるいは『アザトースの種子』の欠片を巡って対立する可能性もあります。
吉見頼意(よしみ・よりおき)、雇われ探偵
毛利元子に雇われる探偵です。
探偵とは言いますが元子に協力して裏稼業に手を染めたおかげで、一般人を相手にした本来の探偵としての業務は全く行なっておらず、元子の非合法な行為の出助けをしていました。
元はぱりっとした三つ揃えの似合う渋い中年だったのですが、元子の依頼に付き合うに連れて荒んで行き、今はアル中で肥満も目立ってきており、さらには内臓もやられていると思しき顔色をしています。
元子に『不吉の宝石』を手に入れるようにと依頼を受けて、見事にそれを果たしたのですが『不吉の宝石』に魅入られて元子に渡すのが惜しくなり、宝石を持って逃亡を図っています。
現在、小石川区大塚の辺りに潜伏していますが、すでに『不吉の宝石』に身体を蝕まれ、死亡寸前となっています。
イグナチェフ家、亡命貴族、没落貴族
・ザミラ、現当主
『不吉の宝石』によって没落したイグナチェフ家の現在の当主です。
イグナチェフ家は没落の一途を辿っており、現在はぎりぎり帝都で暮らしている状態です。他の一族も大方死亡するか、逃げるかしており、現在は芝区高輪にある邸宅に一人で暮らしています。
『不吉の宝石』が遠ざけられたことによりある程度の健康は回復していますが、人生に絶望するとともに次々と姿を消す家族の為に悲しみに暮れています。
・コンスタンチン、長男
コースチャの愛称で呼ばれる、イグナチェフ家の長男で、現在は行方不明になっています。
父親の死後、『不吉の宝石』の所有権を巡って肉親同士で争い、宝石を奪って逃亡しましたが、無一文で生活力皆無、そのうえ宝石の影響で肉体も蝕まれており、どうすることも出来ないままに宝石を捜しに来た吉見を頼ることになります。
しかし、吉見も『不吉の宝石』に魅入られてしまい、半ば強奪する形で『不吉の宝石』を奪われ、コンスタンチン自身は死亡してしまいます。
・ウラジミール、次男
天狗に攫われたという噂になっているイグナチェフ家の次男で、現在は長男と同じく行方不明となっています。
彼はイワン=ミ=ゴに誘拐されており、すでに脳缶詰となって帝國ホテルのイワンの部屋に置かれています。
・その他の一族
イグナチェフ家も例に漏れず大家族だったのですが、すでに現当主のザミラ以外は死亡するか逃亡するかして、高輪の屋敷にはザミラ以外は住んでいません。
上司命令、怪しげなロシア人の調査(スレッド起動部)
特高探索者は、いつものように上司に呼び出されます。
いつも不機嫌な上司ですが、今回は明らかにさらに不機嫌です。こういうときは大体、他所からの仕事を回されて割きたくも無い手を割く場合、と特高探索者には分かります。
紙束の資料を特高探索者に手渡しつつ、上司はいつものように命令します。
「その資料にあるロシアからの亡命者を洗え。
…さる筋からの『協力依頼』だ。報告は逐次頼む」
大正6(1917)年のロシア革命以降、ロシアからの亡命者が日本にも渡ってきていることは周知の事実です。
これらの亡命者の有名なものの多くは貴族階級であり、日本へ渡った後、独自のロシア亡命社会とでも言えるコミュニティを築いたと言われています(さらにこの後の太平洋戦争期になるとソ連とも敵対関係が激しくなり、ロシア人は排撃されるようになります)。
また、革命に伴い、共産勢力への警戒が強まったことも間違いありません。この為、特高には共産主義者や、無政府主義者、いわゆる『赤』の関連の調査、摘発も増えて居ることも確かです。
上司の資料に書かれている情報の要約は以下の通りです。
・イワン・イワノフ(偽名の可能性大。日本では山田太郎に相当)
・中央ロシアより函館経由で亡命とのこと。但し、亡命前、及び函館での所在は不明。
・帝國ホテルに滞在中。経済面での不自由なし。宝石商との接触多数。
・すでに亡命したる白系ロシア人との接触は僅少。帝都の方々を観光名目で彷徨。
特高探索者の質問に上司は答えられることはほとんどありません(彼もただ資料に目を通した程度です)。
ただ、『協力依頼』の元を聞いた場合は、陸軍筋だ、とだけ答えます。
亡命ロシア人、イワン・イワノフ
怪しげな亡命ロシア人、イワン・イワノフは初期情報の通り、帝國ホテルに滞在しています。
客を装ったり、張り込みなどをして遠くから、あるいは近くから眺めた場合、いかにもロシア人という、赤みを帯びた白い肌に灰色の瞳、赤毛に近い茶色の髪、大きながっしりとした体格をしていることが分かります。
