はじめに
シナリオのスペック
本シナリオは、『クトゥルフ神話TRPG』向けであり、大正の中期、震災前で、麦が収穫を迎える時期である為、5月下旬から6月上旬の梅雨前の岡山の山奥を想定しており、大正時代『クトゥルフと帝国』あるいは、本『帝都モノガタリ』を対象としているシナリオです。
プレイヤーの人数は3~5人、作成したてから、数回の探索による成長の探索者を想定したデザインとなっています。
プレイ時間はキャラクターの作成を含まず、2~3時間程度を想定しています。
トレイラー
岡山の山奥にある八出村。
そこではかつて『山の神』に嫁ぐ神事があったが、それは失われていた。
探索者達は、この八出村出身の少女、山上鞠枝と帝都で知り合う。
彼女が戻ってしばらくの後、探索者達は村にそれぞれの事情から赴くことになる。
それは失われていた儀式を復活させたものを、見物する為だ。
花嫁候補として、探索者達の知る山上鞠枝の名前も挙がっていた。
神に嫁ぐ儀式が、呼び起こすものとは。
クトゥルフ神話TRPG Call of Cthulhu シナリオ
『山羊の花嫁』
「花嫁は正しく選ばれていたのだ」
始める前に
実際のセッションを始める前に、これらのことに注意するか、プレイヤー達に直接告げてください。
シナリオの傾向
本シナリオは、箱庭型にデザインされており、自由に探索を行う部分と時系列で起こるイベントがあり、静かな前半に探索、後半でアクション、戦闘を行なうシナリオとなっています。
最後に戦闘がある可能性はありますが、ひどく恐ろしい状況も無い、かなり地味で地道なシナリオです。
「謎は解かれなければならない」必要はありませんが、「手がかりは提示する」必要はあります。
情報は全て出し尽くす、というのが理想的ですが、探索者の選択、行動によって得られない情報も発生することでしょう。ある程度、キーパーの方から誘導、あるいは具体的にこうすれば?と提示することも必要になってきます。
キーパーは適宜(特に探索者の行動が止まってしまった場合等)、探索者を誘導するようにしてください。
探索者作成時の注意
本シナリオにおいて、よほど無理のある探索者以外は探索に参加させられることになります。
探索者全員は、桜嶺女学院の関係者として重要NPCである山上鞠枝と直接的に関係があるか、パトロンである古井と何らかの関係があり、八出村へと赴くことになります。
また、戦闘が皆無という訳ではありません。何らかの技能や、準備を怠らないようにしてください。
探索者の立場
・学校関係者:教師、女学生等
桜嶺女学院で教鞭を取っていた小出か、一時在籍していた鞠枝と関係があります。
小出と同行するか、鞠枝に会いに八出村へ出向くことになります。
・古井の知り合い:探偵、古物商、美術、芸術、学術の関係
パトロンとしてか、友人として古井と関係があります。
招待を受けた古井か、八出村の祭祀を発掘調査した民俗学者の名代として赴くことになります。
※ちなみに、古井は小出のパトロンでもあります。
・八出村に興味がある:報道関係者、民俗学者、考古学者、その他の観光者
八出村の山上家の宣伝をどこかで聞きつけて、取材か、あるいは学術調査に赴くことになります。
・その他:探索者、NPCと個人的な知り合い、血縁
八出村に赴く探索者や、NPCの個人的な知り合いであったり、血縁関係者となります。
鞠枝の場合は八出村へ会いに行く、それ以外の場合は同行することが目的になります。
探索者同士の関連付け
基本的に自由です。シナリオに参加する理由付けを作るようにしてください。
プレイヤーから提案を積極的に受け入れて、シナリオに参加する理由付けを作成するようにしてください。
NPCの鞠枝や、古井が事件に絡む鍵となるので、探索者の職業に合わせて、関係を構築すると楽になるでしょう。