シナリオの登場人物
シナリオに登場する重要な人物たちです。
GMはこの多数のNPC達をうまく使ってシナリオを回していってください(無理だ、と感じた場合、彼らの役割を限定的なものとすることも検討してください)。
この中で、高坂正信、小幡とらはシナリオをけん引する為の便利キャラとして扱い、GMの裁量で登場する場面を増やしたりして、探索のヒントを与えるようにしてもよいでしょう。
黒澄綾（くろすみ・あや）、天才音楽少女
桜嶺女学院に数ヶ月前に転校してきた、背の高い、病的な白い肌と、漆黒の髪を持つ美しい娘です。
一応、華族の娘ではありますが、あまり地位が高くないうえ、裕福でもありません。帝都では親戚の家に厄介になっており、あまり良い目で見られていません。そのせいもあり、女学院にはいつも最後まで残っています。
様々なことに天才的な、また独特の才能を発揮しますが、今はピアノ、その『天球音楽』の完成に全身全霊を注いでいます。
天才に特有な、微妙なずれと、何もかもを見透かし、先回りするような言動をします。しかし、基本的には控えめで、目立たないようにしているのですが、その容貌と才能によりどうしても目立ってしまいます。
学院内では誰とでも対等に接し、距離を置くようにしていて、特に親しい相手はいないのですが、一部の後輩達からは「お姉さま」と（影で）慕われる存在となっています。
唯一、教師の真田幸に対してだけはある程度心を開いているようです。
能力値:
【体力】30 【気力】50 【活劇】+3 【浪漫】+10 【才知】+10 【社交】+5
技能:
【音楽】20 【知覚】5 【文学】8 【霊感】10 ※【才知】の技能は全て15扱い 【礼儀作法】5
山県雅子（やまがた・まさこ）、ノイローゼの女学生、超お嬢様
桜嶺女学院のお得意様とも言える、お嬢様で女学院では女学生PCと同級生となります。
現在は『天球音楽』の影響から、私宅監置状態となっています。
狂気に蝕まれる前は、明朗快活、好奇心旺盛で、そのお嬢様らしい遠慮のない、高圧的とも言える態度の大きさを持った超お嬢様でした。
その旺盛な好奇心と遠慮の無さから黒澄綾に対してもアプローチをかけていた訳ですが、そのまま『天球音楽』の影響を受けてノイローゼとなっています。
能力値:
【体力】15 【気力】5 【活劇】+2 【浪漫】+2 【才知】+3 【社交】+4
技能:
※山県雅子は技能がまともに使える状態ではない為、省略します。
馬場晴香（ばば・はるか）、女学生PCの同級生、行方不明の娘
桜嶺女学院の生徒で、シナリオ開始時にすでに行方不明者です。
おっとりとした、優しい性格のお嬢様で、父である信久には全く似ていません。
特に華族であることを強調せず、誰とでも分け隔てなく接する、金持ちとは言え、庶民が多い女学院の中では珍しい存在です。
普段はおっとりとした性格でゆったりとしているのですが、何かにのめりこんでしまうと周りが見えなくなる性向を持っており、黒澄綾に入れ込んだのもそのせいだと言えます。
黒澄綾とは特に怪しげな関係ではないのですが、二人ともある意味目立つ存在であった為、噂好きの女学生達の間で様々な風評が立っています。
能力値:
【体力】15 【気力】5 【活劇】+2 【浪漫】+3 【才知】+3 【社交】+3
技能:
※馬場晴香も技能がまともに使える状態ではない為、省略します。
内藤豊（ないとう・とよ）、女学生PCの下級生、新たな犠牲者
桜嶺女学院の生徒で、シナリオ開始後に行方不明になります。
ごく親しい相手からは『お豊』と呼ばれています。
山県雅子に似たお嬢様でしたが、桜嶺女学院に通うようになったことで様々な人々に触れて階級意識が薄くなっています。
青鞜等のいわゆる「新しい女」の影響を受けつつありましたが、その「青鞜」を創刊した平塚らいてうが大正4年に降りて、大杉栄にまつわる男性問題で大正5年には無期休刊になる等の歴史を見て、現実と理想のギャップを見ています。
黙しがちな夢想家と同級生は思っていますが、実際は「口は禍の元」「沈黙は金」という座右の銘に従っているだけです。
春日綱子とは友人関係であり、煩わしい人間関係を逃れる為に彼女を盾代わりに使っている節もありますが、綱子が盾ならば豊は矛になります。
綱子の才能を認めて声楽部への入部を勧めたり、黒澄綾との関係を深めるようにしていますが、いかんせん彼女の兄好きには閉口しています。