《人類学》に成功した場合、わざとらしいぐらいにロシア人の特徴がそのまま出ている人物であることに気が付きます。
身なりも悪くないのですが、夏の暑い時期にも関わらず、きっちりとした服装に身を包んでおり、顔以外にほとんど肌の露出はありません(もしもかなり接近して調べてみれば、彼が汗すらかいていないことにも気が付きます。場合によって、彼からは人間らしい匂いすらしないことに気が付くとしてもよいでしょう)。
イワンの行動を観察する場合、警戒している様子も無い為、特にロールの必要はありませんが、短時間で調べようとした場合は、《追跡》などロールを要求してください。長時間掛けた場合は、特にロールの必要なく情報を入手できます。
彼は帝國ホテルから帝都をうろうろしつつ、銀座や周辺にある宝石商や、輸入品を扱うような店に出入りしていることが分かります。
足取りもかなり適当で、明らかに気が向くままに動いていることが分かります(観光なので、怪しくないとも言えますが)。
商店などでは、明らかに何か探しものをしており、詳細を聞き出すにはイワンの尾行ではなく、それらの場所での聞き込みが必要になります。
なお、イワンに直接接触した場合、これと言って切り込む材料が無い時点では、彼はいかにも日本語は分からない、という手振りで追い払われます(彼は日本語が分かりますが、面倒を避ける為にそう装っているだけです)。
無いと思いますが、特高探索者が強硬手段として怪しげなロシア人の拘束を訴えた場合、キーパーはやんわりと外交問題になる、ということを伝えてください(ついでにこの時期はソ連成立直後であり、日本との関係はかなり微妙なので、大きな問題になる可能性も否定できないと脅すのもよいでしょう)。
イワンの探し物
宝石商や、イワンがうろうろとしている周辺で聞き込みを行なった場合、探索者の手段に合わせてコミュニケーション系のロールを行なわせてください。
成功した場合、イワンが『緑がかった輝く物質で、表面に血管のような、赤いヒビが走っている宝石』を捜していると探索者に伝えてください。同時に、彼がロシアから来た大金持ちで、持参した宝石を現金に換えていることが分かります。
また、足繁く通っており、日に何度か訪れることも珍しくないと言われます。
宝石商でイワンが探している宝石について尋ねた場合、以下のような回答が得られます。
「緑と言えば翠玉(エメラルド)が有名だけれど、赤いヒビといわれると分からない。ただ、翠玉は中に不純物を含むことで様々な色合いや紋様のようなものが出るものあるので、それで赤いヒビのように見えるものがあるかもしれない。
孔雀石(マカライト)も緑色で、縞模様を持ったものが多いから、それでやはり赤く見えるものがあるのかも。
あとは金緑石の一つに陽の光の下では青緑、照明の下では赤になるという不思議な石があるそうだよ。
なんにせよ、普通の石じゃないと思うから、珍しいものだと思う。そういったものが市場に出れば、噂ぐらいは聞いてもいい気がするね」
輸入品を扱う店舗や商家で尋ねた場合は、《信用》に成功すると以下の情報が得られます。
(あるいは、探索者が信用されている、している馴染みの商家などの場合は、上方修正や無条件にでもよいでしょう)
「最近は非合法なものも含めて、ロシアの亡命貴族から流れてくる宝石が結構増えている。
合法的なものは問題ないけれども、非合法のものはしばらくほとぼりが冷めるまで保管されていたり、あるいは決して人前に出さないことを約束できる富豪の好事家に個人的に売りに出している者もいるでしょう。
それらをすべて押さえることは不可能だけれども、ちょっと前に翠玉のような緑色で、持ち主が次々と死ぬという不吉な曰くのある、『呪われた宝石』と呼ばれるものが、非正規のルートで流れていたよ」
ちなみにどこの誰が買ったとは分かりませんが、非正規、非合法の為、表立った情報は少ないことも教えてもらえます。
ツングースカ、『アザトースの種子』
明治41(1908)年、中央シベリアのツングースカに隕石が落下、大爆発を起こします。この大爆発はただの隕石が引き起こしたものではありませんでした。それは『アザトースの種子』だったのです。本来は地上に落下後、地底深くに潜り込んで孵化の時期を待つものでしたが、何かのきっかけで(おそらく、様々な神話生物の活動を阻害していると思われる地球の大気の成分によって)落下前に『アザトースの種子』は保護されることなく通常の隕石のように大気との摩擦によって大爆発を起こしました。
