山羊の花嫁 導入部

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『山羊の花嫁』目次:
■はじめに
■背景情報(KP向け)
■登場人物(NPC)
■シナリオのチャート
>導入部
 □帝都にて
 ・学校関係者
 ・古井の知り合い
 ・血縁関係者
 ・その他
 □八出村までの道のり
■八出村の探索
■八出村の神事
■終幕部
■データセクション

導入部

 探索者達はそれぞれの理由から八出村へと赴くことになります。
 探索者達が八出村へと赴く動機づけの為、帝都において鞠枝や小出との関係作りを行います(キーパーの判断によって、この場面は省略したり、ハンドアウトとして提示するなどしてプレイ時間の短縮を図ってもよいでしょう)。
 個別の導入についてはキーパー各位に任せますが、以下のような探索者、NPC達の関係を作り、探索への参加、興味を促し、導入を行ってください。

帝都にて

 八出村に戻る前、鞠枝は帝都にある桜嶺女学院へ通っていました。
 体調、精神面に問題があり、様々な医者の面倒にもなっている為、学校生活についてはあまり活動的ではないのですが、校外では意外に忙しい生活を送っています。
 鞠枝との関係を築くとともに、彼女についての初期情報を得ることになります。個別の詳細についてはキーパーと探索者による為、各位にお任せますが、以下のような探索者、NPC達の関係を作り、探索への参加、興味を促し、八出村に行くまでの導入を行ってください。

学校関係者

 桜嶺女学院で教鞭を取っている小出か、在籍している鞠枝と関係があったことになります。
 女学院でぼうっとしている鞠枝を目撃し、その視線の先が『山』に向いていることや、彼女の言動がいまいち要領を得ず、また日常生活に支障があるわけではありませんが、非常に危なっかしい様子を目撃していたことになります。
 キーパーの判断で、適切なコミュニケーション系のロールを行わる等で、彼女と仲良くなったするとよいでしょう(ロールは無い方がよいかもしれません)。
 彼女と仲良くなると、彼女は意外に寂しがりやであり、ホームシックではないですが、意識が故郷の山に向いていることに気が付きます。
 また、民俗学者ですが学院で教鞭を取っている小出が、鞠枝の出身である八出村の儀式について興味を示しており、それを彼女から聞き取っている場面などを目撃するのもよいでしょう。

古井の知り合い

 パトロンとして古井と関係があることになります。
 古井は小出とも知り合いであり、彼のパトロンでもあります。彼の糊口をしのぐ為の手段として、桜嶺女学院へ教師として紹介しています。
 小出から生徒から面白い話を聞いたなどとして、八出村について話すとよいでしょう。
 また、単純に古井の紹介で、民俗学者としての小出を探索者に紹介するのも問題ありません。
 小出が八出村の儀式が行われることを鞠枝からの手紙で知り、村でのフィールドワークを行うのに同行することになります。
 また、その他に古い儀式を復活させようとしている八出村に興味を持ち、報道関係者として取材に赴くなどもよいでしょう。

八出村の出身者

 帝都に出てきている八出村の出身者となります。
 直接的に山上家の分家筋としてもよいですし、なんらかの関係があって鞠枝の様子を見ている、預かっている等にすると楽に関係が作れるでしょう。
 そういった関係でなくとも田舎の地主のお嬢さんへの対応として、スマートな(あるいは下世話な)関係としても面白いかもしれません。
 いずれにせよ、何らかの理由をもって鞠枝の近辺に居ることになります。

その他

 鞠枝や古井と直接関係がなくとも、探索に関わる可能性がある人物、他の探索者の友人や血縁となります。
 探索への動機が弱くなる可能性がある為、八出村に赴く理由を含めて探索の理由付けを怠らないようにしてください。

八出村までの道のり

 八出村は岡山県の山奥にある寒村です。
 あまりにも山奥過ぎて、すでに鳥取なのか島根なのかも怪しい地域に存在していますが、『岡山の山奥』です。
 帝都から毎度の鉄道に乗り大阪へ、大阪から岡山、岡山からは津山へ、そして最後はバスと馬車と徒歩を利用して八出村へとたどり着きます。
 帝都―大阪経由、岡山間が大体10時間から12時間、津山まで3時間、そして津山から八出村まではバスで2時間、その後徒歩で1時間程度の行程となります。
 特に事件は起こらない為、キーパーはこの間は省略して、すでに八出村へ着いたか、その近くまで来たところから始めてもよいでしょう。
 津山などで八出村の情報を集めようとした場合や、小出から聞いたなどとして八出村の事前情報を探索者に教えておいてください。
・八出村は岡山の寒村の一つだが、麦を収穫していることで有名である。ただ、獲れたものは特に市場に出回っているわけではない。
・ああいった寒村は飢饉や疫病が流行る話が多いが、不思議とあの村はそういったことを聞かない。江戸期を通してそうだという噂がある。
・独特の信仰を持っていたと言われ、隠れキリシタンの潜伏先だったのではないかという話があるが、特に検証されている訳ではない。ただ、廃仏毀釈でその信仰は廃れたらしい。
・村の有力者である山上家がインテリ系らしく、明治以降、帝都の学校へ血縁者を出している。また、そのおかげで村の近くまでバスが通るようになっている。