探索部
今回の探索では、時間の経過をある程度厳密にする為、1回の行動単位を1ターンとして区切ります(大体の目安ですが、1ターンは10分程度です)。
キーパーの判断で、探索者達の行動の長さにより、可変としても構いませんが、キーパーの管理を楽にし、探索者達を分割して行なうことを前提とした本シナリオで、それぞれのチームに平等に行動の機会と場面を与える為、ある程度ゲーム的に処理し、桜嶺女学院内と、帝都内の探索のタイムスケールとは同一にするのがよいでしょう。
また、探索者達が早い段階で合流を図る可能性がありますが、今回のシナリオのタイムスケジュールが厳しいことを仄めかし、分割したまま行動するのがメタ的にはよいということを示唆するのも良いでしょう。
帝都内を探索する側は、春子に示された地点の隣接した地点への移動には、2ターンを消費します。
これは安全に移動した場合であり、特に《運転》のロールは要求されません。より早く移動しようとした場合、《運転》に成功することで、1ターンで目的地に到着しますが、失敗した場合は余計な時間が掛かってしまい、3ターン消費してしまいます。
また、より遠くの地点へ移動しようとした場合、通過する地点分経過ターンが増加します。
もしも、この《運転》でファンブルを起こした場合、キーパーは車が事故って行動不能、というのは致命的な事態となる為、長時間の足止めを食う(1D10ターン程度)か、故障して次の車を探す為に《幸運》が必要になるなどとしてください。
桜嶺女学院内を探索する側では、学院内の同じ建物内を移動する場合には0ターンですが、他の建物に行く場合は1ターンが掛かります。
探索者が調査や、行動する場合は、よほど長い時間を取るものでなければ、1ターンで全て済ませられることにします。
時間経過と周囲への影響(青い音の侵食度)
キーパーは、1ターンが経過する毎に、侵食度を1D6点累積させてください。この侵食度は探索者に対してオープンにする必要はありませんが、時間が無いことを示唆したり侵食度が進むとひどい目に合うことを示す為に、あえてオープンにするのもよいかもしれません。
侵食度に合わせて、スグルオの住人の侵食、翻訳度合いが上がっていきます。
侵食度合いに合わせて、キーパーはスグルオの住人が探索者に対する行動を決定してください。
なお、桜嶺女学院内では侵食度は2倍の影響となります。
侵食度 |
影響度 |
0〜9 |
特に影響はありません。『異次元通信機』の発する音も、ただ耳を聾するだけです。
スグルオの住人もこの時点ではただの微妙な雑音であり、お互いに影響を与えることは出来ません。 |
10〜19 |
視覚的に青い音を捉えることができるようになります。『異次元通信機』の轟音の中に、金属を擦り合わせるような不快な音が響くことに気が付きます。
《アイデア》か、《芸術:(なんらかの音楽、楽器等)》に成功した場合、その異音は通常の音と異なり、あたかも忍び寄るように近寄ってきていることに気が付きます。 |
20〜29 |
この段階に達するとスグルオの住人がかなり翻訳され、探索者に襲い掛かってきます。20%の確率か、キーパーの判断で遭遇しますが、全ての能力値、音響攻撃のダメージが1/2となります(耐久力も1/2です)。 |
30〜49 |
音が聞こえる範囲では、視界が青く霞む印象を受けます。それは揺らめくような、気体のような動きをし、耳に感じる音と同期していることに気が付きます。この段階では、スグルオの住人との遭遇は40%の確率で、ダメージは通常通りとなります。 |
50〜 |
この段階を超えて、『異次元通信機』を4つ以上回収していない場合、回収に失敗したことになります。失敗した場合の終幕部を行なってください。
4つ以上回収している場合は、スグルオの住人との遭遇確率が50%となり、彼らの攻撃の命中が50%、ダメージが+2点されます。 |
スグルオの住人
シナリオ中に登場するスグルオの住人のデータを示します。
スグルオの住人に襲撃される場合や、登場する場合はこのデータを使用してください。
カスタマイズする場合は、『マレウス・モンストロルム』のP.59のスグルオの住人の詳細を参照してください。
スグルオの住人A STR N/A CON N/A SIZ 17 INT 16 DEX 28 POW 22 DB+N/A 耐久力 POWと同じ
スグルオの住人B STR N/A CON N/A SIZ 16 INT 20 DEX 18 POW 27 DB+N/A 耐久力 POWと同じ
スグルオの住人C STR N/A CON N/A SIZ 14 INT 22 DEX 12 POW 28 DB+N/A 耐久力 POWと同じ
スグルオの住人D STR N/A CON N/A SIZ 18 INT 18 DEX 24 POW 36 DB+N/A 耐久力 POWと同じ
スグルオの住人E STR N/A CON N/A SIZ 18 INT 23 DEX 21 POW 23 DB+N/A 耐久力 POWと同じ
スグルオの住人F STR N/A CON N/A SIZ 17 INT 19 DEX 23 POW 16 DB+N/A 耐久力 POWと同じ
武器:音響攻撃 25%、ダメージ 1D6
装甲:なし。但し、彼らは物理ダメージを全て無効である。INTかPOWに影響がある呪文の効果は通常通り受ける。
スグルオ人に対して、『正確な音』による攻撃を行なった場合(《芸術:(何らかの楽器、歌唱等)》)、楽器の音響の大きさに合わせて、1D6から2D10までのダメージを与える。
正気度喪失:
青い音の侵食度が50未満の場合、スグルオの住人は生ける音として感知されます。その音を聞いた場合、0/1D2の正気度を喪失する
。
侵食度が50を超えた場合、青いうろこを持った爬虫類のような姿が見え、0/1D4の正気度を喪失する。
本シナリオの特殊なルールとして、今回登場するスグルオの住人は、『異次元通信機』より響く轟音によって翻訳されている為、より正しい音、音楽においてダメージを与えることが出来ます(単純な音、例えば拳銃の発射音や、何かを叩くような音は音楽ではありません)。
その音の大きさと、正しさにおいて彼らに与えるダメージをキーパーは決定してください。目安として、持ち運び可能な楽器の類は、1D6〜1D10のダメージ、据え置き型、大型の楽器の場合は、1D10〜2D10程度です。
また、彼らの音響による攻撃を、音楽によって受け流し(!)可能とするのがよいでしょう。同時に、これらの音楽による攻撃は貫通する(!)と扱うと面白いかもしれません。
『異次元通信機』を破壊する
『異次元通信機』はそれなりに頑丈です。
1点の装甲と、6点の耐久力を持ち、ちょっと落とした程度では壊れることはありません。
『異次元通信機』を探索者が破壊した場合、通信機は今までとは明らかに異なる音、まるで断末魔の悲鳴のような音を発します。この「悲鳴」を聞いた探索者は、0/1D6の正気度を喪失します。
さらに破壊された通信機の中から、ホルマリンのような刺激臭とともに青白い溶液が流れ出した後、それは赤いものとなり、そして半ば溶けかかった少女の生首が転がり出ます。その首の切断面からは何かコードのようなものが出ており、装置の内部の機械と接続されています。
この生首を目撃した場合、0/1D4の正気度を喪失します(もしも、首が探索者と関係が深い人間のものであった場合は、1/1D6となります)。
『異次元通信機』の破壊によって、狂気に陥った場合、その探索者は音楽恐怖症になる可能性があります。
『異次元通信機』を破壊した場合、明確に毛利三姉妹と敵対したことになります。
同行している場合は、ひとまず分かれることになりますが、探索者の方から戦闘を仕掛けた場合、彼女ら自身は物理的にはあまり丈夫でない為、基本的には逃走を選びます。