結果、『アザトースの種子』は粉々に砕けたうえに、大半はそのエネルギーによって死滅してしまいました。しかし、一部は欠片となってもまだ生き残っており、地下へと潜ることはありませんが、近くに居る生物を害し続けています。
ロシアのミ=ゴ達は『アザトースの種子』の欠片の大多数を現地で回収したのですが、初動が遅かったこともありいくつか取りこぼしたものを追ってイワンを日本へ派遣したのでした。
『不吉の宝石』の調査
探索者の調査方法や順番にもよりますが、『不吉の宝石』の調査では以下のように情報が得られます。
最終的に、現在の所持者である吉見頼意に辿り着くことが目的となりますが、可能であれば吉見が毛利家の雇われ探偵であることも探索者に伝えた方がよいでしょう。
探索者がこれらの情報に対して調査の糸口が無い、いまいち漠然としすぎていると感じる可能性が十分になります。キーパーは情報を出し惜しみしないとともに、中に含まれるキーワードを強調していってください。
また、探索者によってはイワンを監視することで、彼が『不吉の宝石』を手に入れてくれることを期待するかもしれません。
その場合は、自動的に探索が遅い場合に流れていきます。
非正規のルート:
探索者の立場や、職業などから来る伝手、あるいは前の宝石商や貿易商などの紹介などから、非合法のルート、後ろ暗い輸入業者、盗品を扱うこともある宝石商などを調べた場合、『不吉の宝石』と噂されるものが一度はロシアの某亡命貴族から売りに出さていたことが分かります。
その亡命貴族の当主は死亡しており、遺された一族が帝都の片隅で暮らしていると言われています。
探索者のコミュニケーションの取り方にもよりますが、《信用》などに成功した場合は、非正規、非合法の情報を表に出さないことを条件に、この『不吉の宝石』は例のロシア人(イワンのことです)の他、ある名門の華族が名前を伏せて探していたと教えてもらえます。
探索者のコミュニケーション手段にもよりますが、《信用》に成功した場合、探していたのは吉見という雇われ探偵で、この男の雇い主が毛利元子であることを明かします(一応、吉見の雇い主が元子であることは伏せられているのですが、この業界では最早公然たる秘密となりつつあります)。
宝石の専門家、好事家等:
単に珍しい宝石として、『不吉の宝石』について調査する場合、専門家、好事家を頼ることになるかと思います。
この場合、特にロールの必要はありませんが、何らかの謝礼は必要となります。得られる情報は以下の通りです。
ロシアから亡命して来た貴族の中には当然、先祖から受け継いだ様々な財宝を持ち込んだ者も少なくありません。
曰くや伝説のある宝石も多くありませんが、翠玉と言えばその中でもイグナチェフ家のものが挙がります。
この翠玉はツングースカの大爆発の直後、近隣の農民が空から降ってきたものを手に入れたのが最初だと言われています。
この最初の持ち主の農民はこの宝石の為に殺害され、次の持ち主は宝石を手に入れた後に病死、さらに次の持ち主は宝石の所有権を争った相手を殺害して手に入れました。
その後、都市部へと出て宝石を売りさばこうとしたところロシア革命に巻き込まれ、持ち主を次々と変えながら転々し日本へ亡命した貴族イグナチェフ家に落ち着いた、と言われています。
イグナチェフ家は現在、帝都の片隅で暮らしており、亡命当初は羽振りもよかったのですが次第に家運が傾き、最終的には家財一切を売り払ってつましい暮らしをしています。
ロシアの亡命貴族、イグナチェフ家
ロシアの事情に詳しい人物や、ロシアの亡命貴族を紹介してもらうなどのイグナチェフ家について調べた場合、単純に当たり外れがある為に《幸運》か、50%固定のロールを行なってください。探索者の話の持って行きかた、調べ方などで多少の上方修正をするのもよいでしょう。
成功した場合は以下の情報を得ることが出来ます。なお、ロールに失敗した場合は情報は得られませんが、時間が経過することで再度の情報収集は可能です。
イグナチェフ家は、特に身元を隠している訳でもないので、帝都の芝区高輪の辺りに居住していることが分かります。
同時に、イグナチェフ家は家運が傾き、今は見る影も無く尾羽打ち枯らしていると聞け、さらには続々と一族が死亡しているとか、昨今、帝都で話題になっている天狗に次男のウラジミールが攫われたと噂が立っています。
また、この天狗の噂などについて探索者が調査を行なった場合、噂ではなく実際にウラジミールが行方不明になっており、さらに長男のコンスタンチンも行方不明になっていることが分かります。
