二重幻想的舞台 はじめに


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はじめに

 本シナリオは、『クトゥルフ神話TRPG』向けであり、舞台として大正時代『クトゥルフと帝国』あるいは、本『帝都モノガタリ』を対象としているシナリオです。
 プレイヤーの人数は4〜5人、数回の探索による成長の探索者を想定したデザインとなっています。
 プレイ時間はキャラクターの作成を含まず、5〜6時間程度を想定しています。
「天球賛歌事件」と同じく、スレッド型のシナリオとなっており、やはりスパゲティなシナリオになっています。
 各自でタイムチャート、イベント配置を検討するのが必須なのでご注意ください。

 本シナリオは「大地返歌事件」の後のシナリオとして想定されています。
 もしも、単発で行う場合等、「黒澄綾」「安藤雪子」や、その「天球音楽」と言った単語が必要となりますので、キーパーは「天球賛歌事件」と「大地返歌事件」を参照してください。

 シナリオ中、『』囲みで記載されているものは、演劇の黄衣の王、囲みがない場合は、神格の黄衣の王になります。

はじめる前に

 実際のセッションを始める前に、これらのことに注意するか、プレイヤー達に直接告げてください。

シナリオの傾向

 このシナリオは調査が中心になる探索となります。
 毎度の地味なシナリオになりますが、最後に派手な戦闘が用意されています。
 この為の準備としての探索はもちろんですが、複数の謎が並行して進む為、かなり煩雑になります。
「謎は解かれなければならない」必要はありませんが、「手がかりは提示する」必要はあります。
 情報は全て出し尽くす、というのが理想的ですが、探索者の選択、行動によって得られない情報も発生することでしょう。ある程度、キーパーの方から誘導、あるいは具体的にこうすれば?と提示することも必要になってきます。
 キーパーは適宜(特に探索者の行動が止まってしまった場合等)、探索者を誘導するようにしてください。

探索者の作成時の注意、立場

 探索者の作成時には、下記のように作成するようにしてください(FEAR的なあれですが、クトゥルフの弱点である導入部の弱さを補うには非常に有効な手段だと思われます)。
「大地返歌」から引き続き行う場合、各探索者に設定を一部増やすか、兼用で対応してください。

PC@ 職業:女学生 年齢:14〜16(EDUは自動で年齢-6が採用される)
 貴方は桜嶺女学院に通う女学生である(上級生)。
 当時の女学生文化に違わず、貴方には安藤雪子(あんどう・ゆきこ)という可愛い妹が出来ている。
 彼女は同じ桜嶺女学院に通いながら、浅草のオペラ座館という劇場で、オペラのフルート奏者として活動しており、学園でも珍しい存在となっている。
 彼女からよく「オペラ座館にオペラを観に行こう」と誘われるが、今回も同じように、朝、下駄箱に彼女からの手紙が入っていた。

PCA 推奨職業:探偵等の肉体派
 貴方は帝都で探偵業を営んでいる。探偵小説の隆盛を他所に、実際の探偵は暇か、あるいは浮気調査や、素行調査といった地味なものばかりだ。
 そんな中、たまたま二つの依頼が重なってしまった。滅多に無いことだが、注意深くことに当たる必要がある。

PCB 職業:特高警察
 貴方は特殊高等警察に所属している。通常の警察とは異なり、思想犯や政治犯を取り締まるのが主な役目だ。
 いつものように突然上司に呼び出されると、無言のままオペラのチケットを放り投げてくる(どこかで見たような展開だ)。
「浅草のオペラ座館のチケットだ。
 土地柄、手帖を振り回すとより厄介になるだろうからな」
 と言いながら、一枚の名刺を渡してくる(PCAの名刺)。

PCC 推奨職業:(華族、資本家)
 貴方には、穂井田清(ほいだ・きよし)と言う、同じく(華族、資本家)の遠い親戚で友人が居る。
 彼はしばらく前までは、病院に入院しており姿を見なかったが、最近はよくなったということで娑婆に戻っている。
 彼には、親が決めた風見慧(かざみ・けい)と言う許嫁が居り、それがオペラ座館という劇場で少女歌劇に出演しているということだ。
 その許嫁との仲がなかなか進展しない上、慧が結婚を嫌がっていることもある為、相談に乗ってほしい、ということで呼び出された。

PCD 推奨職業:(なし)
 がんばれ。
 遊撃ポジションだと思ってくれ。
 報道関係者になる場合、ゴシップ系ではなく、オペラ座館と関係が良好であること。

探索者同士の関連付け

 基本的に自由です。シナリオに参加する理由付けを作るようにしてください。
 プレイヤーから提案を積極的に受け入れて、シナリオに参加する理由付けを作成するようにしてください。

狂気についての注意

 今回のシナリオでは、終幕部より前に、探索者が狂気(一時的、不定とも)に陥った場合、キーパーは狂気のハンドアウトを1枚任意に選択して、プレイヤーに渡してください。
 この狂気は潜伏したものとして扱われ、即座に症状を表しません。ハンドアウトは、終幕部まで伏せておき、もらったプレイヤーは見ないようにしてください。

 プレイヤーは、終幕部で『黄衣の王』が開演した場合、狂気のハンドアウトを表に向け、その効果に従ってください。

 この狂気のハンドアウトは、《精神分析》に成功することで取り除くことができます(キーパーに返します)。
 但し、その場合、顕在化していない狂気を治療する為、半日を掛ける必要があります。