シナリオの概要、真相(キーパー向け)
本シナリオは、大正12(1923)年8月、帝都が舞台となります。
女学生PCはまた安藤雪子から手紙とオペラのチケットを、探偵PCは二人の依頼人から仕事を請け、特高PCは仕事で、そして華族、資本家のPCは穂井田清とともに、浅草にあるオペラ座館へ出向くことになります。
オペラ座館で公演を楽しむ探索者達ですが、少女歌劇団による歌劇が中断されるハプニングが発生します。その後は滞りなく最後の演目まで上演されます。
公演後、探索者達は雪子に付いて支配人へ挨拶へと出向く途中、少女歌劇の一団に出くわし彼女らが身に着けている『黄色の印』を目撃します。
彼女らは『黄衣の王』を新作のオペラとしてオペラ座館で上演しようとしています。それによって、彼女らは演劇の世界に取り込まれ、『黄衣の王』を上演することで、黄衣の王を顕現させようとします。
『黄衣の王』、『黄色の印』にまるわる怪異や、それに巻き込まれた人々の狂気と、音楽の天使として風見を訓練している黒澄綾、綾を狙うミ=ゴ達、そしてオペラ座館に居を構える謎の猫レディ・ワイルドが絡み合い、オペラ座館の事件は進んでいきます。
『黄色の印』を奪取し、『黄衣の王』の上演を止めることが出来るか、否かでシナリオの結末は大きく変わります。
止めらなかった場合、黄衣の王がオペラ座館の舞台に顕現し、探索者達は協力者とともに王に対峙することになります。
止めた場合、『黄色の印』を取り戻すし為に派遣された、『黄色の印の守り手』に追われることになります。
シナリオは、『天球賛歌事件』と同型のスレッド型となっています。
やることが多い為、各スレッドの進行度合いに注意してください。
スレッドA オペラ『黄衣の王』
オペラ座館で起こる、『黄衣の王』の上演とそれを演ずる少女歌劇団にまつわるスレッドです。
『黄衣の王』のそれぞれの役を演じる、少女歌劇団のメンバー達の様子や、情報を提示していくスレッドであり、事件の大元になるスレッドです。
ある程度時系列に沿って進みますが、探索者の対応で少女歌劇団のメンバーの動きを変える必要もあるかもしれません。このスレッドを中心にシナリオを組み立ててください。
スレッドA' 悪夢
『黄色の印』を見た段階で自動的に発生するスレッドです。
『黄色の印』を目撃した探索者が見る悪夢の内容です。
スレッドAに組み込まれる内容ですが、A'としています。
スレッドB 音楽の天使、黒澄綾
オペラ座館の中の怪しい影、音楽の天使として暗躍する黒澄綾のスレッドです。
彼女はある目的から風見の音楽の天使となって、彼女を鍛えています。
探索者達が音楽の天使、オペラ座館の怪人が綾であることに気が付いていなくとも、彼女の秘密を探ることでこのスレッドは進みます。
綾と手を組むかは探索者次第です。
スレッドC 奇妙な客、ミ=ゴ達
綾と敵対するミ=ゴのスレッドです。
怪しげな客としてオペラ座館に出入りをし、綾を狙っていたのですが、彼らと敵対する『黄衣の王』が上演されることを知ると、その阻止に走ります。
スレッドBと合わせて進行させ、オペラ座館内の事件を演出してください。
ミ=ゴと手を組むかは探索者次第です。
スレッドD 桜嶺女学院、安藤雪子
『黄衣の王』に巻き込まれた安藤雪子のスレッドです。
女学生PCに対する押しや、『黄衣の王』の影響を伝えます。
情報を与えるのみのスレッドになりがちですが、雪子を利用することで女学生PCへプレッシャーとヒントを与えてください。
スレッドE 千鳥美波、レディ・ワイルド
少女歌劇団に所属する千鳥のスレッドです。
彼女は、レディ・ワイルドのお陰で『黄衣の王』の影響が最小限に抑えられています。
レディ・ワイルドとの橋渡し役となる千鳥と協力するかは、探索者次第ですが、オペラ座館が不思議な劇場であると演出するのに役立ててください。
スレッドF 三村、清水二人の脚本家
探偵PCが依頼を受けた脚本家三村と、盗作の疑いを掛けられたオペラ座館所属の脚本家清水の動向を探るスレッドです。
二人とも、『黄衣の王』にまつわる脚本を書き上げた時点で用済みになっています。
清水はすでに死亡していますが、三村を助けられるかは探索者次第です。
スレッドG 穂井田、王の従兄弟
華族、資本家のPCの友人、遠い親戚である穂井田の狂気を見守るスレッドになります。
彼は4年前に『黄衣の王』を読んでおり、その為に、精神病院へ入院させられていましたが、退院後、またも狂気が蘇ります。
スレッドL 『黄衣の王』、上演
終幕部となるスレッドで、『黄衣の王』が上演された場合です。
各勢力の助力を得て、『黄衣の王』と対峙します。
スレッドM 『黄色の印の守り手』
終幕部となるスレッドで、『黄衣の王』が上演されなかった場合です。
探索者が手に入れた『黄色の印』を巡り、『黄色の印の守り手』に追われます。