イグナチェフ家を直接訪ねた場合、高輪の閑静な住宅街の中に手入れが行き届いていない邸宅で、半ば死人のような顔色をした現在のイグナチェフ家の女主人ザミラが対応に出ます(すでに使用人はすべて解雇されており、主人自身がこういったことまでしているのです!)。
何らかの用事や、紹介が無い限りは門前払いになりますが、ストレートに宝石の話がしたい、と言った場合、ザミラは突然、話す事は無い、と探索者を追い返そうとします。
《信用》等のロールに成功した場合、彼女は冷静さを取り戻し、以前にも日本人の男が訪ねてきて、非常に無礼であったことを話します。
ザミラは流暢な日本語を話す為、特に《他の言語:ロシア語》は必要ありませんが、もしもロシア語で話した場合は、この後の《信用》等のロールに+40%の修正がなされます(《他の言語:ロシア語》に失敗した場合は、何事も無かったかのように日本語で話が進みます)。
ザミラは咳き込みながら探索者の話を聞き、宝石については、確かに我が家の持ち物だったが、今はもう無い、ということを伝えてきます。
一度売りに出そうとしていたことを指摘した場合、ザミラはあれは噂どおりの不吉の宝石だった、今、この家に不幸が続いているのはあの宝石のせいだ、と語ります。
さらに《信用》等に成功した場合、ザミラは宝石を一度売りに出したのは確かだが、その後は今は行方不明になっている長男のコンスタンチンが所持していることを教えてくれます。ただ、コンスタンチンも私と同じく、身体を壊していたので、どこかで人知れず死んでいるかもしれない、とも言います。
次男のウラジミールについては、突然行方不明になった、天狗の仕業などと言うわけの分からない噂が流れているが、あれも十分な大人なのだから自ら姿を消すこともあるだろう、と諦めた口調で語ります。
また、前に尋ねてきた男について訪ねた場合、名刺を探してきて「吉見」と言う探偵であると名乗ったと言い、さるお方の依頼により『不吉の宝石』を捜していたと言います(さるお方の詳細は、さすがに言わなかったのですが)。
去り際にザミラは、あの宝石に関わるのは止めた方がいい、あれはやはり不幸をもたらす宝石なのだ、と探索者に警告します。
コンスタンチンの行方
コンスタンチンはイグナチェフ家を出た後、帝都内に潜伏をしていたのですが、目立つロシア人であり、そして『不吉の宝石』を持っていたこともあり、即座に吉見に捕捉されています。
ところが吉見が接触を持つ頃にはすでにコンスタンチンも『不吉の宝石』の影響や、経済的な問題からもぼろぼろの状態であった為、病院へ入院させられますが、その甲斐も無く死亡してしまいます。
吉見は死亡したコンスタンチンを無縁仏として適当に弔った後、『不吉の宝石』を無事手に入れています。
しかし、彼は毛利元子の依頼を無視して、この宝石を自分のものにしようと決め、姿を消します。
コンスタンチンは無縁仏として青山墓地に吉見が埋葬しました。この為、その足跡は完全に途絶えています。
吉見が埋葬の手続きなどを行なっていますが、身元不明としています。
もしも、公的機関に照会をかけた場合、《法律》や、《信用》等のロールにより、確証はないものの青山墓地にそれらしいロシア人が最近埋葬されており、その手続きを吉見が行なっていることが分かります。
毛利家の動き
この『不吉の宝石』に絡めて毛利家について調査した場合、やはり非正規のルートの関係で元子がこういった裏仕事で吉見頼意を使っていたことが分かります。
吉見は元子の指示の元、『不吉の宝石』を追っていましたが、コンスタンチン・イグナチェフからその宝石を手に入れると行方をくらましてしまいました。
元子は消息を絶った吉見を不審に思い、その追跡と『不吉の宝石』の確保を別の部下に命じています。
必然的に、部下達も怪しげなイワンも調査していることになります(元子は基本的に中間報告は重大事以外は受けません。この為、探索者が動いていることは耳に入っていません)。
私立探偵、吉見頼意
吉見は元子に雇われる前までは普通の私立探偵であり、一般向けに調査を行なっていましたが彼女に雇われるようになってからはほぼ専属であり、その裏仕事を引き受けるようになっています。
探偵探索者は吉見のことを名前を聞いたことがある程度には知っています(狭い同業世界の中で、よいスポンサーが付いて羽振りが良い探偵でもあるので)。そして、そのスポンサーは毛利元子であることは、非正規、非合法の仕事に関わる者にはほぼ公然たる秘密となっています。
