山羊の花嫁 終幕部

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『山羊の花嫁』目次:
■はじめに
■背景情報(KP向け)
■登場人物(NPC)
■シナリオのチャート
■導入部
■八出村の探索
■八出村の神事
>終幕部
 □山羊の花嫁
 □『神の寝所』
 □その他の終幕部
 ・鞠枝とともに逃げる
 ・『山の神』に対策する
 ・『神の寝所』を封鎖する
 □事件の後
 ・『山の神』を撃退し、鞠枝を助けた場合
 ・『山の神』を撃退したが、鞠枝も犠牲になった場合
 ・『山の神』から逃げ出した場合
 ・『山の神』の撃退に失敗した場合
 □正気度の報酬
■データセクション

終幕部

 終幕部は、それまでの探索者たちの行動によって分岐します。
 あるいはキーパーの判断で、『山の神』が出現しないパターンも検討してよいでしょう。

山羊の花嫁

 神事の翌日、直来の後に鞠枝が『神の寝所』に赴ている場合か、村の神社に残っている場合になります。

 夕暮れに大きな月が昇ると、村人たちが一斉に動きを止め、そして森を見ます。
 森の中から何かが這い出す気配が村中を包み、村人たちは我知らず、神社の前、『休閑地』へと集い始めます。
 探索者達も、おかしな様子の村人たちに従うか、直会でヤギを食べている場合、POW×5に失敗すると何故か『休閑地』へ誘導されてしまいます。
 鞠枝が神社に残っている場合、彼女も誘導される中に混じって『休閑地』に姿を見せます。
 以下の描写を行ってください。

 満月の下、山羊にも似たものが『御山』の麓の暗い森の片隅から、麦畑へと出てくるの見て、村人たちは恐怖に凍り付いた。
 そいつは山羊に似た印象を受けるが、全く異なるものであった。
 全身が黒く、触手か、太い剛毛のようなものに覆われていた。角の代わりに一際太い触手が生えた、山羊で言えば顔にあたる部分には、大きく縦に裂けておりその間から赤い目が辺りを睥睨している。
 脚と思しきものをいくつも持っており、その先には蹄らしきものが付いていたが、歩くのではなく這うように汗と欲望をまき散らしつつ、麦畑を渡って『休閑地』へと向かってきている。

 鞠枝が『神の寝所』に赴いている場合は、下記の描写を続けてください。

 しかし、そいつ以上に恐ろしかったのはその『花嫁』の顔であった。裸でそいつの背中に跨るその表情たるや、とめどない喜悦の生ける見本であった。

 鞠枝が神社に残っている場合は、下記の描写としてください。

 ゆっくりと進んでくるそいつを、『花嫁』は『休閑地』で待ち受けていた。
 両手を広げ、とめどない歓喜の表情を湛える『花嫁』の顔は、そいつ以上に恐ろしいものだった。

 この恐ろしい『山の神』の姿(と鞠枝の様子)を目撃した場合、1D4/1D12+1の正気度を喪失します。探索者が鞠枝との関係が深い場合は、さらに正気度の喪失が+1されます。

『山の神』、麦畑の中を歩むもの、斑の仔山羊
STR 30 CON 60 SIZ 35
INT 15 POW 20 DEX 10
DB+3D6 移動 8 耐久力 48
武器:
 踏み潰し 80% 1D6+DB
 触手   50% 1D4+組み付き、1ラウンドに1D6回
 丸呑み  自動 特殊(組み付きに成功した相手に行う)
装甲:
 なし。但し、貫通を起こさない(通常通りのダメージは与える)。毎ラウンド1D6点の耐久力を再生する。
 火器や火、電気等による熱のダメージを受けた場合、戦闘中にその傷は回復しない。
 寝所の外で『山の神』は満月の光が無い場合、1ラウンドにつき1D6の耐久力を自動的に喪失し、耐久力の再生ができない。
技能:
 忍び歩き 70%、森に隠れる 80%
呪文:
『山の神』は生命、天候に関わる呪文を全て知っている。
この他、『シュブ=ニグラス』、『ムーンレンズの番人』との接触、招来、退散を知っている。
正気度喪失:
『山の神』を見て失う正気度は1D4/1D12+1。

