罪を孕みし堕落の子ら ハンドアウト
シナリオのハンドアウト
シナリオ内部での使用されるハンドアウトです。
異端派の修道士たちが密かに信仰する神「Y」について書かれた山田の手記です。
前半部分についてはなんとなくまとまった内容であり、読める内容ですが、後半は夢日記に近い状態で、妄想と現実と夢が混ざり合った奇怪な内容となっています。
この『山田の日記』を読んだ場合、正気度ポイント喪失は1/1D3。〈クトゥルフ神話〉に+1%。
<呪文:Yの退散>が習得できます。
呪文:Yの退散
この呪文はイゴーロナクを退散させることができます。
通常の呪文の習得には魔道書の研究に伴う、長い時間が必要とされますが、今回は資料がまとめられたものをなぞり、また呪文自体が簡単なものである為、1時間もあれば習得できます。
この呪文は、1D10点のMPと、1D10点の正気度を代償とし、山田の日記に書かれている手順を踏む必要があります。
この曖昧な呪文は、イゴーロナクの正しい発音が不明のままこの呪文を唱えても効果を発揮し、その場合はPOW×5%のロールに成功する必要があります。。
(イゴーロナクの正しい発音を知っている場合は、100%の効果を発揮します)
この『Yの退散』は、「イゴーロナクの情人」にも全く同じ効果を表します。
古い日付のファイルには、まだ神学者としての学究の徒である山田の研究の手記となっています。
異端の修道院から持ち出された11冊の外典を東奔西走し熱心に収集する様子が書かれています。
(以下、日記の一部抜粋)
『200×年1月×日』
現地取材で出会った好事家より、面白いものを買わないかと持ちかけられる。
灰緑色の石に荒々しく彫られた『口のある手の像』だ。19世紀作のものらしい。
「崇拝された手の像」とでも呼ぼうか。
例の修道院が魔女狩りのようなものにあったときに、逃げ出した修道僧が残したものだという。
オリジナルではないが、おそらく本物に近いものであると確信できるものだ。
実際に、後世になってからはカルト教団が崇めていたこともあるらしいが、多くの時代は個人の手を渡ってきたものらしい。
貴重なものなのは分かるが、高価すぎる。学部の予算を改竄するか、借金で対応する必要がある。
『200×年10月×日』
ある聖書の写本、古文書より、修道士たちの神の名を発見する。
秘密の天使として密かに記載されている。天使とは言うが、ほぼ神と同列に描かれている。
この修道士たちは異端というよりも、原始的な土着信仰と言うほうが近い。
崇拝、信仰の対象ではあるが、その名が呼ばれることは忌まれる。神の名前を呼ぶことはすなわち神の災いを呼ぶことである、とある為、神の名は直接記さず、Yとする。
『201×年8月×日』
Yへの対抗手段が、大英博物館に収蔵されている禁書に書かれているらしいと聞いた。
それも藁をも掴むような話だが、対抗手段を揃える必要がある。
金はいくらかかっても構わない。早急に調べさせよう。
また、資料を作成しなければ。
『201×年10月×日』
英国から、件のYの対抗手段を入手した。
効果があるかは実際に使ってみなければ分からないが・・・。
もしものときに備え、これを記載しておく。
依代を破壊し、炎で浄化した後、清浄な水を振りかけ、呪文を唱えよ。
イア、イア、イ×××××、フタグン
黙示録の大いなる君主。白熱に輝く無頭の巨人よ。
御柱の望む終末は星霜の彼方なり。わが魂を供物とし、壁の向こうへ帰らんことを。
メスギ オー ディゴフノン フガナグン
『201×年12月×日』
何故私が大学を辞めなければならない?
私は崇高な研究を進めているだけのはずなのに。
Yへの理解は日増しに高まっている。そのうちにまとまった形で論文が出せる。
そのあかつきには、私は研究者としての名声を得ることができるはずだ。
新しい日付のファイルは山田の日記のようですが、曖昧な記述が多く、内容を理解するのは困難です。
(以下、日記の一部抜粋)
『201×年1月×日』
毎夜、同じような夢を見る。
私は真っ暗な洞窟と思しき場所をずっと歩きまわっている。
私の前には例の灰緑色の『口のある手の像』が身をよじりくねらせ、私の行くべき方向を指し示す。
やがて、どこかの地下深くにある煉瓦造りの壁に辿りつくのだ。
その先になにがあるか知っている私は、白く輝く暗闇に続く壁の合い間を抜けていく。
『日付不明』
地下深くに広がる白く輝く暗黒の、煉瓦の向こう側の世界で、子供たちが踊り狂う中、私は頭のない修道士から教えを受けている。
彼は、私が最も知りたかった秘密を囁いている。
これは天啓に違いない。
例の12冊目の内容だ。それは失われた12冊目だ。
『日付不明』
毎夜の夢の内容を記す。
眠りとげんじうてゃ曖昧だ。きgつk」ときじゅつがすすんでい
『日付不明』
わたしのもkしろくががかn成した、いますぐよみあげねば
(以降は聖稜学園の女子生徒や、同僚の女教師、あるいは男子生徒にまで欲情の吐露と、様々な猥褻な、犯罪行為の実行計画について事細かに延々と語られている)
「地下世界の夜闇の深淵を越えて、一本の通路が堅牢な煉瓦の壁へと通じている。そしてその壁の向こう側では、ぼろをまとう眼の無い闇の従者に仕えられてイゴーロナクが立ち上がる。壁の向こう側で長きにわたって彼は眠り続けた。煉瓦を越えて這いずる者が彼の上を通り過ぎても、それがイゴーロナクだと知る事は決してない。だがその名が語られ、あるいは読まれる時、イゴーロナクは礼拝されるために、あるいは喰らい、その者の形と魂を帯びるために歩み出る。何故なら邪悪について読み、その姿を自らの心の内に探し求める者達は、邪悪を呼び寄せるからである。かくしてイゴーロナクは人の世を歩くために帰還する事が出来る。そして彼は待つ。地上の世界が一掃され、クトゥルフが海藻に覆われた彼の墓標から起き上がる時を…」
「我を知る者は我を見出すだろう。たとえ無意識のうちにであろうと、我に仕える者は我を引き寄せるであろう。その肉体は試練を受け、それに快楽を感じるならば、我を受け入れる事ができる。我が情人となるに値すると知れた者には、死も良心の呵責もない、快楽と苦痛に満ちた世界が待ち受けている。これこそがイゴーロナクの御言葉である」