同業の探偵などを当たった場合、その事務所は神田区の裏通りにあり、ほぼ毛利元子の専属の探偵として、あまり表沙汰に出来ないような仕事を請け負っていたことが分かります。
ただ、最近は姿を見ていない、何か仕事に失敗して田舎に逃げた、というような噂もあります。
また、彼はいくつか帝都内に隠れ家を持っていることも教えてもらえますが、当然、その場所については別の調査が必要です。
吉見の行方
吉見は帝都内にいくつかの隠れ家を持っています(これも元子と関わるようになった為ではありますが)。
そのうちの一つ、元子側には知らせていないものが小石川区大塚の辺りにあります。
彼は一度、『不吉の宝石』を金に買えて元子の手の及ばない外国への逃亡を企てましたが、体調の悪化もあって途中で気が変わり、手元に置いたまま帝都に潜伏を続けています。
この為、吉見が盗品を処分したり、元子からの報酬を現金に換える等に使っていたルートに吉見の情報が漏れています。非正規のルートや、裏稼業の伝手に《信用》や《説得》等で、吉見の消息を調査した場合、これらの情報が手に入ります。
この他、彼も完全に引きこもっている訳でもないので、元の活動の中心である神田の辺りで吉見のことを聞き込めば、最近は姿を見ない、身体を壊して大塚の辺りに引っ越したなどの話を聞くことができます。
大塚の辺りというところまで絞り込めれば、帝都の外れに引っ越してきた妙な感じのする人として浮いた存在である為、後は地道な調査で吉見の隠れ家を発見することが可能です。
イワンの動向
『不吉の宝石』の調査と並行してイワンの動向の調査を続けた場合(こちらの方が本題だったはずですが)、探索者は奇妙なことに気が付きます。
イワンが複数個所に同時に存在したり、一度出てきた場所からもう一度出てきたり、逆に入った場所にもう一度入る、と言った口径を目にします。これは、主に彼が拠点にしている帝國ホテルを見張っている場合によく発生します。
また、それだけではなく彼が急に消えたり、あるいは姿が見えなくなったと思ったら全く別の場所にいるということもあることに気が付きます。
探索者自身がイワンの尾行を行なっている場合、《追跡》+《幸運》のロールに成功すると、彼が人気の無い裏路地の角を曲がった瞬間に何か大きな甲殻類と思しきピンク色の生物が飛び立っていくのを目撃することになります。
路地の先にはもちろん、イワンの姿はありません。そこにはイワンが着ていたと思しき服が残っているだけです。
探索者が
『帝都の空に舞う怪異、ミ=ゴ』スレッドにおいて、天狗の噂の情報を得ている場合は、これがその現象ではないかということを連想します。
この後、イワンは何事も無かったかのように帝国ホテルに姿を現します。
イワンは実は二人居ます。
全く同じ外見の人の皮を用意している為、全く同じ人物が多少の間隔を置いて、怪しまれない程度に行動をしているのです。
探索者自身の考えによるか、《アイデア》、あるいはキーパーによっては「二人居る!」という演出を行なうことで、これをはっきりと示して構いません。
この二人のイワンが単に似ている、双子と言ったものではなく、完全に同一人物が二人居る、ということに気が付いた場合、1/1D3+1の正気度を喪失します。
イワン達は探索者が行なうような調査を非常に時間をかけて行なっています(中身がミ=ゴなので人間相手の調査や情報収集は苦手であり(ミ=ゴの催眠術が基本)、金銭以外での信用を得られない状態での為です)。
基本的な調査の流れも探索者と同じになっています。この為、『不吉の宝石』を探す行動を探索者が取っている場合、《幸運》か、キーパーの判断によりイワンと調査先がかち合う可能性があります。
この場合、イワンは「どこかで見たことがあるな」程度で探索者を無視しますが、これが度重なると彼の方から声を掛けてきます。
イワンは低く囁くような声で話しますが、何故かそれは聞き取りにくいところが無く、ある程度の距離を置いてもはっきりと分かります。そして彼はその特徴的な声で流暢な、訛りの無い日本語を話します。
イワンは探索者達の目的をまず問い質します。素直に宝石を捜していることを答えた場合は、その理由も聞いてきます。
基本的にイワンは探索者が暴力的な手段に出ない限りは、人間の姿のまま対応します。
探索者の返答如何によりますが、イワンは基本的に探索者に関わることを止めた方がいいと言います。あの宝石は人体に有害な物質であり、不吉の宝石の噂の通り保持することで死に至るのだ、ということを教えてくれます。