 丸呑みされて助け出されなかった対象は、『山の神』の中で意識を失った状態で溶かされもせずに保存されます。棲み処へ帰ってから犠牲者は吐き出され、その後その中で『ゴフン・フパージ・シュブ=ニグラス』への変異が始まります。

『山羊の神』に対してどう対処するかは探索者次第です(もちろん、逃げても構いません)。

 素直に殴り合う選択肢の場合、周りにいる村人たちの協力を仰ぐといった展開でもよいでしょう。その場合は、彼らを≪精神分析≫で正気に戻す必要があります。あるいはキーパーの判断により≪雄弁≫的な技能に成功することで村人の煽動に成功したとしてもよいでしょう(村人たちの大半は、鞠枝の捜索の為に灯りを携えており、それらは松明か提灯を利用しています)。

 神が降りてきた麦畑ごと焼き払う場合、距離を取れば安全ではありますが、鞠枝が神の背に居る場合は神とともに焼き殺す可能性もあります。この場合は、助け出す手段を考える必要があります(鞠枝を見捨てて一緒に焼き払った場合は、1/1D6の正気度を喪失します)
 神の背に居る鞠枝は自らの意志で『山の神』の背に身を預けている為、コミュニケーション系の技能によってそこを降りることはありません(探索者が特に鞠枝と仲良くしていた場合は、キーパーの判断により呼びかけることによって自ら降りることがあってもよいでしょう)。この為、『山の神』に接触可能な距離まで近づき、≪登攀≫でその背に登り、STRの対抗判定で引きはがす必要があります。

 生贄を受け取りに降りてきた『山の神』は、鞠枝と「直会でヤギを食しているもの」を対象に丸呑みを行い、合計SIZが20を越えるまで続けます。生贄を十分に受け取った『山の神』は再び、森へと帰っていきます(鞠枝を背に乗せたまま!)。
 鞠枝が『休閑地』に居る場合、彼女は探索者達も目に入らない様子で、積極的に『山の神』に丸呑みされようとします。

 探索者が逃げ出そうとした場合、直来でヤギの肉を食していなければ問題なく逃げられます。
 食している場合は、『山の神』の意志に反する為に、POWの対抗ロールに失敗すると『休閑地』から逃げ出すことはできません。
 ただし、逃げられないだけで抵抗する意思は残ります。

『神の寝所』

 神社、『休閑地』、麦畑、『御山』の位置取りから、『神の寝所』を割り出すか、神事の夜に抜け出した鞠枝の後を付けた場合等、『神の寝所』を発見します(キーパーの判断で、鞠枝の行方不明後に『御山』を探していた時に発見してもよいですが)。
 森の覆われた急斜面に『神の寝所』となる洞窟の入り口を発見します。
≪アイデア≫に成功すると、入口が3m以上あるかなり大きな穴のはずなのですが、「何故かこの洞窟が発見しにくい」ことに気が付きます。
 探索者がこの洞窟へ足を踏み入れると、まず洞窟の床が何かに掃き清められたかのように奇麗になっていることに気が付きます。
(これは、『山の神』や水蛭子が這いずって出入りをする為に、洞窟の床が奇麗になっているのです)
 十分な明かりがあれば、鞠枝がすでに入り込んでいる場合、その痕跡も発見できます。

 洞窟の奥からは村でよく嗅いだヤギの匂いよりも濃厚な、同時に古びたものが漂ってきています。≪聞き耳≫によって、洞窟の奥から何かの生物が這いずっているような音が聞こえてきます。
 探索者が奥へ進んだ場合、しばらく経つと洞窟が急な下り坂となり、ヤギの匂いもさらに強くなります。
 それでも構わず進んだ場合、さらに勾配は急になる為、≪登攀≫×2か、DEX×5を探索者に要求してください(失敗すると、どこまであるか分からない坂を転げ落ちることになる、と事前に警告してください)。
 ロールに成功した場合は時間は掛かりますが、何事もなく降りることが出来ます(ヤギの匂いは相当ひどいことになっていますが)。
 失敗した場合は坂を転げ落ちることになる為、2D6の耐久力を喪失します(≪跳躍≫による軽減は可能です)。

