罪を孕みし堕落の子ら 導入部 学園生活

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導入部

 シナリオの導入部、学園生活の場面となります。
 キーパーはこの導入部において、多数登場するNPC達を印象付けるとともに、本格的な探索の開始とともに、探索者同士がいきなり殺し合いに発展しないように、その関係性を築く必要があります。
 また、様々な情報を最初にある程度出しておく必要があるので、その点にも注意してください。

シナリオの舞台

 シナリオの舞台は、岡山県の江津森玄武郷頸無村(ごうつもり・げんぶごう・くびなしむら)にある全寮制の高校、聖陵学園となります。
 頸無村は廃村となっており、実質的に聖稜学園以外には何も無い、という環境です。その為、聖稜学園内には生活に困らないだけの施設が一通り揃っています。
 また、こういう環境である為に、広く(問題がある)生徒を受けていることで有名になっており、一部では監獄学園などと噂もされていますが、そう言った生徒はごく一部であり、実際は退廃的な夢見るように無気力な学園、というのが正解です。

 学校から最寄の人里、江津森黄土(ごうつもり・おうど)まで降りるには、車で3時間掛かり、都会らしい都会の岡山県津山市に出るには、そこからさらに4時間掛かる為、総計7時間の車での移動が必要となります。

 学園の内部では携帯電話は使用できません。あまりにも田舎すぎて、電波が届かないのです。
 特別な処置として、学園のカフェでWi-Fiが使えるようにはしてありますが、そこに人が集中する為にかなり通信状態は悪いものとなっています。
 また、一部、ごく弱くではありますが、電波が届く場所も存在しています。しかし、それは生徒、教師ともに知れ渡っている為、秘密の通信場所には程遠い状態となっています。

転校生

 PC1が転校してくる場面です。PC3の教師が主導で、演出を行ってください。
 また、「近くに学校の社会見学があるから、そこでみんなとの交流を深めることができるだろ」ということも伝えるようにしてください。

火葬場の噂

 どこかのタイミングで、《アイデア》ロールに成功すると、学園の裏の山に大きな煙突を持った建物があることに気が付きます。
 現在の聖稜学園の生徒はほとんどその存在を忘れるほどの建物ですが、以下の情報を小糸融あたりから伝えさせてください。

「あれは昔あった火葬場だよ。
 変な話だけど、巨大な葬儀施設を併設した巨大な火葬場で、村興しをしようとしたらしいんだけど・・・、見事に失敗して、村は廃村、火葬場は閉鎖。
 で、その後にあそこを買い取って、改造して棲もうとした物好きがいたらしいけど、今は捨て置かれた廃屋らしいよ。
 ま、今はおきまりの怪談の舞台だね。
 生徒が何人か行ってみたらしいけど、土砂で埋まってたり、内側から溶接やら釘やらで閉鎖されてるらしいよ」

山田一博の事件

 このパートは、PC3が居ない場合のみ行ってください。
 PC3のハンドアウトにある以下の情報を、学園内にある噂としてどこかから聞く場面となります。

『山田一博事件』
 元は『東京』の大学の准教授で、その後、事件を起こして大学に居られなく、聖陵学園につてで就職したらしい。
 その後、しばらくはおとなしくしていたが、この娯楽の少ない山奥のせいか、1年ぐらい前にまた女生徒に対するストーカーや、痴漢、強姦まがいのセクハラ事件を起こし、学校を馘首になり、その後に24件の強盗・強姦・致傷事件を起こし、岡山県警から指名手配、最後は行方不明になったとのこと。

 世間を騒然とさせた元大学准教授の失墜と凶行は、全国ネットのマスコミでも面白おかしくとりあげられている。

 警察も捜索中だが、特に手掛かりらしいものを発見できていない。
 まだ岡山県内、しかも江津森に潜伏しているのでは、という噂がある。

学園生活

 このパートでは、悪徳持ちのNPCの紹介を行います。
 キーパーの好みで、社会見学のイベントまでの間を、学園生活を演出しながら、下記のような場面を挟み込んでください。
 このパートで、ある程度PC間の関係性や、PC2、PC3の持つハンドアウトの情報を交換してもよいでしょう。但し、ハンドアウトを直接渡す、ということは避けてください。