自身がミ=ゴであること等以外の開示できる情報は開示し、味方に引き込んで手に入れるか見付けるかしたら教えて欲しい、高値で買い取るし、報酬も出すと説得します。
探索者が拒否した場合は、探索者が宝石を探すことを止めるように言い、これ以上関わらないようにと言います。
帝國ホテル、イワンの部屋
帝國ホテルは関東大震災の前年、大正11(1922)年に旧本館が全焼し、建設中だった新館が一部完成済みの部分での営業を行なっていました。
この豪華なホテルの一室に、イワンは日本での拠点を構えています。
イワンに探索者が張り付いているか、協力者を張り付けているかした場合、イワンがホテルのスタッフに部屋の中に立ち入ったかを確認しているのを目撃します。
ホテル側としては立ち入り禁止になっている部屋は入らない、ということを主張しており、イワンもあっさりと引き下がります。
これはイワンの捜査が進むこととで、全く警戒していない彼の行動が毛利元子側の注意を引いたのです。
この結果、元子の手の者が帝國ホテルのイワンの部屋へ侵入し、家捜しを行っています。
あるいは、探索者自身がイワンの部屋を探ろう、と考えるかもしれません。
その場合、すでに二人居ることに気が付いている場合は二人が出て行くまで待機すればよいのですが、そうでない場合、50%の確率で部屋の中にまだもう一人のイワンが残っている状態となります。
イワンの部屋の中は、その滞在期間に比べてまったく生活臭がなく無人のまま放置された部屋のように感じます(たまにホテル側に掃除はさせているので、綺麗なことは綺麗ですが)。
天井からはビニールで出来た網のようなものが二つぶら下がっています(ミ=ゴの休息用のハンモックです)。
本来、部屋は豪華な印象を与えるものですが、イワンたちは一切そういったものに注意を払っておらず、壁際のサイドボード上には呼吸するかのように明滅する奇妙な機械と、大きなサイズの缶詰、あるいは小さなドラム缶のようにも見えるものが三つ並んでおり、さらにその脇にまるで丸眼鏡のようにも見える装置と、ラジオ(当時はまだラジオは一般的ではないですが)のような装置が置かれており、それぞれがコードで繋がれています。
探索者が家捜しする場合は、《目星》を要求するか、時間をかけて調べた場合は、部屋からはイワンの顔と手足、服と言ったパーツが見付かります。
《アイデア》か、探索者の考えにより、これはイワンの外から見えている部分が揃っていることに気が付き、0/1D4の正気度を喪失します。
この他、イワンの持ち物であろう宝石類が見付かりますが、『不吉の宝石』の手掛かりなどは見付かりません。
探索者が家捜しをしていると、サイドボード上に置かれた装置の明滅が早くなり、「君達は誰だ」 と、周波数の合っていないラジオから聞こえてくるような声がラジオのような装置から聞こえてきます。
探索者が装置へ注意を向けると、ラジオのような装置と眼鏡のような装置が不規則に明滅をしており、《アイデア》か、《電機修理》+20%に成功するとこの眼鏡のような装置がこちらを見ており、ラジオのような装置から声が聞こえたことに気が付きます。
探索者がこの声に答えた場合、声の持ち主は自分が脳だけになってサイドボードに置かれている缶詰のようなものに入っていることを告げます(現在、コードの繋がっている缶詰がこの声の持ち主です)。
この脳缶詰の中に入っているのは、イグナチェフ家の天狗に攫われたと噂されていた次男ウラジミールです。
探索者の質問に答えられることには答えますが、彼はほとんど事情も分からずにイワン=ミ=ゴに連れ去られています。この為、イワンの方から『不吉の宝石』について尋ねられたということしか分かりません。
脳缶詰のウラジミールからは以下のような情報を得ることができます。
(本来的にはロシア語のはずですが、ここではミ=ゴ脅威の科学力で装置によって同時通訳されているとしてください)
『不吉の宝石』について:
「あれが我が一族の不幸の元なのだ。父にあれを手放すように何度も説得したが、まるで狂人のように拒否をしてきた。
その為に、父は死に、近くに居た母も衰弱しきり、兄弟姉妹達もおかしくなってしまった」
「父がやっと死に、それも『不吉の宝石』のせいなのだが、その後、宝石を処分しようとしたがこれを巡って今度は生き残った肉親同士で争いが起こった。
結局、兄のコースチャ、コンスタンチンが宝石を持って逃げてしまったのだ」
※コースチャはコンスタンチンの愛称です。
