山羊の花嫁 データセクション

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『山羊の花嫁』目次:
■はじめに
■背景情報(KP向け)
■登場人物(NPC)
■シナリオのチャート
■導入部
■八出村の探索
■八出村の神事
■終幕部
>データセクション
 □『山の神』
 □ゴフン・フパージ・シュブ=ニグラス
 □極端な畸形の山羊
 □ヤギ
 □スケープゴート
 □麦角菌と『聖アントニウスの業火』

データセクション

 シナリオ中に使用されるデータや、その他の項目をまとめたものです。

『山の神』、麦畑の中を歩むもの、斑の仔山羊

 シュブ=ニグラスの化身の一つであり、畝の後ろを歩くもの(詳細はマレウス・モンストロルムP.179を参照してください)のような化身か、その落とし仔、黒い仔山羊の変種と言える存在で、やはりその他の化身と同じく生命を司るものと思われています。
 黒い仔山羊と同様に山羊に似た姿を持ち、同時に捻じれた樹木のようにも見えます。
 シュブ=ニグラスが母性的な存在であるのに対して、畝の後ろを歩くものや、ムーンレンズの番人と同じく男性的な存在であり、やはり彼らと同じように満月の光の下でしか満足な活動が出来ず、月光が無い状態ではダメージを受けます。
 この神は非常に怠惰、あるいは機械的な存在で、生贄を求めて寝所を出て山を下りるのではなく、生贄が捧げられることで顕現するのです。
 村の祭祀において、人身御供を受け取る為に『御山』の寝所から麦畑を渡って『休閑地』へと姿を現し、その間に大地に生命力を振りまく為に、村の麦畑に豊作を約束します。

『山の神』、麦畑の中を歩むもの、斑の仔山羊
STR 30 CON 60 SIZ 35
INT 15 POW 20 DEX 10
DB+3D6 移動 8 耐久力 48
武器:
 踏み潰し 80% 1D6+DB
 触手   50% 1D4+DB+組み付き、1ラウンドに1D6回
 丸呑み  自動 特殊(組み付きに成功した相手に行う)
装甲:
 なし。但し、貫通を起こさない(通常通りのダメージは与える)。毎ラウンド1D6点の耐久力を再生する。
 火器や火、電気等による熱のダメージを受けた場合、戦闘中にその傷は回復しない。
 また、『山の神』は満月の光が無い場合(満月以外の夜や、昼間)は、1ラウンドにつき1D6の耐久力を自動的に喪失し、耐久力の再生ができない。
技能:
 忍び歩き 70%、森に隠れる 80%
呪文:
『山の神』は生命、天候に関わる呪文を全て知っている。
この他、『シュブ=ニグラス』、『ムーンレンズの番人』との接触、招来、退散を知っている。
正気度喪失:
『山の神』を見て失う正気度は1D4/1D12+1。

ゴフン・フパージ・シュブ=ニグラス

「マレウス・モンストロルム」のP.46を参照してください。

極端な畸形の山羊

 ゴフン・フパージ・シュブ=ニグラスと同質の存在です。
『山の神』に生贄として捧げられた山羊が、生まれ変わったものでヤギよりも『黒い仔山羊』に近い存在となっています。
 この状態でも、普通のヤギと交わって繁殖する為、八出村のヤギ達は『山の神』の汚染が進んでいます。

『山の神』の使い、極端な畸形のヤギ
STR 14 CON 18 SIZ 8
INT 6 POW 12 DEX 14
DB+0 移動 10 耐久力 13
武器:
 体当たり 50% 1D6+DB
 触手   40% 1D4+DB+組み付き、1ラウンドに1D4回
 噛み付き 自動 1D3+DB(組み付きに成功した相手に行う)
装甲:
 なし。但し、貫通を起こさない(通常通りのダメージは与える)。毎ラウンド1点の耐久力を再生する。
技能:
 忍び歩き 70%、ナビゲート 80%、目星 50%、森に隠れる 80%
正気度喪失:
 奇形の山羊を見て失う正気度は1/1D3+1。

ヤギ

 日本固有の山羊は存在しません。基本的には海外からの持ち込みとなり、在来種については東南アジアより持ち込まれたものと言われています。
 また、ヤギは粗食に耐えることから長距離航海にも重宝され、世界の様々な場所に持ち込まれました。
 長崎やそれ以西においては、江戸期にはすでにヤギが飼育されており、明治期において品種改良が進んで家畜用として適したヤギが産出されました。
 八出村の山羊は江戸期に隠れキリシタンによって持ち込まれたもので、その時点では普通の山羊でしたが『山の神』に捧げられたことで、神の一部となってしまいました。
 八出村のヤギは『麦畑の中を歩むもの』の目であり、耳であるので村で起こることはすべて神の知るところではあるのですが、かの神はただ生贄を受け取ることだけに興味がある為に、あまり活用されていません。
 ヤギ達は村では神の使いとして神聖視されており、傍若無人に振る舞います。

放し飼いのヤギ、まだら模様のヤギ
STR 8 CON 12 SIZ 7
INT N/A POW 10 DEX 11
DB-1D4 移動 8 耐久力 10
武器:
 体当たり 30% 1D6+DB
装甲:
 なし。
技能:
 忍び歩き 60%、森に隠れる 70%
正気度喪失:
 目撃しただけでは無し。彼らをよく観察して、知性に似たものがあることに気付いた場合は、0/1。

スケープゴート(生贄の羊)

 神への生贄として血を流す獣として代表的なのが羊です。
 聖書の中でも神への捧げものとして、その他、生贄の羊、アザゼルの山羊などとして山羊を生贄にする儀式、習慣が存在していました。

麦角菌と『聖アントニウスの業火』

 麦角菌とは、極平たく言うと麦や米などのイネ科の植物の穂に寄生するカビ、菌類のことです。
 麦角菌に感染した麦などの穂は黒い色の角、あるいは爪のような形状を形成する為、麦角と呼ばれています。
 この麦角にはアルカロイドが多量に含まれる為、この麦角の付いた麦などを食べることで中毒症状を引き起こします。
 その症状は手足の痺れ、ひどい時には壊死を引き起こし、錯乱や、記憶の欠如、幻覚等をともなう中毒症状に陥ります。
 中世において、普通に食されるパンにこの麦角菌が入ったものが供されて流行し、聖アントニウスに祈ると治ると言われたことから、『聖アントニウスの業火』とも言われました。