 坂を下った探索者は高さが10m、幅が5m程度もある巨大な両開きの、おそらく金属製の扉の前に立っていることに気が付きます。
 扉はしっかりと閉じておらず、少しだけ隙間が空いています(SIZが8未満ならば、無理矢理すり抜けられそうな幅です)。
 その向こうからは何かが蠢く気配と、ずるずると這いまわるような音が聞こえ、そしてさらに濃厚なヤギの臭いが漂ってきます。
 探索者が向こう側へ無理矢理行こうとした場合、SIZが8未満の場合は特に問題なく扉をすり抜けることが出来ますが(もしも、緊急事態が起こって急いですり抜けようとした場合、1R掛かるとともに、そのラウンドは身動きが取れないことを事前に探索者に告げてください)。
 SIZが8以上ある場合、その差分とのSTRかDEXの対抗ロールが必要となり、ロール自体は1回だけですが、さらにその分だけすり抜けるのに時間が掛かるようになります(当然ですが、隙間は1人ずつしか通れません)。
 探索者がこの対抗ロールに失敗した場合、扉に挟まったままになるとともに無理に身体をねじ込んだことで耐久力を1点失います(再ロールは可能です)。
 探索者がこの場所に入り込んだ場合、以下の描写を行ってください。
 異様な内部の風景を目撃した探索者は1/1D6+1の正気度を喪失します(ヤギの分込みで、改めてヤギを目撃しても正気度は減少しません)。

 固い地面に立っているはずだが、ふわふわと宙を浮いているようにも感じられる。
 ここでは遠近感が失われているようだった。見えるものが巨大でかつ遠方にあるのか、それとも微小でかつ手の届く程近くにあるのかすら全く確信が持てなかった。
 だが、そこを住処とするもの達の姿形はより明確になっていた。ヤギに似た生物であるそいつらは、半透明な白褐色で半ば溶けたようになっているものから、五体満足に近いものまでいる。
 一様にそいつらは足腰が立たない仔山羊のようにぶるぶると震えながら這うように移動しており、それら全てがどこかに違和感があり、手足が奇数であったり、極端に体のバランスがおかしかったりしたが、そいつらは間違いなくヤギだった。

 ヤギたちは探索者に気が付くと、ずるずると溶けたような身体を引きずりながら、ヤギに似た濁った鳴き声を上げながら何かを求めるように近づいてきます。

溶けたヤギ、水蛭子
STR 10 CON N/A SIZ 1~6 INT N/A POW N/A DEX 3
移動 4 耐久力 N/A DB N/A
武器:
 張り付く(組み付き) 30%、なし
 同化する(組み付き後) 自動、1D4
装甲:
 なし。洞窟内に居る場合、あらゆる物理的なダメージは1ラウンドで回復する。
呪文:
 なし。
正気度喪失:
 溶けたヤギを見て失う正気度は、0/1D3です。

 溶けたヤギを避けるのには、DEXの対抗判定か、≪回避≫を行ってください。
 溶けたヤギは物理的な攻撃が通用しません。形を変えるだけでダメージにならないのです。

 探索者がさらに奥へと進んだ場合、溶けたヤギの数が増え、そして最早ヤギとも呼べない、ただのゼラチン質の澱んだ塊のようなものが這いずり回っているのを目撃することになります(溶けたヤギと同種のものである為、新たな正気度の喪失は発生しません)。
 洞窟の奥へ進む場合、ヤギの匂いに加えて生きているものではなく、死んで腐ったものが溜まった澱みのような臭いが加わります。この異臭は強烈であり、CON×5のロールに失敗するとあまりの匂いにふらふらとしてしまいあらゆるロールに-20%のペナルティを受けます。
 この匂いに耐えて探索者達が洞窟の行き止まりと思しき場所まで来た場合、以下の描写を行ってください。