コンスタンチンについて:
「行方不明になったあとは分からない。
だが、兄は未だにロシアの貴族なのだ。一人では何も出来ない。それにあの『不吉の宝石』を手にしていることを考えると、もう死んでいる可能性だって否定できない。
帝都は広いが、我々のような外国人にはまだ住み辛い。意外に近くで見付かるのではないだろか」
イワンについて:
「あれの正体についてはよく分からない。人間ではないし、キノコでもないし、甲殻類でもないだろう。
驚異的な科学力と外科学的な技術、そして宇宙に対する知識、考察、どれも人類には手に負えないぐらいだ、
イワンの目的は『不吉の宝石』を手に入れることだが、何故それが必要なのかは我々の知識の及ぶところではないだろう」
自身について:
「私はたまたまこのような姿になっているが、これはこれで満足しているよ。
人生に絶望していたところを、新たな道が開けたようなものだ。イワンにはこの件が片付けば、別の世界へ連れて行ってもらえると約束されている」
吉見意頼と『不吉の宝石』
調査で得た情報を元に吉見の隠れ家へと赴くと、肥満とまでは行きませんが体のあちこちが緩んでおり、明らかにアルコール中毒者のような血走った目をしている上に、内臓が痛んでいるような顔色が、さらに今は健康状態が悪化して紙の様に白い顔色をしている男が探索者の訪問に応じます。
この男が吉見頼意です。彼は『アザトースの種子』の欠片による影響で身体をすでに破壊されかかっています。
彼は毛利元子からの依頼で探し出した『アザトースの種子』の欠片を半ば横取りする形で持ち去っており、その為に帝都の片隅に潜伏しています(土地勘の無い場所へ逃げるよりも、帝都の方が安全と判断しています)。
探索者の出方にもよりますが暴力的な対応でない場合、彼は一応は探索者を事務所内へと招き入れます。しかし、その中は吉見が生活している為にかなり散らかっていると共に、閉め切っているために彼が発する異臭が立ち込めており、とても客人を招き入れるような状態ではありません。
それでも我慢して彼と交渉した場合は、探索者が毛利元子の名前を出さなければ、吉見は知らぬ存ぜぬと通します。
元子の名前を出した場合、急に彼は態度を変えて話し出します。
「あんたら、毛利元子の使いなのか?
いや、違うな。いつも見る奴らみたいな死んだ目をしてねえ」
興奮しているものの、気だるい様子で椅子にぐったりと持たれかかったまま彼は話を続けます。
「知ってのとおり、あの女は俺に『不吉の宝石』を手に入れることを命じた。
ああ、そうだ、ロシアの落ちぶれた貴族様の持ち物だった奴だ。
命令されるまま、俺は『不吉の宝石』を手に入れたが、何故だかそれを手放すのが惜しくなった」
ぜいぜいと話しにくそうにしながら、体勢を前に傾けながら胸元を手で押さえて、血走った目で探索者を見つめながら話は続きます。
「最初は自分でも訳が分からなかった。あの毛利元子を敵に回すようなことを何故自分がしたのか。
だが、そんなことは関係ない。今、俺は『不吉の宝石』の噂の通り、死にかけているじゃないか。
何故だ。あの女、俺を消すつもりだったのか。こんな宝石を俺に押し付けてやがって…」
話しながら吉見はどんどん俯いていき、最後にはばったりと椅子から転がり落ちて呻くように、「くそ、宝石は俺のものだ」と呟くと、そのまま動かなくなります。
《医学》か、《応急手当》に成功すれば、吉見の救命措置に成功して一命を取りとめますが、即座に病院などの施設の整った場所で治療を受けなければ同様の危ない状態が続き、悪化する可能性が高いことも分かります。失敗した場合は吉見は死亡します。
吉見の隠れ家を家捜しすれば、押入れの中に金庫を発見することが出来ます(特に隠されている訳でもないので、《目星》等の必要はありません。家捜しの宣言のみで問題ありません)。
吉見を助けている場合、彼に尋ねれば意識が混濁している為か、金庫の開け方を切れ切れに探索者に伝えてきます。死亡している場合は、《鍵開け》の-40%のロールか、耐久力10点、装甲5点として破壊する必要があります(破壊した場合、中のものの無事は保証されませんが、『不吉の宝石』は全くダメージを受けません)。
金庫の中には1000円にもなる10円札の束と、『不吉の宝石』と呼ばれる『アザトースの種子』の欠片が収められています。この他に、吉見自身が使っていたであろう、38口径の自動拳銃も発見できます(もちろん、弾も入っています)。
