はじめに
本シナリオは、『クトゥルフ神話TRPG』向けであり、舞台として大正時代『クトゥルフと帝国』あるいは、本『帝都モノガタリ』を対象としているシナリオです。
プレイヤーの人数は4〜5人、作り立ての探索者を想定したデザインとなっています。
プレイ時間はキャラクターの作成を含まず、5〜6時間程度を想定しています。
本シナリオは2016/10/22に開催されたEggPorch関西の為に作成したもので、お祭りシナリオとなっています。
派手な展開…、になるかはキーパーと探索者次第ですが、派手になる可能性と、派手な正気度喪失が多めに発生します。継続探索者向けではなく、同時に継続するのも難しい、基本的に単発となることを想定しています。キーパー、プレイヤー各位においてはご認識ください。
はじめる前に
実際のセッションを始める前に、これらのことに注意するか、プレイヤー達に直接告げてください。
シナリオの傾向
このシナリオは調査と殴り込み(!)あるいは、スニーキングミッションが中心になる探索となります。
地味な展開とアクションが混合したシナリオで、やはり最後に派手な展開が用意されています。
この為の準備としての探索はもちろんですが、戦闘に向けた準備も怠らないようにしてください(単純な戦闘でなく、スニーキングミッションとなる可能性もあります)。
毎度ですが、「謎は解かれなければならない」必要はありませんが、「手がかりは提示する」必要はあります。
情報は全て出し尽くす、というのが理想的ですが、探索者の選択、行動によって得られない情報も発生することでしょう。ある程度、キーパーの方から誘導、あるいは具体的にこうすれば?と提示することも必要になってきます。
本シナリオはいわゆる箱庭型です。探索者が次の一手に迷う展開が発生する可能性が高い為、キーパーは探索者を誘導するほか、随時、休憩を取ったり、探索者としてではなくプレイヤーに対して疑問は無いかなどのセッションをスムーズに進める手段を講じてください。
探索者の作成時の注意、立場
このシナリオでは探索者の作成時にハンドアウトが存在しています。
これらのハンドアウトは特に秘密ではありませんが、裏面の内容は直接他の探索者に見せないようにし、探索者の言葉で語って情報を共有するようにしてください。
こちらと同じ内容です。
PC@ 帝都に住む若者 推奨職業:学生、書生(若い方がいい)
※EDUにより年齢が決まる為、キーパーと相談してEDUを低下させるものOKです。
貴方は幼い頃の記憶がない。今の親もおそらく育ての親であり、生みの親ではない。
貴方は記憶がないことにより、自分のルーツを辿ることを望んでいる。
そんな貴方の前に、幼馴染だと名乗る女性が現れる。
目的と秘密:
貴方は何故か月が怖い(恐怖症というほどではない)。
貴方は自身が江津森の出身であることを知っているが、それ以上のことは分からない。
貴方の目的は過去の記憶を辿ることである。
貴方の行動に応じて、随時、キーパーから記憶を辿るハンドアウトが渡される。
PCA 探偵、警察関係者 推奨職業:探偵、警察官、特高(肉体派)
貴方は現在、『月光事件』と呼ばれる浅草で起こる不可解な事件を追っている。
浅草の人ごみにおいて、急に人が消えるというのだ。目撃者が多いはずなのだが、ほとんどおらず、少ない目撃者もただ「月が奇麗だった」と訳の分からないことを証言している。
貴方はひとまず浅草に向かうことにした。
目的と秘密:
貴方は実は特務機関『K機関』(デルタグリーン的な抗神話組織)の協力者である。
(外部の協力者である為、特別な権限や情報源があるわけではない。調査して報告するだけである)
貴方の目的は『月光事件』の解決である。
貴方が充分な証拠を揃えて機関に報告することで、機関が秘密裏に事件を処理してくれる。
PCB 医者、医療関係者 推奨職業:医者
野呂猛は貴方の古くからの親友である。彼は岡山へ旅行の後、体調を崩している。
しばらく彼の姿は見なかったが、貴方の前に現れて診察を要求した。
そして、その後、彼は行方不明になってしまった。あなたは彼の行方を捜している。
目的と秘密:
貴方は野呂猛を助けること以外に、彼が患っていると思われる病気にも興味がある。
貴方の目的は野呂猛を探し出し、可能であればその原因を探り、治療をすることだ。
PCC 出版、報道関係者 推奨職業:記者
貴方は帝都で起こる怪異、オカルト的な話題、都市伝説を扱う出版社「怪想社」の関係者である。
現在、帝都で話題になっている『月光事件』の調査をしている。
目的と秘密:
貴方は実は近しい人(家族、恋人、その他、自由に設定して構わない)が、『月光事件』に巻き込まれている。
貴方の目的はその人を救出することだ。
PCD その他
貴方は他の探索者の関係から探索に駆り出されている。
今回も、自身が『月光事件』に興味を抱くとともに、同じ事件を調査しているPCA、PCBに協力している。
目的と秘密:
貴方に秘密はない。
貴方の目的は事件を解決し、他の探索者を助けることだ。
探索者同士の関連付け
基本的に自由です。シナリオに参加する理由付けを作るようにしてください。
プレイヤーから提案を積極的に受け入れて、シナリオに参加する理由付けを作成するようにしてください。
狂気についての注意
今回のシナリオでは、終幕部より前に、探索者が狂気(一時的、不定とも)に陥った場合でも、それは発症しません。
この狂気は潜伏したものとして扱われて、その場では『精神的に大きなショックを受けたが、支障なく行動できる。だが、後から何か影響が出るかもしれない』と伝えてください。
これらの狂気は、江津森の御山の地下の迷宮に踏み込んだ場合に、発症、影響を及ぼします。
キーパーは時が来たら、狂気のハンドアウトを該当する探索者に渡すようにしてください。
これらの狂気は≪精神分析≫によって治療可能です。その場合、顕在化していない狂気を治療する為、1日を掛ける必要があります。