黒澄綾については好意、というよりもあまりにも異質な知性、巨大な才能に興味を持って観察対象にしていたところ、その圧倒的な存在に取り込まれているという状態です（深淵に覗き返されたお嬢様です）。
能力値:
【体力】15 【気力】25 【活劇】+2 【浪漫】+3 【才知】+4 【社交】+2
技能:
【音楽】2 【文学】4 【書物】3 【神秘学】3 【弁論】3 【礼儀作法】3
春日綱子（かすが・つなこ）、女学生PCの下級生、新たな犠牲者、高坂正信の妹
桜嶺女学院の生徒で、シナリオ開始後に行方不明になります。
高坂正信の妹ですが、離婚した母親に連れられた為、春日姓となっています(ちなみに母親は再婚した為、元の母方の姓でもありません)。
現在の家庭環境には全く問題がなく、むしろ桜嶺女学院に通わせてもらえるほどなのですが、何故か兄のことを慕っており、機会を捉えてはどうにか会いに行こうとします（こういった行動力は兄同様、火炎放射器の様なそれに似ています）。
この為、桜嶺女学院に馬場春香の送り迎えに姿を見せる兄を待ち構える姿がよく見かけられます。
本人にあまり自覚はありませんが、天才的な音楽の素養（黒澄綾には遠く及びませんが）を備えており、声楽部へと誘われると同時に唯一黒澄綾が音楽の話をする相手となっています。
能力値:
【体力】15 【気力】25 【活劇】+2 【浪漫】+4 【才知】+3 【社交】+3
技能:
【音楽】5 【文学】2 【霊感】3 【うわさ】3 【礼儀作法】3
--淳一（--・じゅんいち）、天文学教授、女学生PCの父親
姓は女学生PCと一緒になります。
実業家の父の下、帝王学と経済学、法律を学んでいたのですが、突然、全く実用にならない天文学に鞍替えし、以降、その教授という身分になるまで天文学に打ち込んでいます。
最初のうちは父親（女学生PCの祖父）も強固に反対していたのですが、弟や親族達がその事業を継ぎ、拡大していくともはや諦めた、というよりもそちらの方が良いであろうと判断し、長男はそのままで放置されました。
実業家一家の現頭首でありながら、全く事業には関わっておらず、日々気楽に、天文台に通っています。
人が良すぎるお坊ちゃんでありながら、どこか鋭いものを持つ天文学者です。
能力値:
【体力】20 【気力】25 【活劇】+2 【浪漫】+3 【才知】+4 【社交】+3
技能:
【鍛錬】3 【外国語】(英語)3 【自然科学】6 【書物】4 【電気／機械】2 【説得】4 【取引】3 【弁論】5 【礼儀作法】3
秋山智生（あきやま・ともお）、魔人、『星の再臨会』の主催、一連の事件の黒幕
年齢よりも若く見え、カトリックの神父の黒服を着ていなければ、まだ20代前半の若者、それこそ書生や学生の様に見えます。
甘いマスクのいつも軽い笑みを湛えた、穏やかな好青年に見えますが、カルト教団の教祖らしい、人の意見を全く聞かない、反論をする必要もない、そんな全てを拒否、受け流すタイプです。
特に狂人という訳ではないのですが、偏執的な宗教家であり、『魔月』との接触をする為には、手段を選ばず、誘拐などの犯罪行為に手を染めています（殺人等にも全く躊躇いはありません。彼にとって自らの教義を受け入れられない者は全て人間以下の存在で、救済の対象とはならないのです）。
『魔月』と接触するということは、現世からの救済であり、天国の門が開かれるのだと信じていますが、例え接触がなったとしても『魔月』からは何の恩恵も得ることは出来ません。
もちろん、このことに秋山は全く気付いていません。
※秋山の能力値は別途、データセクションにおいて魔人秋山として示します。
山本幸助（やまもと・こうすけ）、『星の再臨会』関係者の天文台職員
熱心なカトリックの信者の家で育ち、本人も信仰心の篤いを持っていたのですが、大正7(1918)から9年にかけて日本でも流行を見たスペイン風邪で相次いで家族を失った結果、秋山の『星の再臨会』という異端に染まってしまいました。
秋山の伝でイギリスから『天球音楽受信機』を入手し、「エーテル理論の成果」などと偽って一台を天文台へ運び入れ、『魔月』の動きと『天球音楽受信機』がその『天球音楽』を奏でるタイミングを調べています。
ただ、常に『天球音楽』を身近に聴くようになった為、次第に狂気に蝕まれ行っています。
能力値:
【体力】20 【気力】15 【活劇】+1 【浪漫】+4 【才知】+4 【社交】+1
技能:
【外国語】(英語)3 【自然科学】5 【書物】5 【神秘学】3 【電気／機械】3 【説得】3
馬場信久（ばば・のぶひさ）、馬場晴香の父、子爵