神野組

 転校してきたばかりのPC1に神野が声を掛けてきます。
 ただ、言葉は親切ですが、実際はあまり積極的に気に掛けてくる様子もありません。
 もしも、《心理学》のロールを行い、成功した場合は、彼は親切に見えますが、実は『傲慢』であることに気が付きます。
 ところどころで、黒井のほうがフォローを入れてくれ、譲葉は茶化しにくるのと、神野に近寄るな、的な雰囲気を醸し出します(彼女の『嫉妬』は、主に女性に向けられますが、男性も範疇内です!)。

井野組

 井野と滑川、小幡が戯れているのを見ます。
 傍目から見るとよくつるんでいるようですが、どうにも小幡がたかられたり、パシリに使われているように思えます。
 井野が『強欲』なのは見ていても分かることですが、《心理学》のロールに成功した場合、小幡が今の不当な扱いに対して憤懣やるかたない、『憤怒』を抱いていることに気が付きます。
 ここで、PC2が解説してくれるとそれっぽい感じになりますので、そういったことをキーパーは心がけてください。

小糸融

 PC2の友達である為、何かと付いて来ますが、影が薄い存在です。
 ただ、社会見学の直前の直前に「ちょっと相談があるんだ」、というようなことを言います(具体的な相談の前に、社会見学は発生しますが・・・)。

南条

 俺に構うなというオーラを発している、遠巻きに女生徒等が噂している、という場面を演出してください。
 彼自身は、何もかもしない、非常に『怠惰』なようにしか見えません。

赤澤

 学園の『色欲』魔として紹介してください。
 見かけた場合、男性は一切相手にしません。彼が男性に声を掛けるのはよっぽどな用事か事情があるときだけです。
 学園の内外で見かけても、常に女生徒と一緒にいるか、あるいは声を掛けているかのどちらかになります。

太田

 時間と場所を問わず、常に何か食べていることを演出してください。

クラスのイベント

 いわゆる社会見学、職業体験みたいな課外授業です(詳細はキーパーが決めてください・・・)。
 2年生で1クラスづつバスに分乗し、津山に出て、そこで行う予定になっています。

 ところが何かトラブルがあったのか、探索者のクラスのバスの運転手が遅れており、最後の出発となります。
 バスが走り出し、学園が見えなくぐらいまで進んだ後、《アイデア》ロールを行わせてください。
 成功した場合は、今度はバスがかなり遅く走っており、前を走行しているバスがすでに見えない、かなり先に行ってしまっていることに気が付きます。
 そして、学園が完全に見えなくなり、ある程度山道を進むと、運転手は突然ハンドルを切って、狭い山道を猛スピードで走行を始めます。

 ここで探索者が強硬手段として運転手を張り倒す等の行動に出る可能性は高いですが、山道を揺られながら、しかも相当なスピードが出ていることを勘案し、そもそも立っていられるような状態でもない、と伝えてください。
 何らかの行動に対しては、基本的にその揺れから-40%程度の修正を課し、運転手はちょっとのダメージでは止まりません。
 あるいはキーパーの判断でこの部分は流してしまうのも可能です。

 バスはそのうちに道なき道を走り始め、そして森が切れ、開けた瞬間、崖から飛び出します。
 少しの浮遊感の後、落下を開始します。
 まず、《幸運》のロールを行い、成功した場合は、続くダメージが1/2になります。
 次に、《跳躍》のロールを行い、成功した場合は1D6、失敗した場合は2D6のダメージを受けます。
(耐久力が低い探索者が存在する場合は、《跳躍》時のダメージを0/1D6に変更をした方がよいでしょう)

 耐久力へのダメージに関わらず、バスの落下の衝撃により、探索者を含めたバスの乗員は皆、意識を失います。