二重幻想的舞台 スレッドG 穂井田、王の従兄弟


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スレッドG 穂井田、王の従兄弟

 このスレッドは時系列に沿って自動的に進みます。華族、資本家のPCに彼のことを忘れさせないようにしてください。
 4年前に『黄衣の王』を読み、精神の平衡を失ったところで精神病院に収容され、最近戻ってきた男です。
 本人は、「僕が狂ってなどいなかったということが証明されたということだ」と言い、至極まともだと言い張りますが、また『黄衣の王』を読みふけることで現実世界と演劇の中の世界が交錯し始めています。
 また、風見との婚約は彼の妄想であり、彼女がカッシルダとして配役されていることもあります。
  1. その時がきた
  2. 王冠を戴くものなるぞ
  3. 王になる権利を破棄せよ

その時がきた

 穂井田の様子がおかしい、と探索者に彼の家人から連絡があります。
 もともと、言動がおかしかったところがありますが、奇妙な言動が目立つ為、自宅に呼び出されます(頼るべき友人が華族、資本家のPCぐらいしかいないのです!)。

 自宅で、真鍮で出来た安っぽい王冠らしきものを被った穂井田が、同じく安っぽいナイフを手に「その時がきた、その時がきた」と踊るように暴れています。
 彼は探索者に気が付くと、黙り込んで見詰めます。
 彼に、王冠が真鍮製のものだと指摘した場合、まるで分かっていない、というような奇妙な冷笑を浮かべます。
 同時に、彼には金庫に見えているのは、ビスケットの缶詰の箱です。これも同様に、全く探索者の見えている認識とは異なるものです。

 この場での会話は基本的に要領を得ません。
 彼に見える現実は、半分以上『黄衣の王』に侵食されており、自身はカルコサのイーティルの王位を継ぐものであると認識し、安っぽい王冠はダイヤモンドの散りばめられた黄金の冠であり、ビスケットの缶詰は重厚で堅固な金庫に見えているのです。

「やめろ、僕を狂人扱いするのはやめろ。
 4年前の事故にかこつけて、僕を病院に閉じ込めて、王位を奪おうとしたのだ!」

 その場はひとまず、探索者の対応次第ですが、ひとまず穂井田の方から折れて、大人しくなります。
 家人はおろおろとするだけであり、特に役に立ちません。この後、様子を見に来てくれないか、と頼まれます。何しろ、彼にとって家人は臣下であり、使用人のようなものになっています。

王冠を戴くものなるぞ

 穂井田をまた訪ねると、彼は自室で何か書き物をしています。
「王の従兄弟である僕だけが、王冠を戴く資格があるのだ」
 独り言のように呟きながら、彼は何かを書いています。床に紙が散らばっており、どうやら彼は何かを書き続けているようです。
 探索者に気が付くと、自身の手書きによる人名のリストを見せながら、「ここに名前のある者は全て、生きている者なら無視することの出来ない黄色の印を受け取った。今や、蒼白の仮面のまえでおののこうとしているのだ」と言います。
 もし、このリストを調べるならば、出鱈目な名前のリストであり、著名人の他、少女歌劇のメンバーの名も載っていることに気が付きます。
 床に散らばる紙には、同じく出鱈目な家系図が記してあり、それは「正当な王の血筋を記したものだ」と彼は言います。そして、その他に、『黄色の印』を書いたものを発見します。
 この印は稚拙な手書きのものですが、少女歌劇のメンバーが身に着けているものと全く同じ印象を受けます。『黄色の印』を目撃した探索者は、0/1D6の正気度を喪失します。

 彼は書き物に集中しており、探索者にはそれ以上の興味を示しません。邪魔をした場合は、「正当な王の継承者の邪魔をするな!」と怒りだします。
 そうでない場合は、部屋の中を調査しても彼は特に気にしません。
 部屋の中には、特に目立つ調度は存在しませんが、例のビスケットの缶詰の箱はそのままです(これに触れても怒りだします)。
 本棚を特に調べると宣言した場合は、ナポレオンの本が多いことに気が付きます。また、演劇に関する本がいくつかあり、その中に『黄衣の王』(フランス語版)を発見することができます。
 探索者が『黄衣の王』に興味を示した場合、突然、彼はそのすばらしさを語り始めます。
(探索者が『黄衣の王』をまだ手に入れていないか、内容を知らない場合は、ここでその内容の概要を伝えてください)

王になる権利を破棄せよ

 オペラ座館の舞台で少女歌劇団が『黄衣の王』の練習をしているとき、安っぽい王冠しきものを被り、白い、おそらくシーツか何かをローブに模して被った男が、舞台に現われます。
 そのシーツには、『黄色の印』が刺繍されています。
「そして、お前が、お前が僕から王位を奪ったんだ。
 王になる権利を破棄すべきだ」
 と、演劇の台詞の一部を吐きながら、星川に襲い掛かります。
 この珍妙な闖入者に、少女達は悲鳴を上げて逃げ惑います。ただ、その悲鳴や、逃げ方もまるで演劇の中のようなものである為、一瞬、関係者達も遊んでいるのかと思いますが、その男が本物のナイフを持っていることに気が付くと、止めに入ります。
 その男はぶつぶつと「国を立ち上がらせ、王を見上げさせるんだ」と呟いています。
(探索者に、ノックアウト攻撃や、《組み付き》を忘れないでね、と伝えてください。殺人犯になると探索者も警察のお世話になります)

 穂井田清
 STR 12 CON 8 SIZ 11 DEX 12 耐久力 10 ダメージボーナス ±0
 武器:ナイフ 50%、1D4+DB

 この戦闘の間、少女達の悲鳴はくすくす笑いに変わり、まるで穂井田を嘲るようにさんざめきます。この異様な場面に巻き込まれた探索者は、0/1の正気度を喪失します。

 取り押さえられた穂井田は、「おまえが玉座と帝国を奪ったんだ。呪われよ。黄衣の王の王冠を戴く者は呪われよ」と金切り声をあげ、気絶します。
 その後、穂井田は駆けつけた官憲の手に渡り、精神病院へ送られた後、死亡します。