ここで、イワンに協力していない場合、探索者が家捜しが終わった後にイワン二人が事務所へと乱入してきます。
奇妙な形状をした銃と思しきものを手にした彼は、「その宝石を渡せ。君達には用が無いものだ」と言います。イワンが二人居ることを確認した探索者は、1/1D3+1の正気度を喪失します(前にイワンが二人居ることに気が付いていた場合、その時の喪失した正気度と合わせて4点までしか喪失しません)。
さらにその後ろから、背広に身を包んだ探偵風の男と書生崩れに見える大男の二人組みが現れ、「大人しくしろ」と銃を突きつけます。
イワンは大人しくするつもりはない為、即座に振り向いて手にした武器を発砲します。それに対して探偵風の男も応射し、自動的に戦闘が開始されます(イワン、元子側とも探索者を含めて他の勢力を全て制圧するつもりで戦闘をします)。
なお、1ラウンド目は元子側の二人はイワンが二人居ることに驚き、すべての行動に-30%の修正が課されます。
イワン・イワノフ、ロシアから来たミ=ゴ
イワンA STR11 CON14 SIZ12 DEX11 POW12 DB+0 耐久力13
イワンB STR11 CON11 SIZ12 DEX15 POW10 DB+0 耐久力12
武器:
ハサミ 30% 1D6+DB+組み付き(耐久力が半減するか、渦巻銃を撃ちつくした後)
渦巻銃 50% 2D6
装甲:
なし。但し、貫通する武器は最低限のダメージになる。
探偵風の男
STR10 CON11 SIZ11 DEX15 POW14 DB+0 耐久力11
武器:
十四式自動拳銃 65% 1D8 1R3射 8発装填
装甲:
なし。
書生崩れの男
STR15 CON16 SIZ17 DEX13 POW9 DB+1D4 耐久力17
武器:
こぶし 75% 1D3+DB
柔道:投げ 60% 1D4+DB+ノックアウト(CON×5ロール)
装甲:
なし。
双方とも可能であれば『不吉の宝石』を回収することを優先し、回収できれば撤退をします。
元子側は二人の耐久力が半減するか、片方が戦闘不能になれば二人揃って撤退を開始します(片方が戦闘不能の場合は片方が背負って逃げていきます)。
ミ=ゴは耐久力が半減すれば一人ずつでも撤退しますが、半減した時点でイワンの外見が剥がれて、ミ=ゴ本来の姿を現します。この場合、0/1D6の正気度を喪失する可能性があります。
ここで元子側に『不吉の宝石』を奪われた場合、終幕部で綾の『完全な音楽』の成功する確率が上昇します。
それ以外、探索者か、イワンが手に入れた場合は特に影響はありません。
『不吉の宝石』の探索が遅い場合
探索者が『不吉の宝石』の調査に手間取ったり、あるいは放置した場合、吉見は『アザトースの種子』の欠片の影響で死亡します。
この後、元子の手の者が『不吉の宝石』を回収して、黒澄綾に楽器の材料として提供することになります。
この場合、終幕部において綾の『完全な音楽』の成功する倍率が上昇します。
スレッドの終了部
吉見の金庫から発見したものをどうするかは探索者の自由ですが、手に入れた『アザトースの種子』の欠片の処分に困る可能性があります(なにしろ、持っていると確実に死亡すると分かっている代物です)。
この『アザトースの種子』の欠片は燃やしても冷やしても、まったくダメージを負いません(大気圏突入時の温度でも、宇宙空間でも全く損なわれることが無い為)。さらにその硬度も尋常ではなく、銃撃しても欠けることもありません。
この為、処分するとなると海に廃棄するなどが最も適当な手段なるでしょう。
この宝石の影響については、「『アザトースの種子』、『不吉の宝石』」を参照してください。
キーパーの判断によっては、元子側から宝石を売るようにという脅迫じみた連絡が来るようにするものよいかもしれません。
また、探索者が元子と明らかに敵対している場合はその手のものによる襲撃、強奪も考えられます。
『アザトースの種子』の欠片は持っていてもいいことはないので、探索者から無理やり取り上げる手段として検討してください。
(この場合、元子の手に『アザトースの種子』は戻るものの、綾に渡る時期が遅かった為に楽器への加工が間に合わず、終幕部で『完全な音楽』への修正はありません)
イワンが生き残っている場合はこの後、『不吉の宝石』を入手したのが誰であれ、ロシアへと撤退します。
彼は撤退の際に、帝国ホテルの一室からイワンの顔と手を残して、密室から消え去ります。この不可解な事件は、帝國ホテルの怪談として関係者にまことしやかに囁かれるようになります。