 そこは天井が見えないほど高い空間で、同じく広さも分からない。この洞窟の中全てがそうだが、遠近感が失われておりこの空間自体にまるで限りが無いように思えた。
 そこの床一面に、枯れて腐った植物の根か、あるいは枝と思しきもので埋まっている。一際目を引くのは、その中心にはそれらが捻じれて積み重なった山のようになっており、ひどい異臭はおそらくこれらが原因だと思われた。
 その前にこの空間には似つかわしくないひどく色の白い、おそらく人間と思しき影が見えた。
 腐った山の前には、一見、眠っているような女性が座っています。その女性の下半身はこの樹木と一体化しており、その間から例の塊がにじみ出る様に生成されています(≪医学≫か、検死に関わる技能を持っている場合、自動的に死体だと分かってもよいでしょう)。この姿を目撃した場合、0/1D4の正気度を喪失します。
 女性を近くで観察すると、おそらく他殺ではないことは見た目で分かります。≪医学≫に成功した場合、この死体はミイラではなく屍蝋化していることが分かります(ミイラは乾燥した死体ですが、屍蝋化は死体の脂肪分が変化して蝋化したものです)。
 探索者が死体か、死体から生える根に触れた場合、死体は目を見開き悲鳴に似た声でヤギの様に啼きます。そして、上半身が折れるように崩れ落ちて、半ば溶けた蝋の塊のように床に広がります。この異様な死に様(?)を目撃した探索者は、0/1D6の正気度を喪失します。

 腐った山は『山の神』の寝床となっています。
 女性の死体が叫び声をあげた場合、『山の神』は目覚めて探索者と対峙します。そうでない場合は、寝床の上で眠ったままとなります。
『山の神』を目撃した場合、以下の描写を行ってください。

 そいつは山羊に似た印象を受けるが、全く異なるものであった。全身が黒く、触手か、太い剛毛のようなものに覆われていた。脚と思しきものをいくつも持っており、その先には蹄らしきものが付いていた。
 頭と思しきところには一際太い触手が生えており、そいつの動きに合わせていやらしく蠢いている。
 その下が大きく縦に裂けており、その間から赤く光る眼のようなものがこちらを見ていると思われた。
 そいつは、大儀そうに乾いた植物で出来た寝床のようなものから離れて、こちらに向かってくるように見えた。

 山の神を目撃した場合、1D4/1D12+1の正気度を失う可能性があります。
 彼は満月の光の下のみ活動的になる為、探索者が寝所に踏み込んできても即座に襲い掛かってくることはありません。
 身を起こして、見るからに気怠そうに闖入者たちを山羊の様なやる気のない声で威嚇します。
 戦闘を行う場合は、山羊の花嫁データを参照してください。
 神の寝床は植物で出来ていますが、湿っている為に燃えにくくなっています。火を点けるには、何らかの可燃性の物質が必要となり、≪幸運≫に成功する必要があります。

 鞠枝が先に『神の寝所』へ入っている場合、彼女は『山の神』と添い寝をしていることになります。
 彼女は積極的に戦闘には参加しませんが、『山の神』にぴったりと寄り添っており、助け出すには≪組み付き≫を行って引きはがす必要があります。そして、その後にSTRの対抗ロールに成功すると『山の神』から引き離すことが出来ますが、その間、それを行っている探索者は無防備な状態で『山の神』の至近距離に居ることになります。

その他の終幕部

 探索の結末の主な展開は、『山の神』が現れるか、『神の寝所』へ侵入するか、の二つとなりますが、探索者の積極的な行動によって、以下のパターンが考えられます。
 キーパーは探索者の行動を考慮するとともに、自身が可能な範囲内で好みの展開をフォローしてください。

鞠枝とともに逃げる

 探索者たちが事件の真相に迫らずとも、村に鞠枝が居ることが悪いことだ、と分かれば、彼女を連れて村を離れようとする可能性もあります。
 この場合、花嫁として選ばれた鞠枝を連れて村をうろうろしていると、当然、村人に怪しまれます。
 また、村を離れる為の唯一の手段であるバスは13時到着する一日一便のみである為、それ以降の時間では徒歩で村を離れる以外にありません。
 キーパーが派手な展開(?)を望む場合、鞠枝を連れて村から出た時点で『山の神』がこれに気が付き、ヤギや、村人を使ってこれを取り戻しに来る、というものでもよいでしょう。
 この場合、『山の神』の影響下にある村人たちの中にある神の一部が活性化して、ゴフン・フパージ・シュブ=ニグラスと化した村人たちからの脱出劇とすると面白いかもしれません。

