シナリオは様々な小さな事件によって構成されています(これをそれぞれスレッドと呼びます)。
事件は最終的には『終幕』スレッドの一つへ集約されますが、それまでは別々の事件の様に展開していきます。
少々把握しにくいかと思いますが、大きな事件が引き起こす、様々な小さな事件が起こり、そして一つに収束していくものと考えてください。
一度、時系列に沿ったシナリオのチャートに目を通して頂ければ、流れは把握できるかと思います。
スレッド毎や、シナリオのチャートは単なる指針程度です。キーパー自身の判断と力量を発揮して、シナリオを自由に引き回してください。
また、キーパーによっては、いわゆるシーン割りの概念持ってシナリオを運用すれば、より効率的にシナリオが運用できるかもしれません。
一つのスレッドをどんどん進めるのではなく、なるべく平行して進めるのが良いのですが、ボリュームのあるスレッドを先に進めることも重要です。
スレッド毎では時系列に沿った流れになっていますが、そのスレッド以外と絡む場合は時系列を合わせるか、キーパーの判断(いわゆるアドリブ)でなんとか切り抜けてください(決してプレイヤーの前で、「しまったッ!」と叫んだり、「げぇっ・・・・・・」と呻かないようにしてください(笑))。
また、NPCが多く登場する為、キーパーはその演じ分け、個性を印象付けるようにしてください。
スレッドA 天文台
PCの一人、女学生PC(の父親、教授)が中心となる天文台絡みのスレッドです。
新たな天体を発見した、という教授と、そこへ持ち込まれた『天球音楽受信装置』にまつわるスレッドです。
事件、というよりも、事件の裏、あるいは真相に近い部分をPCたちへ提示するスレッドとも言えます。
PCの行動とは無関係に、時系列とともに自動的に進展していきます。
スレッドB 黒澄綾
女学生PCと同じ女学校に在籍しています。
彼女自身の意志ではないものの、その奏でる『天球音楽』が、それを聞く女学生達を狂気に導くと共に、事件へと巻き込まれるきっかけとなっていきます。
シナリオ中、『天球音楽』は完成に近づいていき、そして最終的には『グロスの接触』と同じ効果を持った完全なる『天球音楽』が奏でられます。
このスレッドはその過程を追うものです。キーパーは注意して、(特に終盤の展開を)進めるようにしてください。
スレッドC 山県雅子
女学生PCと同じ女学校に在籍しています。
事件の発端の一つは、彼女の『天球音楽』による狂気の伝染です。
雅子自体は単なる被害者で、狂気に蝕まれている為、自宅療養をしていますが、自宅からの脱出を図り、そのまま誘拐されてしまいます。
スレッドD 馬場晴香
やはり、女学生PCと同じ女学校に在籍しています。
こちらも事件の発端の一つで、最初から『天球音楽』に蝕まれているとともに、誘拐されて行方不明になっています。
晴香は終盤で「狂人故の鋭敏さ」で誘拐元から抜け出し、黒澄綾の『天球音楽』を聞きに来ます。
スレッドE 『星の再臨会』
表向きは異端的な教義を唱えるカトリック教会ですが、事件の黒幕、あるいは『天球音楽』によって踊っているカルト教団です。
真田幸の論文と、独自に入手した『グラーキの黙示録第5巻』『天球音楽受信機』により、『グロス』との接触を図っています(あるいは図っていると信じています)。
『天球音楽』を詠う巫女として、帝都の少女達を誘拐しており、行方不明事件の真犯人です。
最初は手当たり次第、その内に黒澄綾の『天球音楽』の影響を受けた少女達、そして黒澄綾自体を誘拐します。
また、誘拐に関わる他(と言うよりもこのスレッドのメインは)、彼らが不完全ながらも奏でる『天球音楽』や、あるいは『天球音楽受信機』による音楽の流出により、周辺住民は精神的に異常を来たし、様々な事件を引き起こします。
『星の再臨会』は徹頭徹尾、怪しいカルト集団です。その為、探索者たちが強行手段に出ることが十分に考えられますが、最終盤になるまで、踏み込ませないようにしてください(警察等に訴えても証拠が無い為、動いてもらえません)。
スレッドF 真田幸
真っ白な容疑者、真田幸です。
女学生PCの女学校の教師をしています。
名前だけ出て、かなり怪しげに見えますが、事件には一切関わっていません(発端となったその論文を書いているだけです)。その登場を遅らせれば遅らせるほど疑念だけが募っていきます。
早めに登場させても構いませんが、終盤で登場させ、探索者達の疑念に一気に応えるようにしてください。
スレッドL 終幕
全てのスレッドが集約するスレッドです。
・・・・・・まあ、実際には『星の再臨会』スレッドなのですが、最終的な黒澄綾の誘拐によって(基本的には)全スレッドが停止し、終幕スレッドが起動します。
終幕では、『星の再臨会』への突入、そして完全なる『天球音楽』が奏でられることになります。