異説天球賛歌事件 真田幸スレッド

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『異説天球賛歌事件』目次:
■はじめに
■概要と真相
■登場人物(NPC)
■シナリオのチャート
■導入部
■桜嶺女学院スレッド
■天文台スレッド
■星の再臨会スレッド

>真田幸スレッド
 □真田幸の論文
 □真田幸、真っ白な容疑者

■リンケージ:晴香と天球音楽
■リンケージ:雅子の誘拐
■終幕部
■データセクション

真田幸スレッド

 桜嶺女学院の女教師、真田幸は先に論文や、あちこちで関係があるように言及されますが、結末に近くなるまで登場しません(GMの判断で早い段階でこの怪しげな教師が事件に関係なく、むしろ風評被害のようなものにあっているとしてもよいでしょう)。
 それ以前に、『論文』のみが登場し、その存在がかなり胡散臭く見えます。
 しかし、最後に桜嶺女学院スレッドの学校での場面で登場させ、PC達から一通りの質問、疑問を受けつけ、真っ白であることを証明してください。

真田幸の論文

 イギリスの大学(ブリチェスター大学ですが、このことは特に告げる必要はありません)で真田が、そこでのフィールドワークの記録等をまとめた日本語の論文です。
 本来ならば英語で書かれているべきなのですが、身の危険を感じた真田が現地の人間に分からないようにわざわざ日本語で書いています。
 論文は日本に持ち帰っており、ブリチェスター他、イギリスでは発表されていません。
 この論文を読むには通常は三日、斜め読みでも2時間かかります。読むことによってショックレベル2を受けます。

 論文の内容は以下の通りです。
・学問としてのフォークロアについて。国内の民俗学との比較。
・19世紀における英国の土着信仰についての調査。
・セヴァーン峡谷におけるGlaakiと呼ばれる神の信仰についての研究。
・それに伴う、1800年代の半ばまでに書かれた書簡集(?)Revelations of Glaakiの研究。
・その中でも、特に彗星の神について。
 この彗星の神は、その軌道上を他の恒星や惑星が通り過ぎる時、それらに歌いかける。
 この神は通り過ぎていく世界に眠っている魔神や古代の神々といったものを目覚めさせる事により、それらの世界を破滅させるのだと言われている。
 挿絵の写し。巨大な球体で、その表面には不気味な赤いひび割れがいくつも、あたかも傷跡か血管のように交差している。ひどく不健全な、ぞっとするようなものである。

【秘神家伝承】の難易度15に成功すると、この論文が民俗学の研究ではなく、真実の邪神について語っていることに気が付きます。
 達成値が18以上になった場合、ここで語られる彗星の神が、『魔月』を指しているのではないかということに気が付きます。
 真田オリジナルの論文を読んでいる場合、【書物】の難易度15に成功するとこの論文のところどころに真田のメモらしきものが残っており、日本の秘神家伝承における『魔月』との類似点を検証していることに気が付きます。

真田幸、真っ白な容疑者

 ここで今まで名前だけだった真田幸が登場します。
 数え年で30丁度、背筋をまっすぐに伸ばした佇まいに、いかにも教師然としたばりっとした洋装、髪をきつく結っています。髪を纏めている飾り気の無い藍色のリボンが唯一のお洒落です。
 眼鏡を掛けてその鋭い眼光を隠してはいますが、理知的というにはあまりにも怜悧な眼を持っています。
 真田は特に隠し立てすることを持っていません(何しろ、今回の事件とは全くの無関係なのですから!)。その為、あらゆる技能でも一切の嘘、大げさ、あるいは後ろめたい感情を感じることはありません。
 ただ、生徒の身を案じている、クールに見えるが熱心な教師である、ということは分かります。
※真田は『末裔』ですが、秘神家とは距離を置いています。
 この為、秘神家からマークされている存在ではありますが、特に危険視はされていません(むしろ、協力してもらいたい、という状態です)。

・再臨会との関係は?
「分かりません。なんですか、その『星の再臨会』というのは?」
 秋山の名前、あるいは何らかの秋山を示唆する内容を話した場合。
「ああ、秋山智生さん。名前だけは覚えています。
 なにか私の論文にいたく感動したとか。それで私の元を訪れていろいろと質問をなさいました。
 ・・・・・・あまり良い生徒ではありませんね。人の話を聞かず、自分の理論だけを優先する人でした」
「一、二度会っただけで、他には特に関係はありませんよ」

・論文について
「イギリスの大学に居た頃に書いた論文ですよ。
 何故英語ではないのか?あちらで発表するつもりはなかったので。
 まあ、できれば日本でも発表したくなかったのですが、留学した以上、何かを出さないと大学側も納得しないものでして」

・Glaakiについて
「果たして、あの荒唐無稽な文章が真実なのか?それは私にも分かりません。
 ただ、少なくとも、事実の一端を語っている、ということは確かでしょう」
「あなた方ならば分かると思いますが、ああ言ったものの中にある真実を浚うのが我々の役目ではないですか」

・彗星の神について
「あちらではGhrothと呼ばれていましたが…。
 最も強力な邪神の一柱である、と思われます。おそらく秘神家の語る『魔月』と同一ではないか、と私は考えていますが、いかんせん検証が足りません」
「秘神家とは折り合いがよろしくない、と言えば納得してもらえるでしょうか。
 彼らの秘密主義とそこに結び付く利権によって、大いなる危機を招いていると言わざるを得ません」

・黒澄綾との関係は?
「特に、何かある、というわけではありません。教師と生徒ですよ。
 ただ、彼女は非常に優秀かつ独特ですね。天才故のずれを感じると言うか、そんな感じです」
「しかし、あの論文についての質問を受けた時はさすがに驚きましたね。
 とは言え、ただ興味を持った、という程度の質問でしたが」
「何も趣味は音楽だけ、ではありませんよ。
 音楽の才能が突出していることは確かですが、それ以外にも科学や数学、民俗学にも興味を持っていて、そちらの話をしたこともあります」

・天球音楽について
「宇宙の仕組みには数学的な秩序があり、星の運行には美しい音楽のような調和がある…。
 ピタゴラスでしたか?
 もしも、全ての天体の運行に何らかの秩序や、法則性を見出せると言うのであれば、天球音楽と言うのもあながち詩的な比喩ではなく、現実的なものなのかもしれませんね。最も、その前にまずは宇宙の仕組みを解き明かさなければなりませんが」

 一通り質問を受け取ると、真田は去っていきます。
 この一連の受け答えの後でも真田を疑っているようならば、尾行するとか、真田についてさらに調べるとかしても、全く怪しいところは出てきません。
 それどころか、真田を調べているPCが逆に不信がられてしまいます。
 尾行を行った場合、簡単に気付かれるか、巻かれてしまうか、あるいは全く怪しげな行動はありません。
 真田は若い頃にイギリスの『末裔』達の協力者としてかなり活躍(?)をしています。半ば引退しているようなもので、現在は静かに暮らすことを目的に日本へ帰ってきているのですが、やはり知的好奇心は抑えることができず、また先駆者(異端者)として一部で有名になってしまっている為、様々な事件に助言や援助等を与えています。
 もしも、今後同じキャラクターで探索を行う場合は、便利な教授キャラとなるでしょう。
 真田幸の能力値の詳細はシナリオに登場する人物の詳細を参照してください。