馬場家の現頭首です。そこそこの歳なのですが、髭を生やしてはいません。
子爵という特権階級である華族なのですが、本人の手腕と才覚で商売を始め、そして成功しています。
今回の娘の行方不明、およびその前後の行動に関して信久はあまりよく思っておらず、探偵に捜索を依頼したのも単なる世間体からです。
能力値:
【体力】25 【気力】25 【活劇】+2 【浪漫】+2 【才知】+3 【社交】+5
技能:
【経理】4 【説得】5 【取引】5 【弁論】4 【礼儀作法】3
高阪正信（こうさか・まさのぶ）、馬場家の書生、書生PCの友人
馬場家で世話になっている書生です。
直情径行の熱血漢であり、非常に行動力があります。
何故か馬場子爵に心酔しており、馬場のことを「御前」と呼んで、日夜奔走しています。
なお、今回の娘の晴香のことについては、その火炎放射器のような性格と行動力がなした独断の行動で、「御前」には話していません。
ちなみに、専攻しているのは何故か考古学です。
能力値:
【体力】25 【気力】25 【活劇】+4 【浪漫】+2 【才知】+3 【社交】+2
技能:
【格闘】3 【体術】2 【鍛錬】3 【知覚】3 【取引】2 【社会科学】3 【弁論】3
小幡とら（おばた・とら）、桜嶺女学院の生徒、声楽部のあまり熱心でない部長
桜嶺女学院の上級生で、非常に見目麗しく、上品な華族の娘です。
常にゆったりとした華族らしい雰囲気と、どこか退廃的なものを感じさせ、女学生らしくない、非常に大人びています。
しかし、その実態は極度の面倒臭がり、超怠惰な娘で、それこそ「息をするのも面倒臭い」というところまで行ってしまっています。
その為、自ら行動することはありませんが、人を使わせることに関しては超一流です。
声楽部がほとんど活動をしなくなったのはもちろんこの小幡とらのせいですが、今回の事件に関しては全く無関係、無関心です。
能力値:
【体力】15 【気力】25 【活劇】+2 【浪漫】+4 【才知】+4 【社交】+5
技能:
【威圧】3 【音楽】3 【骨董】3 【文学】3 【美術】3 【ゲーム】3 【自然科学】4 【書物】3 【演技】5 【接客】5 【説得】5 【弁論】5 【礼儀作法】5
真田幸（さなだ・ゆき）、桜嶺女学院の女教師
珍しいきっちりとした洋装に、固く髪を縛っています。あまりお洒落な格好ではありませんが、髪を縛る藍色のリボンがお洒落と言えます。
黒目がちな大きな瞳をしていますが、あまりにも鋭い眼光が眼鏡の奥からのぞいています。
若い頃にイギリスのブリチェスター大学に留学し、そこでフォークロアについての研究と、フィールドワークの実践を行いました。
以降、イギリスでも日本でも末裔と邪神にまつわる事件に巻き込まれるという数奇な運命を辿り、最終的には現在の桜嶺女学院の教師という地位を得ています。
秘神家ではなく、海外の末裔との繋がりが強い彼女はある意味で危険視されており、彼女の方でも秘神家本家に対して不信感を持っている為、秘神家やその出先機関である『古代遺産管理局』に対して積極的な協力は行っていません。
能力値:
【体力】40 【気力】55 【活劇】+2 【浪漫】+4 【才知】+4 【社交】+3
技能:
【隠密行動】4 【火器】4 【体術】3 【馬術／馬車】2 【知覚】5 【文学】3 【尾行】3 【霊感】3 【医学】4 【英語】5 【ラテン語】3 【ドイツ語】3 【自然科学】5 【社会科学】5 【書物】5 【神秘学】5 【秘神家伝承】5 【野外生活】3 【うわさ】3 【精神医療】5 【接客】3 【説得】5 【取引】3 【弁論】4 【礼儀作法】3
守護神…フィン(≪万霊≫2、≪賢者≫2)
蘆田蕃(あしだ・しげ)、山県家の女中
山県家の女中で、中堅どころです。
山県家に大勢居る女中頭の一人で、主に雅子の世話を行う部隊を任されていましたが、彼女の病状の悪化の前になす術なく、ただ当主の指示にしたがって緩い私宅監置を行っています。
医療や精神医学に詳しいということもなく、雅子がいわゆる『お脳の病』であることは分かっていますが、特に対策は立てられていません。
右往左往する家人の一人ではありますが、PC達の対応に出てきて藁にも縋る思いである程度の情報を開示します(彼女にとっては雅子の病状よりも、家の体面の方が大事なのです)。
能力値:
【体力】20 【気力】20 【活劇】+2 【浪漫】+1 【才知】+3 【社交】+3
技能:
【隠密行動】3 【家事】4 【経理】3 【接客】5 【取引】3 【礼儀作法】5