『山の神』に対策する

 探索者達が手に入れた情報から、『山の神』の存在を確信し、いずれ『休閑地』に現れることを予測して何らかの対策を取る可能性があります。
『山の神』は多足でかつ這いずって移動する為、落とし穴などは効果がありません。しかし、何等かの罠を仕掛けて足を止めさせて火炎による攻撃を行ったり、あるいは多量の酒を呑ませる等は効果があります。
 火炎については、ルールに従ってダメージを与えてください(そして、その傷は戦闘中に再生しません)。
 酒については、村にアルコールの類はあまり存在しませんが、山上家が神事に使った酒を大量に保持しています。これは人が呑むにはひどい味がするビールのようなものですが、神を酩酊させるには十分な量とアルコール度数があります。
 なんらかの手段を持って『山の神』に大量に飲酒させた場合、すでに生贄を丸呑みしている場合はすべて吐き出し、あらゆるロールに1/2のペナルティを受けるようになります。
 ただし、『山の神』は丸呑みを行わなくなり、踏み潰しのみを行うようになります。

『神の寝所』を封鎖する

 あまり考えてないパターンですが、『神の寝所』の入り口は洞窟にある為に、これを崩落させるなどした場合、『山の神』は封印されてしまいます。
 長い年月をかけて洞窟を掘るかするまで、かの神は外へ出ることが叶わなくなります。夢引きという手段は持っているのですが、おそらくその前に八出村が廃村になり、誰も神を掘りだそうなどと思わなくなります。
 この場合、山奥に重機の類を持ち込むのは無理がある為、爆破等の手段に出ると思われますが、事前に山上家や村人に相談すればもちろん止められます。
 また、鞠枝がすでに寝所に入っている場合は、これを先に助け出さないと一緒に生き埋めになってしまいます。

事件の後

 事件の後は、シナリオの結末によって大体以下の様になります。
 探索者自身にその後を下記の方向性で演出させてください。
『山の神』を撃退した場合は共通して、ヤギを村から駆逐して村から祭祀は失われ、同時に麦畑は枯れ果てる為に山上家を中心に新たな産業を模索することになります。
 そして、村人たちの黒い斑点の治療の為に医者を招くことになります。

『山の神』を撃退し、鞠枝を助けた場合

 鞠枝は『山の神』と魅入られたことで大きく正気度が減少しています。この為、いったん村を離れることになり、岡山の大きな病院へ入院することになります。
 探索者達は鞠枝の様子を気にしつつも、小出とともに帝都へ戻り、古井に事件の報告を行います。

『山の神』を撃退したが、鞠枝も犠牲になった場合

 犠牲になった鞠枝は、それにも拘わらず悦楽の中にいる表情を浮かべたまま死んでいます。
 彼女のこの表情を見た探索者は0/1D4の正気度を失い、彼女の身に起こった『山の神』に魅入られる意味を考えることになります。

『山の神』から逃げ出した場合

 逃げ出した探索者達は、その後、八出村が廃村になったと聞くことになります。
 村はヤギが支配する土地となり、村人たちの姿はいつの間にか消えていたと風の噂に聞くことになります。

『山の神』の撃退に失敗した場合

『山の神』に捕らわれた探索者が居る場合、彼、彼女は神の僕、「ゴフン・フパージ・シュブ=ニグラス」として生まれ変わることになります。
 神に奉仕する存在として、八出村の暗い森に潜み暮らすことになります。

 キーパーの趣味と、探索者達に合わせて、次を行うか決めてください。
 鞠枝が『神の寝所』に赴いた後、助けられている場合、事件から半年ほど経ったあるとき、彼女が元気な子供を産んだと聞きます。その生まれた子供は「めええ」と啼いたと言います。
 また、直来においてヤギの肉を食べている場合、その探索者の身体の中には『山の神』の一部が取り込まれることになります。
 ある時、その探索者は身体の一部に黒ずみが出来ていることに気が付きます。それは染みや、打撲の後などではなく、八出村で見た村人たちの特徴と一致しています。
 その症状が進行するか、治るかはキーパーの判断次第です。

正気度の報酬

『山の神』を退散させ、鞠枝を助けた場合、2D6の正気度を獲得します。
『山の神』を退散させたが、鞠枝が助けられなかった場合、1D10の正気度を獲得します。
『山の神』から逃げ出した場合、1D6の正気度を獲得します。